本文へジャンプ

【出演者インタビュー】金谷泰宏さん「難病患者の『実態』を見てほしい」

2014年02月10日(月)

20140210_kanatani.jpg2月10日放送(2月17日再放送)
シリーズ 難病と向き合う
第1回 どう支える? 難病医療
ご出演の金谷泰宏さんにメッセージをいただきました。

 

《金谷泰宏さんプロフィール》

国立保健医療科学院・健康危機管理研究部長。厚生労働省で現行の難病制度の運用に携わった経験を持つ。

 

  

――40年ぶりに難病対策の抜本的な見直しが議論され、
大きな転換期を迎えています。
「都道府県毎に拠点となる病院を整備する」
「難病患者のデータベースを構築する」などが主な内容ですが、
患者さんにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

まず、データベースを構築することで、
専門医の先生と、かかりつけの先生の「情報の共有」ができますよね。
そして、ひとりの患者さんに対して5年10年と治療を続けながら
経過を見ていけるシステムになっているので、
医療全体の底上げも図れると思います。

ただ個人的に、「データベース」という言い方は、
患者さんを完全に“情報”として扱うような感じがして、
あまり好きではないですね。むしろ、「疾病登録」が適切だと思います。

 

詳細は「続きを読む」をクリックしてください > > >

 

――これからの課題はどのようなことでしょうか。

番組の中でも「スタートラインに立ったところ」と言いましたが、
治療体制の見直しや、データベース構築が検討され始めて、
日本もようやく欧米に追い付いてきたところです。
次に必要となるのは、医療全体の底上げですね。
総合的に患者さんを診察して、
専門医につないでいける医師(例えば、NHKのドクターGのような・・・)を
増やしていくことが大切だと思います。

 

――難病対策において、欧米を見習う点はどのようなことがあげられますか。

「医師に対する情報の提供」という部分が、日本はまだまだなんですね。
どうしても学会からしか情報が流れてこないので、
縦割りのような形になっている。
ですから、これからは全般的に垣根をなくして、
開業医の先生や大学にいる専門の先生などに
学会以外からでも情報が入ってくるようにしていかなければなりません。
そのためには、例えばホームページを充実させて、どんどん情報を流したり、
迷った時の助けになるようにしていくことも大切になると思います。

  

――視聴者の方には、番組を見てどのようなことを考えてほしいと思いますか。

VTRで紹介されたジストニア(筋肉が不随意に収縮し続け、
自分の意思通りに動かなくなる病気。難病の医療費助成の対象となる
56疾患には含まれていない。)の患者さんの姿は、
難病当事者のリアルな現状だと思います。
症状が非常に大変なのに、どこへ行っていいのかわからないという、
谷間に落ちている人たちです。
彼らをどう助けていくのか。
今回の番組がそのヒントになるのではないかと思います。
そして、当事者や医療者だけでなく、
保健医療制度にかかわる行政の人たちにもぜひ見ていただきたい番組ですね。
「これが実態なんだ」ということを知っていただくいい機会になると思います。
難病の人たちが社会と共生できるようになることで、
より強い社会になる。
そういう視点で、番組を見ていただけたらいいですね。

コメント

私も障害者ですが、保健所で神経難病の患者の会が有るのですが私の様な(多系統萎縮症)の方はいなく話が多い方の話になってしまい、神経内科の先生がいらしても疎外感だけが残ります。
色々な事を言ったらきりが有りませんが・・・・。

投稿:オリーブママ 2017年03月23日(木曜日) 16時15分

世帯全体の収入を問題視するのはどうかと思います。

投稿:オリーブママ 2017年03月23日(木曜日) 16時07分

こんにちは。はじめまして、私は、48歳の軽度の知的障害や自閉症です。

投稿:えみり- 2015年12月23日(水曜日) 14時18分

私は軽快者で登録されている40代の神経難病患者です。
受給者申請するときに、所得審査で苦しい思いをしたことを思い出しました。
 世帯収入や主たる世帯者の所得で審査されると、とても家族に気を遣います。親が年金生活に入っても、その年金分も審査の際に加味されてしまいます。 
 特定疾患の医療費助成に限らず、国民年金の減免のような他の減免申請でも多くが世帯収入で審査されてしまいます。
 個人収入を把握して個人収入で審査するシステムの確立を臨みます。それが出来ないなら、難病患者でも能力に応じて安定した就労が出来るような支援体制を整備して欲しいものです。

投稿:みじんこの刺身 2014年02月11日(火曜日) 11時18分