本文へジャンプ

熊本地震 第4回 災害時に配慮が必要な人とは

2016年06月09日(木)


20160610_001.jpgWebライターのKです。

 

災害時には、地域で暮らすどんな人にどのような配慮をしていくべきなのでしょうか。
平成25年に改定された「災害対策基本法」では、「高齢者、障害者、乳幼児その他特に配慮を要する者」を「要配慮者」と定義し、「国や地方公共団体は、災害の発生や拡大を予防し、要配慮者に対する防災上必要な措置を実施しなければならない」と定めています。

具体的には、「起こった事態を理解できない認知症の高齢者」「周囲の状況が把握しづらい視覚障害者」「サイレンや音声の情報が伝わらない聴覚障害者」「移動に限界のある電動車いす利用者」「人工呼吸器などの医療的ケアを必要とする難病患者」「てんかん発作やパニックを起こしやすい知的障害者」「感覚過敏な発達障害者」「すみやかな移動が難しい妊産婦や乳児」「日本語の理解に乏しい外国人」など、さまざまなケースが考えられます。

なお、そのような要配慮者の中でも、緊急避難の際に、自ら避難することが困難であり、円滑かつ迅速に避難するために支援を要する者のことを「避難行動要支援者」とし、市町村長は、その把握に努めるとともに、生命や身体を災害から保護するために必要な措置を取ることが定められています。東日本大震災では障害者の死亡率は全住民の死亡率の2倍上りました。災害で犠牲になる人を一人でも減らすためには、避難支援者や地域の人たちが「避難行動要支援者」の情報を共有することが重要になります。

 

【自ら避難することが困難な者についてのA市の例】
 ①要介護認定3~5を受けている者
 ②身体障害者手帳1・2級(総合等級)の第1種を所持する身体障害者
 ③療育手帳Aを所持する知的障害者
 ④精神障害者保健福祉手帳1・2級を所持する者で単身世帯の者
 ⑤市の生活支援を受けている難病患者
 ⑥上記以外で自治体が支援の必要を認めた者
  ※内閣府「避難行動支援者の避難行動支援に関する取組指針」より

 

内閣府の「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」では、「平常時における取り組み」として、まず最初に「福祉避難所の対象となる者の把握」を挙げています。それにならって、今回の熊本の被災地にどれぐらいの規模の「要支援者」「要配慮者」がいたのか、主な市町村の障害者、要介護者、難病者、妊産婦などの人数を調べてみました(5月23日現在で、100人以上が避難している市町村)。

20160610_001.png20160610_003.png20160610_002.png

これらの人々がすべて配慮を必要不可欠とするわけではありませんが、緊急時には要支援者の困難はふだんよりも増すことを考えれば、その数は決して少なくないことがわかります。

なお、このような概数の把握は、基礎情報としては有効ですが、実際の支援活動では、さらに、そのような要支援者がどこにいて、どんなニーズを必要としていて、世話する人たちのことも含めて、一人ひとりの情報を時間をかけて集約していく必要があります。

緊急避難の際に支援が必要とされる「避難行動要支援者」、その後の避難生活において配慮が必要なより多くの「要配慮者」、震災においてリスクが高まる人たちを意識することで、命をつなぐ防災が可能になります。


次回のブログ更新は、来週を予定しています!

 


▼関連ブログ
 
熊本地震 第1回 高齢者を襲う「震災関連死」
 熊本地震 第2回 どうやって命を守るのか
 熊本地震 第3回 福祉避難所を活用する
 熊本地震 第5回 誰も排除しない「インクルーシブ防災」

 

コメント

いろんな法律で言う「合理的配慮」について、熊本地震から5か月が過ぎましたがまだ熊本県民のみなさまへご説明をするのに時間と労力がかかっております。SNSを使える人、スマートフォンを使える人、無料で電話が出来る人など、いわゆる情報弱者やご本人さまが高齢者や障がい者とそのご家族以外と社会(その他の熊本県民のみなさま)との接点つまり過去の大震災で言う「コミュニティ」(復興に欠かせない地域社会)のつながりや連帯感が、熊本地震の被災地では希薄なように神戸や新潟や東北と比べて感じます。たとえば熊本県益城町が何らかの復興の再開発や区画整理を今後行った場合、高齢者や障がい者とそのご家族のまちづくり(復興都市計画)にどこまで反映されるかは、文字通り未知数ですし、10年・15年が経ってあとで振り返ってみても実現が出来にくくなると感じます。

投稿:おかめかめかめ 2016年09月15日(木曜日) 15時30分