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トップ  バックナンバー  2010年  9月  第50回 ウルトラマンと沖縄

ウルトラマンと沖縄
~脚本家・金城哲夫の見果てぬ夢~

●本放送 平成22年 9月15日(水) 22:00~22:43 総合 全国
●再放送 平成22年 9月22日(水)
08:15~08:58
BS2

※再放送の予定は変更されることがあります。当日の新聞などでご確認下さい。

配役:金城哲夫役…当銘由亮(とうめ よしあき)
青年時代の金城哲夫役…城間大輔(しろま だいすけ)

エピソード1 永遠のヒーローは沖縄から 「ウルトラマン誕生秘話」

正義のヒーロー・ウルトラマン。昭和41年の放送以来、大人から子供まで魅了し続けている。“ウルトラマンをつく創った男”と言われる脚本家・金城哲夫は、沖縄出身の青年だった。
アメリカ統治下にあった沖縄から東京の高校へとやってきた金城は、東京の友人たちを沖縄に連れていくなど、日本と分断され苦しむ故郷の現状を知らしめようと努力していた。大学卒業後は沖縄を舞台とした映画やテレビドラマを製作するが、それらが本土で公開されることはなかった。彼の才能が開花したのは、円谷プロで企画のリーダーとして携わった『ウルトラQ』や『ウルトラマン』。これらは怪獣ブームを巻き起こし、大ヒットする。金城は、ヒット作品の中にも、故郷・沖縄への想いを込めようとする。
 

エピソード2 悩めるヒーローが秘めた 現代史の悲劇 

昭和42年、ヒットメーカーとなった金城が、次にスタッフの中心となって企画したのが『ウルトラセブン』。主人公であるウルトラセブンは、時に人類と宇宙人の仲裁役となる。しかし、現実の世界では争いの仲裁どころかベトナム戦争が激しく繰り広げられていた。
また、金城の故郷・沖縄はアメリカ軍によるベトナムへの出撃基地として用いられるようになっていた。こうした現実が『ウルトラセブン』に影を落とすようになり、昭和43年、金城は異色の脚本『ノンマルトの使者』を書く。ヒーローが戦いに悩むこの作品には、金城自身の悩みが投影されているとも言われている。娯楽番組の中で果敢に己の想いを表現しようとした金城だが、やがて挫折し、東京を後にする。
 

エピソード3 かけ橋になろうとした男 なぜ板ばさみに?

昭和44年、沖縄へと帰った金城は、沖縄の伝統の大衆演劇・沖縄芝居の脚本を書くなど、故郷の誇るべき伝統に新たな命を吹き込もうと奮闘していた。そんな金城のもとへ、昭和50年夏から開催される「沖縄国際海洋博覧会」の式典の演出の依頼が舞い込む。世界36カ国が参加する巨大イベントを、金城は沖縄を世界へと伝えるチャンスととらえる。見事な演出を実現した金城だが、一方では地元から「本土の回し者」と非難された。沖縄のためという名目で開催されたイベントは結果的に経済や環境の面においてデメリットをも発生させていたのだ。こうしたことが金城の心に大きな傷を与え、酒におぼれるきっかけとなった。なおも沖縄のために書き続けようとする金城だが、ついに悲劇が訪れる
 

参考文献

山田輝子『ウルトラマンを創った男』(朝日文庫)
上原正三『ウルトラマン島唄』(筑摩書房)
実相寺昭雄『怪獣な日々』(ちくま文庫)
実相寺昭雄『ウルトラマンのできるまで』(筑摩書房)
『金城哲夫の世界 脚本集[沖縄編]』(パナリ本舗)
玉城ゆう子『沖縄を愛したウルトラマン』(琉球タイムス連載・未刊)
金城哲夫研究会『金城哲夫研究』創刊号・第一号(同人雑誌)
DVD:飯島敏宏監督『ウルトラの揺り籠』(円谷プロ)
新崎盛暉『沖縄現代史』(岩波新書)
R・D・エルドリッチ『沖縄問題の起源』(名古屋大学出版局)
新城俊昭『琉球・沖縄史』(東洋企画)
前泊博盛『もっと知りたい!本当の沖縄』
吉沢南『ベトナム戦争と日本』(岩波書店)
高良倉吉『琉球王国』(岩波新書)
大野道雄『沖縄芝居とその周辺』(みずほ出版)
電通編『沖縄国際海洋博覧会公式記録』

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