本文へジャンプ

60歳からの青春 ―精神科病院40年をへて―、に寄せ

2014年06月09日(月)

6月10日放送(6月17日再放送)
60歳からの青春 ―精神科病院40年をへて―に寄せ
NPO大阪精神医療人権センター 副代表 山本深雪さんにお話を伺いました。



20140609_003.jpg《山本深雪さんプロフィール》
NPO大阪精神医療人権センター 副代表
1997年から、大阪府内の精神科病院を訪問、入院患者の声を聞く活動を続けている。入院経験のある当事者でもある。



――今回の番組では、原発事故をきっかけに地域で暮らすことになった男性を紹介しています。
たまたまのできごとでハコモノがなくなった。そうしたら、その方の居場所をみつけなくてはいけない、ということでまわりの人が熱心に動いてくださった、結果的にその方らしく無理せずに暮らせるグループホームに出会うことができた。
・・・その話は、すごく比喩的というか、そんな風に一人ひとりが支援されたら、うまくゆくのにな、と思います。
病棟の中にいると、その人の本当の顔が見えない、だからその方を何とかしなくちゃいけない状況にあるんだ、ということに気がつかない、あるいは気づいていても知らない顔ができてしまう。ハコモノがなくなってしまうと、どうしよう、どこで暮らす、どういうサポートがあったら暮らせるだろう、という話に転換してゆく、それができた、ということなのだと思います。その方のようなサポートが地域に用意されたら、社会的入院をしている人たちが人生をあきらめなくてすみます。


――精神科病院を訪問して多くの方たちに会っていらっしゃいますよね?皆さん、どういう思いをされていますか?

私たちは、大阪府下の60ある精神科病院、すべてに、訪問活動をして患者さんの思いを聞くという活動をしてきました。下を向いて語らない方もいますが、自分なりの暮らしをしたいという言葉を心に秘めているのではないかと思います。
と同時に不安をもっていらっしゃる方も。
家族から応援してもらえてないし、退院しても仕事があるとは思えない。その気持ちをきくものがいて、地域にこんなサービスがありますよ、とつなげるものさえいれば、その方らしい暮らしができるのにと、毎度思います。

20140609_001.jpg
山本さんが病院訪問活動をまとめた冊子
 


――国の検討会では、患者さんの退院の意欲を喚起する、ということが一つのテーマになっています。
私は、それは筋違いの話をしていると思います。
なぜかというと、本人が(退院したいという思いを)表現できないだけ、だからです。
問題はどこにあるかというと、退院を支援しようという、地域側、行政側、医療機関側の意欲。30年近く病院訪問をしてきて、原因はそこにあると実感しています。
退院を支援しようとする仕組み、そこに予算がつかない。グループホームをつくろうとすると住民が反対する、そういったことが繰り返し起きています。
退院支援しようという意欲を起こしてこなかった、そこが問われています。
そうでないと、現状のままずるずるといってしまうのではないか、と心配しています。
 

◆60歳からの青春―精神科病院40年をへて―
本放送6月10日(火)、再放送6月17日(火)
本放送:夜8時00分~8時29分
再放送:午後1時5分~1時34分
 

◆ご意見・ご感想
このブログのコメント欄、
または、メールフォームまで。(別ウィンドウ)

コメント

初めてブログを拝読致しました。
最近、電子ブックアニメで『ブラックジャックによろしく』を読みました。
その中で精神科病棟内が描かれています。
驚きと共に今の世の中の縮図とも思えました。

この様な活動をされておられる方々の存在を(今、私はひとり生活するのがやっとですが)励みにします。どうぞ頑張って頂きたいと思います。

投稿:rom.HIROMI 2014年10月15日(水曜日) 13時36分

例えばNPBでは、1軍の他に2軍・3軍・育成枠とあり、誰もが支配下登録や1軍定着を目指していきます。そのために2軍から下も試合が組まれていたり、故障者でさえ治療中も筋力が落ちないように気を遣っています。しかも1軍から3軍までコーチングスタッフがいて、すべての選手を指導し、育てています。それは球団のためだけではなく、選手のため、日本の野球界のためにも行わなれなければならないことです。
ところで精神医療では、入院病棟に育成枠の条件が満たされてない環境があると感じます。しかし「デイケアが地域生活の練習だ」と謳っているのでしょう。単純に考えれば社会的入院がNPBでいう育成枠に当たるのですが、NPBの選手も支配下登録を目指す立場なので、社会的入院の患者もまずは任意入院、そして退院を目指す立場でなくてはならないはずです。そのために地域や行政、医療機関の退院支援はもちろん必要ですが、それ以前に患者との信頼関係を作ることが必要です。
ただ言えるのは、退院支援をしようとしないのはNPBでいうと努力して結果を出している選手を昇格させないのと一緒です。もちろん、NPBでも上の台所事情により結果を出していてもすぐに昇格できない事があるように、精神医療でも症状が寛解していても家庭などの受け皿がないことなどによりすぐに退院などが出来ないことがあります。しかし、それが続いても退院支援は続けてほしいです。そこで患者との信頼関係があれば、きっと誰かがその患者を認めてくれて、いい循環が回るはずです。
参考になれば幸いです。

投稿:BENTAKA 2014年06月10日(火曜日) 14時40分