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【インタビュー】安田菜津紀さん「まずは周りから問題に気づいていき、気づいた人は周りに広げていくことが大切」

2016年07月04日(月)

20160706_y.jpg7月6日放送(7月13日再放送)
シリーズ 障害のある女性
第2回 本当は産みたかった-強制不妊手術・54年目の証言-
ご出演の安田菜津紀さんにメッセージをいただきました。



《安田菜津紀さんプロフィール》
フォトジャーナリスト


――収録を通してどのようなことを考えましたか。


自分自身、あまりにも知らないことが多すぎるということを痛感しました。優生保護法という法律があったことは認識していましたが、未だに苦しんでいる当事者の方が多くいて、飯塚淳子さんは勇気を出して声を上げていらっしゃいましたけど、もしかしたらもっとたくさんの方が隠れているかもしれません。これまで当事者の方の声を直接うかがう機会がなかったので、これだけ大切な価値観を築くはずの問題なのに、自分は全く足元を見ていなかったと気付かされました。


――優生保護法や強制不妊手術を行っていた過去からどのようなことを学ぶ必要があると感じますか。

もちろん、「法律がなくなりました、よかったね」で終わることではなくて、優生保護法がなくなったとしてもその過去が省みられない限り、社会の根本的な価値観は変わらないし、解決にもならないと思うんです。どんな子どもが生まれてきても「ようこそ、この世界に!」というふうに言える価値観を築いていくのはむしろこれから。まずはそれを自覚するところからだと思いました。

――2日間にわたり「シリーズ 障害のある女性」をテーマに見ていきましたが、改めて感じたことを教えてください。

これは社会が抱えている問題すべてに言えることかもしれませんが、「これは問題だ」とたくさんの方に認識されない限り、なかなか問題扱いされません。でも、問題を抱えている当事者の方は、自分から声を出しづらかったり、出したとしてもそれを遠くに届けることが難しかったりする。だからこそまずは周りから問題に気づいていき、気づいた人たちは周りに広げていくことが大切。そういう流れをどれだけ作れるかというのがこれから問われてくるところではないかと感じました。

――それは安田さんがフォトジャーナリストとして活動する上でも大切にしていることですか。

そうですね。今日は言葉という手段で伝えさせていただきましたが、写真もそのひとつで、写ってくださった方の拡声器の役割になって、少しでも声を遠くに飛ばしていく一助になってほしいと思いながらいつも活動しています。

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