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トップ  バックナンバー  2010年  1月  第29回 焼け跡とバウムクーヘン

焼け跡とバウムクーヘン
~あるドイツ人夫妻の苦難と愛~

●本放送 平成22年 1月13日(水) 22:00~22:43 総合 全国
●再放送 平成22年 1月20日(水)
平成22年 1月30日(土)
08:15~08:58
13:30~
BS2
BS2
全国
全国
※1月30日(土)は「あなたのアンコール・サタデー」の番組内で再放送。
※再放送の予定は変更されることがあります。当日の新聞などでご確認ください。

配役:カール役 アンドレアス・ガハプカ
エリーゼ役 クリスティアーナ・デェイズ

エピソード1 第一次世界大戦とバウムクーヘン

「カール・ユーハイム」
日本で初めてバウムクーヘンが焼かれる背景には、第一次世界大戦がありました。
1886年、ドイツ中部ライン川沿いの町で、ビール職人の家に生まれたカール。22歳、菓子職人として一旗揚げようと、当時、ドイツの租借地だった中国・青島へと旅立ちます。しかし、1914年、第一次大戦勃発。青島を日本軍が占領し、カールは、妻とそのお腹にいる子供を残し、捕虜として大阪、そして広島へ…。しかし、思わぬ転機が訪れます。広島市物産陳列館(後の原爆ドーム)で行われたドイツ捕虜の作品展示即売会。仲間に促され焼いたバウムクーヘンが意外にも日本人に受け、カールは終戦後も日本で闘うことを決意します。
 

エピソード2 関東大震災とバウムクーヘン   

カールは腕を買われて、銀座の洋食屋の製菓主任として迎え入れられます。妻エリーゼと息子とも再会。3年後には、独立し、横浜に店を構えるまでになりました。しかし、1923年9月1日。横浜を大震災が襲います。命からがら神戸へ脱出。手元に残っていたのは、5円札1枚だけでした。
カールとエリーゼ(再現)
 

エピソード3 焼け跡とバウムクーヘン

バウムクーヘン
何もかも失ったカールとエリーゼ。しかし、横浜時代に自分が育てた日本人の弟子たちに励まされ、再び神戸に店を構えます。借金だらけ、床に麻袋をしいて寝る日々。しかし、第一次大戦と関東大震災を生き延びた二人は、気丈でした。「ワタシタチハヨコハマデイッショウブンノカナシイオモイヲシマシタ。デモ、ワタシ、タッテイマス。」
生活の洋式化にも後押しされ、店は、これまでにない繁盛ぶりをみせます。しかし、今度は第二次世界大戦が勃発。カールは、心労から倒れてしまいます。さらに、神戸大空襲によって店は全焼。終戦の前日8月14日。カールは静かに息をひきとりました。最後の言葉は、「俺にとっては菓子は神」。菓子に翻弄された自分の“焼け跡人生”を肯定して亡くなったのです。
 

参考文献

『デモ私立ッテマス』(ユーハイム社史)
『カール・ユーハイム物語』(新泉社)
『青島から来た兵士たち』(同学社)
『横浜の関東大震災』(有隣堂)
『神戸スポーツはじめ物語』(神戸新聞総合出版センター)

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