六甲風の郷公園での撮影の夜、
現場でマンションをみあげたとき、ある人にあえたような気がしました。
その人のことをおもいながら書いた脚本ではありますが、
その人はドラマをごらんにならなかっただろうと思います。
ものごとはそんなにかんたんではない。
それでもえがいた夢が公共電波にのって
綿毛のようにとびちらばってゆき、
私のしらないどこかで
私のしらないだれかに
やさしくやさしく育てられてゆくのを想像してみる。
発芽にはかならず闇が必要だから
きっと今ごろはまっくらな土のなか、
ちいさくはかない呼吸をくりかえしていることだろう。
2010年1月24日 渡辺あや


