11月29日 兵庫県佐用郡佐用町
取材/リエゾン被災人事務局 内藤高文
11月29日の11:00~14:00、佐用町笹ヶ岡ドームにて、「佐用町復興フェスティバル」が開催され、約2000人の方々が来場されました。
イベントの事務局長をつとめた、日本災害救援ボランティアネットワークの寺本弘伸(てらもと・ひろのぶ)さんによる開催あいさつ
このイベントは、8月9日の台風9号による水害で被害に遭い、今もなお生活の再建を図っている住民の方々にもう一度元気を取り戻してもらい、さらに住民の方々と周辺地域の方々がふれあうことで、人の輪が広がっていくことを目的としていました。
NPO法人「日本災害救援ボランティアネットワーク」(NVNAD)の呼びかけがきっかけで、地元の団体や学生ボランティア、さらには2000年の東海豪雨水害、2004年の新潟県中越地震、2007年の能登半島地震と新潟県中越沖地震の被災者からの応援など、多くの方々の協力を得て行われました。
佐用町、佐用町社会福祉協議会、佐用町商工会、千種川ネットワーク、兵庫県社会福祉協議会、被災地NGO協働センター、レスキューストックヤード、中越復興市民会議、西宮市社会福祉協議会、関西学院ヒューマンサービスセンター、日本災害救援ボランティアネットワーク(順不同)が協力して開催されました。
まず開催前に、能登半島地震の被災地から贈られた、十月桜の植樹が仮設住宅前で行われました。
能登半島からボランティアに駆けつけた滝井元之(たきいもとゆき)さんは「地元が震災に遭ったとき、ボランティア方にいろいろ助けられたので、このようなイベントがあると聞き、ぜひ私も協力したいと参加しました。十月桜の苗がすくすくと育ち、それにともなって佐用町の方々も晴れ晴れとした気持ちになっていただけたらと思っています」と話しました。
また、新潟県中越地震の被害に遭った山古志村から参加した樺沢恵子(かばざわけいこ)さんは「私も、過去に協力や支援していただいたことに対するお礼がしたいと思い参加しました」と話しました。
復興の願いを込められて植樹された十月桜
午前11時から始められたイベントでは、上月太鼓による演奏や兵庫県立作用高校吹奏楽部による吹奏楽、元阪神タイガースの福間納(ふくまおさむ)さんによるトークショー、2000年の倒壊豪雨による水害で被災した胡弓演奏家の石田音人(いしだねひと)さんの演奏などが行われ、来場した人々をもてなしました。
また会場内では、地元佐用町名物のホルモン焼きうどんや鹿コロッケ、自然薯を使ったとろろごはん、さらには姫路の駅そばやきしめんなどを販売するブースが並び、人気コーナーには行列ができるほどの盛況ぶりでした。
胡弓奏者の石田さんは、東海豪雨による被災者のひとり
200食用意したきしめんは、1時間半で完売に
佐用町名物、ホルモン焼きうどんも人気さらには、無料で食器を配布するブースや弁護士による災害復興に関する法律相談、足湯ボランティア、各種バザーなど、復興を支援するためのコーナーも設置され、積極的な利用を呼びかけていました。
ボランティアで集まった無料の食器が会場で並べられた
最後に、実行委員会の代表である、大阪大学准教授・NVNAD理事長の渥美公秀(あつみ・ともひで)さんが、今回のイベントにかける想いを話しました。
「まず、イベントの開催にご協力いただいた、数多くのみなさんに感謝します。今回の取り組みは、2つの意味を持っていました。まずひとつ目は、被害に遭われた佐用町のみなさまに少しでも元気になっていただこうということ。ふたつ目は、ボランティアとして集まっていた人たちが、もう一度結集して作用町を応援していくことを改めて誓い合うということです。さらに、今後は『まだそのようなイベントに行く気になれない』といった住民の方もケアさせていただくことが必要になると考えています。そのため、可能な限り一人ひとりの方の話をじっくりお伺いしたいです」
来場された人に、全国から集められた、脱臭やリラクゼーション効果が期待できる炭を配布
「被害に遭ったときは、身の回りのものがみんな流されてしまい、涙をぬぐう紙一枚もなかった。家ではまだ料理ができないので、今日は温かいものが食べられてうれしい。今後は下着や洗剤といった日用品を支援してもらえるとありがたいですね」(77歳・女性)
「私は直接被害を受けていませんが、同じ集落で家が土砂崩れで壊れたお宅が1軒あった。幸い外出していたそうで、無事だったそうでよかったです。イベントではみなさんが元気な声を出しておられるので、心強く感じる。ぜひこのような支援は続けてほしい」(73歳・男性)
「今は仮設住宅に住んでいるので、なんとかお正月は自宅で迎えるようにしたいですね。毎日家の修理に追われているので、今日はいい気分転換になりました。車のない人や高齢者の方など行きたくてもイベントに来ることができない人がいると思うので、規模が小さくてもいいので集会所などでイベントを行ったほうがいいのではないかと思います」(68歳・女性)
「仮説住宅に住んでいるんですが、寒くなるからと電気カーペットをボランティアの方に配っていただいてうれしい。イベントでは、参加者も来場者も地元の人たちが集まっているので「久しぶりやな~」とあいさつできてよかった。今後は冬物の衣料の支援があれば、ありがたいですね」(67歳・男性)
「水害で車5台中、3台が廃車になってしまいました。佐用町では車なしでは生活できないので、家族分の車をそろえることを優先し、流された電化製品などはがまんしている状態です。会場内で展示されていた東海豪雨水害の被害状況の写真を見て“私たちと同じような被害を受けたんだ”と涙が出ました。また、新潟の被災者の方は10時間かけて来てくれたと聞き、連帯感がわきましたね。どこかで何かがあれば、今度は私たちが手助けをしなければと思いました」(55歳・女性)