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トップ  バックナンバー  2010年  3月  アンコール 名作選 美の戦国合戦

名作選 美の戦国合戦
~長谷川等伯vs.狩野永徳 絵師たちの夢と野望~

●本放送 平成22年 3月10日(水) 22:00~22:43 総合 全国
●再放送 平成22年 3月17日(水)
08:15~08:43
BS2
全国
※再放送の予定は変更されることがあります。当日の新聞などでご確認下さい。

エピソード1 等伯の絵が天下を変える?

長谷川等伯「武田信玄像」成慶院蔵
能登の国・七尾に生まれ、地元の人気絵師として仏様の絵を描いていた30代の等伯に、隣国・越前の朝倉氏からの依頼が来る。等伯が描いたのは高野山・成慶院に伝来する「武田信玄像」。山形大学の宮島新一教授の説に基づいてこの絵を見ると、そこには、戦国時代を揺るがしかねない秘密のメッセージが込められていた。そして、等伯はこの肖像画を通じて、天下の権力者に仕えて御用絵師になるという、野心を抱くようになったのだ。
 

エピソード2 戦国絵師の仁義なき戦い

後ろ盾もなく京都へやって来た等伯は、苦節10年、千利休という権力者とのパイプを得ることに成功し、大徳寺金毛閣の天井に巨大な霊鳥をあらわした「迦陵頻伽図」(かりょうびんがず)を制作する。しかしこの絵こそ、天下人や朝廷の仕事を独占していた絵師集団・狩野派との確執を生み、等伯はライバル狩野永徳と、美をめぐる泥沼の天下争奪戦を繰り広げる。
 

エピソード3 2つの国宝 等伯に何が?

長谷川等伯「楓図壁貼付」智積院蔵                       「松林図屏風」東京国立博物館蔵 TNM Image Archives
等伯には、代表作とされる国宝が2点ある。金地に巨大な楓を描いた絢爛豪華な「楓図壁貼付」と、それとは対照的に、墨一色で描かれた幽玄な「松林図屏風」だ。
天下人・豊臣秀吉から注文を受けた等伯は、秀吉の好みを探るため、ライバル・永徳の絵を研究する。等伯の描いた、国宝「楓図壁貼付」に現れた研究の成果とは?そして天下争奪戦の結果、等伯が夢見たものは何だったのか?等伯が残した国宝、「松林図屏風」とともに等伯の心情を探っていく。
 

長谷川等伯に関する展覧会

「没後四〇〇年 特別展 長谷川等伯」
下記の日程で開催中(開催予定)です。
○2月23日(火)~3月22日(月) 東京国立博物館
○4月10日(土)~5月9日(日) 京都国立博物館

番組で紹介した下記の作品が、現在、東京国立博物館で展示中。その後京都国立博物館でも展示予定です。
正覚院 所蔵 「十二天像(じゅうにてんぞう)」
表千家不審庵 所蔵 「千利休像(せんのりきゅうぞう)」
智積院 所蔵 「楓図壁貼付(かえでずかべはりつけ)」
本法寺 所蔵 「等伯画説(とうはくずせつ)」
本法寺 所蔵 「仏涅槃図(ぶつねはんず)」
東京国立博物館 所蔵 「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」

以下の作品は、京都国立博物館で後期展示<期間:4/27(火)~5/9(日)>の予定です。
成慶院 所蔵「武田信玄像(たけだしんげんぞう)」
 

この回ゆかりの地は・・・

参考文献

「長谷川等伯」 宮島新一 ミネルヴァ書房
「狩野派絵画史」 武田恒夫 吉川弘文館
新潮日本美術文庫3「狩野永徳」 川本桂子(解説) 新潮社
新潮日本美術文庫4「長谷川等伯」 黒田泰三(解説) 新潮社
「御用絵師 狩野派の血と力」 松本寛 講談社選書メチエ
「長谷川等伯」 土居次義 講談社

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