――自己紹介をお願いします。

大阪生まれ大阪育ち！生粋の大阪人です！今は大阪市北区に住んでいます。家族は父(キクオ)、母(テルコ)、弟(コウジ)で、父母とは同居しています。仕事は、昼は医療事務、夜はコールセンターのアルバイト。自転車ガシガシこいで通勤してます！約5年前に脱毛症を発症して、そこから半年で全身の体毛が無くなりました。
人柄は･･･40歳で独身女性なんて変人か自由人しかいませんww 私の場合は両方かもww
尊敬する人は、漫画のモンキー・D・ルフィ！友だちを大切にする・他人を否定しないなど、そんな細かいところをすばらしいと思って目指しています。なかなかできないけどww
脱毛症は簡単に隠せるからわざわざ「私、脱毛症です！」って言わなくてもやっていけてしまうけど、脱毛症もひっくるめて私やから、あえて全面的に前に出したら今まで見えていなかった私が見えてきて、「何か変わったよね！」とか「カッコ良くなったよね～！」とか周りの人たちに言われたら･･･って考えるだけでもステキでしょ?？(*^^*)もっといろいろ見てもらいたいんです。脱毛症だからって引け目に感じるのはやっぱり悲しい！自分をもっと開放して自分を許して自分を大切にしていけたら、皆が今よりもっとカッコ良くて気持ちもラクに生活できるはず♪

――症状についての捉え方は、当初から変化したのでしょうか？

左後頭部に500円玉くらいの円形脱毛ができているのをテルコが見つけて「あんた明日仕事休んで皮膚科行っといで(￣□￣；)」と言われたのが5年前の6月。受診したクリニックで「大きな病院を紹介しますのですぐに受診してください！」と先生に言われ大阪市内の某総合病院へ。「できるだけ早く入院してステロイド治療をしましょう！」とのこと。訳が分からないまま翌週入院。結果、ステロイド治療がまったく合わず、全身に「ムーンフェイス症候群」（脂肪が沈着する）が出てしまい、先生もお手上げに。気持ちは絶望感でいっぱいでした。今の私からは想像できないかもしれませんが、当時の私は自分の症状を1ミリも受け入れられず生きている感覚は無かったです。入院中も退院したあとも意味もなく窓の外ばっかりボーッと眺めて過ごしていたことだけ覚えています。職場もうまくいかず精神的にもボロボロでした。その時にわらをもつかむ思いで初めて心療内科を受診し先生に「もう死にたい」と言ってました。先生から「診断書を書くから今の職場を出よう」と言われ辞職。
少し休憩できたので気持ちも余裕ができてきて、そこで初めてウィッグを作りました。でもウィッグは、お金を節約しようと思うとなかなかかわいいのがない。蒸れるし、扱いも大変(-_- ;)仕事は仕方ないとしても休みの日くらいオシャレしたい！何かヒントがないかと動画投稿サイトとかブログを観ている中で海外の人たちが帽子やスカーフのアレンジで楽しそうにオシャレしていて、コレなら私もできるかも！とタンスの肥やしにしていたニット帽を引っ張り出してかぶってみたのが私の転換期でした。

まずは帽子をかぶって･･･

上にスカーフ！
いつも２つ以上、組み合わせます。

下にニット帽があると、色合いに複雑さが出るんです。あと、汗も吸ってくれて楽ww

_{スカーフまででもいいんだけど、この日は友だちと旅行だから、さらに帽子を重ねちゃいました(*⌒∇⌒*)}

初めて自分なりに納得するアレンジができたときに、テルコに見せたら「エエやん！カッコエエで！」と言ったんです。ふだん褒めない人がエエやん！って言ったんです。正直ビックリしたし嬉しかったですねww
それからは「髪が無いのは仕方ない！泣いても生えてはこない！それならいっそ健常者(←この言葉も好きじゃない)よりカッコ良くなったったらエエやん！」開き直ってからは早かったww カッコ良いと思う手に取りやすい安価なモノの中で片っ端から集めて組み合わせてひたすらアレンジしてはテルコに見せて確認してから外出を繰り返して自分をどんどん受け入れていきました。その間のテルコは私のアカンときはアカンと必ず言ってくれていたのがありがたかったです。仕事を辞めて収入が無かったから仕方なくってのもあるけど、マネしてほしいから取り入れやすく100均とか雑貨屋さんで手に入るモノを使ってきただけ(*^^*)
周りからの「オシャレやん！」「それどうなってんの?？教えて！」などの意見が気持ち良くないワケがない！ww どんどん明るい色合いにもトライして今の私ができあがっています(*^^*)健常者の方がカッコエエと思ってくれると、自然と脱毛症にも関心を持ちやすくなる。脱毛症を知るキッカケになればいいなぁ～。

――テルコさんは、晶子さんの症状をどう捉えているのでしょうか？

今でも、スカーフのアレンジはいつもテルコにチェックしてもらってから出かけます。基本、テルコは「エエ」か「アカン」しか言いません。 私が中途半端にまとめてきたら間髪入れずに「それアカンわ。イマイチやわ。」と言いますww 逆にバッチリなときは目に光が入りますww なので、テルコも楽しんでいると思います。
あと、テルコは私のことを「かわいそう」だと思っています。それを私に隠さず、人前でもそう言います。あのテルコの性格で逆に隠される方が余計に気を遣うのでＯＫですww 「かわいそう」と思うのは治るか治らんかが医者でもはっきり分からない、治療方法もない、親としてどうしていいかが判断できないから出る発言だと思う。熱が出ているとかお腹を壊しているとかは大したことないと判断がつく。そういうときのテルコは「熱??それが何やの！食うたら治る！」って言うのが日常なのでww 私自身は自分を「かわいそう」だとは思っていないけど、テルコとの食い違いについては、時間がかかる問題なので、あんまり気にしてないです。たぶん言い合いになるだけなので(^o^;)

――テルコさんの捉え方は、変化してきたと思いますか？

私が発症したばかりの頃は、テルコは今よりも無理している感じがありました。発症してしばらくしてから始めたSNS上で斉藤淳子さんという脱毛症の方と知り合って、淳子さんから脱毛症患者会の存在を教えてもらえたんです。「近々集まりがあるから来ませんか?？(゜▽゜*)」って言ってもらって、私も他に脱毛症の人がいるなら実際にテルコにも見てもらいたいと思ってテルコを誘ったらあっさり「行く！(^o^)」と。
行ってみてビックリしたのが、参加していた全員がウィッグ着用。逆に私を見た全員が目を見開いていたのがさらにビックリ！よく聞くと彼女たちにはウィッグ以外に選択肢が無かったんです。すでにテルコには私が家でアレンジしているのが当たり前になっていたので「明るくやっているアキコが誇らしいわ」と言っていました。
それでも私がいないところで淳子さんに「あの子、私には泣き言を言わへんのです。それがいとし～てね～(ﾉд-｡)母親なのに、かけられる言葉もなくて、ただただそばで見ているしかなくて･･･」と言ったらしく、それをのちのち淳子さんから教えてもらえたんです。私が帽子でアレンジしているのがカッコエエと言ってくれていたことや、アカンときはアカンと必ず言っていたのは親としての最大限の頑張れメッセージだと思っています。
あと、そのときに私が他の人たちと「お母さんのご飯がおいしいのが一番」という話で盛り上がっていたのがやけにテルコの心に残ったみたいで、それ以来、NHKの「きょうの料理ビギナーズ」をノートとりながら見るようになりましたねww その番組で麻婆茄子が出てて作ったら私が絶賛！そこから週3～4で麻婆茄子ww あと、謎のメニュー「ワカメだらけの若竹煮」が出るようになりました。髪が生えると思っているらしいですww

　いつも番組の途中で昼寝してしまいますww

――これからテルコさんとどう過ごしていきたいですか？

ケンカしながら楽しく過ごしたいです。長生きしてくださいww