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【出演者インタビュー】安田菜津紀さん「まずは知ること。そうすればいろんな"なぜ?"が出てくるんです」

2016年07月04日(月)

20160705_y.jpg7月5日放送(7月12日再放送)
シリーズ 障害のある女性
第1回 知ってほしい!私たちの生きづらさ
ご出演の安田菜津紀さんにメッセージをいただきました。



《安田菜津紀さんプロフィール》
フォトジャーナリスト


――どのようなことを考えた収録でしたか。

障害というのは、実は個々人にあるものではなくて、ひとり一人を取り巻く社会の側にあるんだということに改めて気付かされました。その障害をどうやって取り除いていくのかと考えたら、必要なのは人と人とのつながりなんですよね。出産を反対されたというお話もありましたけど、三宅さんのように「みんなで育てていこう」という体制が社会にあれば、反対の声も少しずつ減っていくと思いますし、逆にみなさんがかけてほしかった「おめでとう!」という声もどんどん増えていくかもしれません。そんな人と人との日常からのつながりというのをどれだけ増やせるかというのが、今、問われているのかなと思いました。


――その「日常からのつながり」というのは、最後に森崎里美さんが言っていた「もっと関わってほしい」という言葉に結びつくことかもしれません。

そうですね。まずは「知る」ということだと思うんですよ。たとえば脳性まひの森崎さんのことがめずらしくて、子どもたちがたくさん集まってきたというお話がありましたけど、やっぱり私たちは知らない限り想像することができないんです。でも、知ることが出来さえすれば、普段どういう日常を営んでいるのかなとか、どういうふうに子育てをしているんだろうかというふうに、想像することの入り口に立つことができる。だから、この番組がその一助を担っていけるといいなというふうに思います。

――安田さんのこれまでの活動のなかで「障害」にフォーカスを当てたことはありましたか。

ほとんどなかったですね。ヨルダンの車いす卓球の選手を取材したことが唯一だと思います。彼女はイスラム圏で女性がなかなか前に出づらいなかで、初めてヨルダンの車いす女性で運転免許を取った方でした。とにかく自分がパイオニアになるんだと話していたんです。今日も森崎さんがなかなか身近にロールモデルになる人がいないとお話されていましたが、だからこそパイオニアになる方が必要なんですよね。それはすごく勇気がいることだと思いますが、それこそ森崎さんのような存在が今あるからこそ、自分も子育てできるんだなとか、一般企業に勤められるんだなというふうに思える方もいらっしゃるはずです。そうやってあとに続く方がどんどん増えていってほしいなと思いますね。

――視聴者の方にはこの番組をどのようなことを考えるきっかけにしてほしいですか。 

まずは何かを考えたりする前に、「知る」ということの基礎になってほしいなと思います。そこから想像力を働かせていくと、いろんな「なぜ?」が出てくるんですよ。どうして障害を負っている人って生きづらいんだろうとか、どうして障害を負っていると子育てがしづらいんだろうかとか。だから、まずは「なぜ?」につながる「知る」ということを大切にしていただきたいなと思いました。

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