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【熊本地震】緊急報告・熊本地震(2) どう支える被災地の要支援者

2016年04月20日(水)

2016年4月19日『ハートネットTV』 緊急報告・熊本地震(2) どう支える被災地の要支援者

震源に 近い益城町周辺では、建物の倒壊などにより死傷者が出ています。さらなる余震による被害も想定される中、障害のある人や高齢の人など、生活する上で支援が 必要な人たちの状況はどうなっているのでしょうか。安全の確保や避難環境の整備のため、今何が求められているのか。現地取材をもとに、生放送で最新の情報 を2日にわたってお伝えしました。

 

 



2016年4月19日『ハートネットTV』
「緊急報告・熊本地震(2)どう支える被災地の要支援者」

出演 久保純子さん(フリーアナウンサー)/菊本圭一さん(日本相談支援専門員協会 代表理事/鶴ヶ島市社会福祉協議会 事務局次長)有賀絵理さん(茨城大学非常勤講師)/山田賢治キャスター

 


【VTR
16日未明に発生したマグニチュード7.3の大地震。600回を超える揺れで、震源近くの町は壊滅的な被害を受けました。
避難生活を強いられている人は、NHKの調べでおよそ9万5000人。その中で、とりわけ苦しい立場に置かれている人たちがいます。
脳梗塞の後遺症でまひがある男性。トイレに立つのが難しいため、一晩座って過ごしました。


男性 ほとんど寝てないです。


こちらは、気管切開をしている60代の男性。


男性 チューブが中に入っているでしょ?
ディレクター はい。
男性 こすれて。出血するんです。

 

ガーゼを新しいものに変えられず、衛生面の不安が募ってきています。
被災した障害者や高齢者に、いまどんな支援が求められているのか。現場からの報告です。



【スタジオ】

山田 規模の大きな地震が、熊本県などで続いています。障害者や高齢者の皆さんをどう支えたらいいのか。今日も手話や字幕、それに、解説放送を交えて生放送でお伝えしていきます。
久保 私たちは、被災地域の障害者や高齢者の施設のほか、支援団体などに聞き取りを行いました。そして、いま困っていることや支援のための相談窓口など、被災者のためのさまざまな情報をホームページに掲載して、随時更新しています。

山田 また、今日の番組、生放送です。ツイッターで皆さんの声や情報をお待ちしています。「#ハートネット熊本地震」この言葉をつけてお送りください。お待ちしています。

久保 お待ちしています。
山田 まずは震度7の地震から5日が過ぎるいま、支援を必要としている人たちはどういう状況なのか。昨日もお伝えしました高齢者のグループのその後を取材しました。ご覧ください。


【VTR
先週の土曜、取材班が出会った高齢者のグループ。暮らしていた有料老人ホームが被災し、避難所に身を寄せました。なぜか、建物の外で寝起きしていました。

看護師 (避難所の)中にスペースがなかったですか?

奥村 おむつ(替え)もあったりするので…

 

避難所でおむつを交換すると、においで周りに迷惑をかけてしまうというのです。
結局、その後高齢者たちは施設に戻ることになりました。
昨日、その施設を訪ねると、建物の入り口に赤い紙が貼られていました。

奥村 危険ということですね、もう。崩壊する可能性があるということで。

奥村 ここを、なんか走ってるみたいなんですよね。

町による調査の結果、敷地の地盤がゆるんでいることから、建物へ出入りを控えるよう通告されました。

 

奥村 いまいらっしゃる方たちを受け入れてくださる施設を、あたるか。ご家族との相談は当然、必要になってくるので、早急にしないといけないと思います。

ディレクター 見つかりそうですか?

奥村 正直、難しいかなと。


ここよりほかに、行く当てはありません。揺れにおびえながら、近所の避難所で調達したわずかな食料で空腹をしのいでいます。高齢者の中には、長引く避難生活で体調を悪化させる人もいます。

男性 すまんねぇ。すまんなぁ。

女性 泣き虫だね。

男性 泣き虫だな・・・

女性 早く電気とかがつくといいね。

男性 うん。

女性 寿司、なんが好きですか?

男性 え?

女性 お寿司は何が好き?

男性 肉でも、魚でも。

女性 ステーキ。

男性 (笑)

女性 焼き肉。ばってん、ラーメンがいいね。

いつになれば心安らかに過ごせる場所が見つかるのか。助けの手を探しています。

 


【スタジオ】

久保 地震がこれだけ続いている中で、崩壊のある建物に住み続けるっていうのは、命が心配ですよね。

山田 そうですね。それに、健康状態が。

久保 ほんとですね。

山田 はい。本当に心配です。

久保 施設の方も、疲れが見えるのが、ますます深刻ですよね。

山田 ほかにも被災地からはさまざまな声が寄せられています。

久保 はい。一部ご紹介したいと思います。


「薬と人手が足りません!」西原村社会福祉協議会「のぎく荘」

避難所にいられない障害者・高齢者35人受け入れ中。
ベッドが足りずいっぱい。薬も手に入りにくい状況。
ケアの人手が足りずカツカツなので、介助経験のあるボランティアに来てほしい
(宿や交通手段確保の上)

「電気と水が復旧してほしい」 特別要土老人ホーム・阿蘇市
停電と断水が続いている。1度もお風呂に入れず、1人、体調を崩して入院した。食料は1週間は大丈夫。医療チームも来てくれた。とにかく、電気と水が早く復旧してほしい



「精神障害者は避難所に行けない」 熊本市内在住 うつ病の男性
最初の地震の時から避難せず自宅にとどまる。自宅は地震でものが散乱している状況。避難所は自宅にいるより何倍もエネルギーを使う。家にいる物理的な危険のほうがまだまし

 

「発達障害があり避難がつらい」 熊本県 20代の女性
発達障害のため音とにおいがとても気になって眠れず、生活リズムが狂ってしまう。子どもや動物の叫び声、泣き声が、耳の中を針金でほじくられるようで頭が痛い

山田 ここからは、障害者・高齢者の防災に詳しいおふたりと考えていきます。

まずは、有賀絵理さんです。当事者としてこの状況、どのようにご覧になってますか。

有賀 本当に切実な問題だと思っております。私も東日本大震災の体験者なんですけれども、本当に日がたてばたつほど、心も苦しい、体も苦しい状況で、深刻に追いつめられていると思います。

山田 そして、もう一方です。障害者の相談支援に当たっている菊本圭一さんです。菊本さんはこの状況、どう見ていらっしゃいますか。

菊本 いまの被災地は、2次被害を出さないために、被災した人と支援を、誰かがその情報を集めてコーディネーションしなければいけない状況だというふうに思っています。
ですが、それを本来は行政が担うべきなんでしょうけれども、行政自身も被災をしておりますし、また、それとつながっていく支援者の側も被災をしております。そのため、その両方の機能がいま低下している状況だというふうに思っています。

山田 さらに、そういった人たち、支援が必要な人たちを受け入れる場所として、福祉避難所という場所があります。福祉避難所というのは、一般の避難所では過ごすことが難しい高齢者や障害者などのために、特別なケアや配慮がある場所として、行政が整備することになっています。
益城町では、5か所の介護施設や障害者施設などが、福祉避難所として以前から想定されていました。しかし、今回の地震でさまざまな課題が明らかになっていきました。



【VTR
益城町の福祉避難所として想定されている特別養護老人ホームです。
施設にはあちこちから、要支援者の受け入れの要請が殺到していました。


女性 ・・・でよろしいですか? はい、分かりました。すいません、ご迷惑かけます。
男性 もうその先については、なかなか、いまの段階では何とも。とりあえず受け入れてくださる施設自体がないからですね。

女性 もしよければですね、ちょっといま周辺の施設さんももういっぱいのようでですね。なかなか今後の、受け入れの件とかもありますので、よければちょっとまた、今後もご連絡をさせていただければと思うんですが。

 

一般の避難所で過ごすことが難しい人たちの受け皿となる福祉避難所。しかし、この施設では、これまでに受け入れた避難者の大半が、近所に暮らす一般の住民でした。

女性1 近いからここに行こうということで、何人かと迎えのバスで来ました。
女性2 とにかく夜中に来たので分からんとですよね、もう。近いけん、あそこでお世話になろうと思ってきたんです。

特別養護老人ホーム施設長 被災された方たちが、ここがスペースが少しあるので「避難させていただけないでしょうか」っていうお申し出があったので受け入れました。その調整を、被災している私たちがなかなかできない。それを誰かがちゃんと、ちょっとやっていただけると。だから、うちのケアマネジャーさんとか、いろんな相談員に皆さん問い合わせがきて、じゃあ調整をと言われるんですけど、そのシステムがきちっと、どこかでやっていただければすごく助かります。

 

一方で、受け入れの要請がほとんどない福祉避難所もあります。
こちらの知的障害者の施設。災害の時、30人まで受け入れ可能としてあります。

しかし、問い合わせはどこからも寄せられていないと言います。

知的障害施設事務長 どこまで周知をしてるかってことと思うんですけど、実際被災してしまうと、ちょっと、いろいろ調べようにも、散乱してしまって何も分からないんですよね、場所が。日ごろ覚えてないと、避難所はどこがしてるんだろうっていうのは分からないのか…。

さらに、例え受け入れの要請があっても、対応できるか分からないと言います。1人1人障害の種類も程度も違うからです。

 

施設職員 こちらとしては、できることはかぎられていると思います。

ディレクター かぎられてる。

施設職員 はい。ある程度の情報が、その方の情報をいただけて、その支援ができる職が十分にいるならできるかも知れないですけど、現状は全くいないです。見た目では分からない心疾患を持ってたりとか、てんかん発作を持ってたりとか、そういう方がいらっしゃるので、その情報をいただけずにポンと預けられても、ちょっと難しいですよね。

 


【スタジオ】

山田 本来、行政が何とかしなくてはならない状況だと思いますが。菊本さんどうご覧になりました?
菊本 いま益城町は、たぶん指定が終わって、福祉避難所の指定ですね。それが終わって、これから中身作り、受け入れの体制やそこで働く人、マンパワー等の、そういった中身作りをする準備段階、過渡期の時期にあったんじゃないかというふうに思っています。ですが、残念ながら、今回被災をしてしまって、震災が起こって被災をしてしまったので、本当にこういった地域は益城町だけではなくて、日本全国、これはすごく多いというふうに思っています。要するに、準備をしても、まだまだ準備不足というところの地域は多いと思っています。

山田 協定の段階ということですね。

菊本 はい。ですから、指定をして、これから中身作りというところまで来てたんだろうというふうに思います。

久保 だから、調整の方が、まだどなたがやるかということが決まらず、困っているという状況なわけですね。

菊本 だと思いますし、先ほども申し上げましたように、行政機能自体も震災で低下している状況ですので、なかなかそこは、いま現在の状態で求められても、行政も厳しいんじゃないかというふうに思っています。


山田 
有賀さん、この状況の中で、何かできることっていうのはないんでしょうか。

有賀 そうですね。福祉避難所となっていましても、やはり福祉避難所の指定されている施設だけで何もかも頑張ろうとするのではなくて、一般の避難所の中に看護師さんだったり、ヘルパーさんだったり、あるいはボランティアで手助けしたいなっていう方々って、たくさんいると思うんですね。そういった方々に協力していただく。

そして、障害者の人も、“何もかも福祉避難所に行きたい“ではなくて、障害当事者、いわゆる災害時要支援者であっても、できることをみずから進んで行うというところが大事になってくると思います。

久保 こういう非常事態だからこそ、みんなで協力をということになってくるんですね。

山田 そうですね。

山田 ツイッターで、皆さんからの声も届いています。ご紹介します。

「福祉避難所、多くあるように感じましたが、このような状況になると大変ですね」という声。そして、「避難所はとてもエネルギーがいる。分かります」。

久保 確かにプライバシーも守られないですもんね。

山田 そして、「こんな時のために、他県の介護施設と協力関係とか構築できればいいなと思いますが、なかなか難しそうですね」ということですね。

久保 はい。



山田 こうした中で、障害者や高齢者をどう支えていったらいいのか。私たちが集めた情報の中で、避難所となっている熊本学園大学のホールには、障害者や高齢者50人が避難し、ヘルパーなどの支援を受けているということです。


山田 ここに避難している日隈辰彦さんと電話がつながっています。日隈さん。

日隈 はい。

山田 こんばんは。

日隈 こんばんは。

山田 大変な時に、ありがとうございます。よろしくお願いします。

久保 申し訳ありません。お願いいたします。

日隈 とんでもありません。

山田 いま、夜の8時18分を回ったところですが、いまどういう時間でしょうか。皆さんどんな様子でしょうか。

日隈 そうですね、1時間半ぐらい前に、だいたい皆さん食事も終わられて、各々しゃべられたり、トイレに行かれる方など、40名超えるぐらいの感じですかね。

山田 いまテレビでは、場所ですね。写真に写っていましたけれども。

久保 避難所の様子が。

山田 どんな環境なんでしょうか。

日隈 環境としては非常に、熊本学園大学さんのほうの配慮で、このスペースと、そして、マットなどご準備いただいて、そうですね、避難生活とは思えないような。もちろん普段の生活よりは落ちますけども、非常に過ごしやすい環境を提供していただいてます。

久保 そもそもは、どういう経緯でこちらにいらっしゃったんですか。

日隈 熊本学園大学は避難所として指定されてましたので、そして、昔から懇意にしていただいてましたし、学校全体としてかなりバリアフリーが進んだ学校ということで。ここであれば、自分たちもトイレだとかに困らないし、何とかなるかなということで、こちらに伺ったわけです。

久保 先ほど、マットレスがあったり、パーティションがあったりというお話がありましたけれども、人手はどうなんでしょうか。ヘルパーさんの状況です。

日隈 実際自分たちのメンバーは、この中の3割、4割ぐらいのものなんです。それで、ここを自分たちのスタッフで支えているんですけども、スタッフも自分自身は被災者なわけで。

久保 そうですよね。

日隈 自分の家のことはほとんど手をつけられずに、被災者のことや、そして、自宅におられる障害者の方もおられるんですね。そういうところのケースっていうのは通常どおりやりますので、そのケースをやって、そして、こっちに来てっていうふうに、かなり無理がきています。

久保 お疲れがたまっている状況ですか?

日隈 はい。もうそろそろ限界に来そうな感じです。

山田 ほかに、いま大変に感じていることってありますか?

日隈 そうですね。とにかく、人手が何ともならないことには自分たちも動きが取れないので、非常にもどかしい気持ちですね。

山田 あと、何か求めていることってありますか、ほかに。

日隈 求めていることですか。

山田 はい。

日隈 とにかくいまは、幸いなことに、物資というのはそれほど困ってないんですね。とにかく人手だと思います。

山田 人手ですね。

日隈 はい。

山田 支援する人を支援する、また、その輪がね。

久保 支援者たちが広がっていくこと。

山田 広がっていくといいと思いますね。

久保 はい、願っています。

山田 大変な時にどうもありがとうございました。

日隈 いえ、とんでもありません。

久保 ありがとうございます。失礼します。

日隈 ありがとうございます。

山田 日隈辰彦さんでした。

山田 いま、この電話を聞きながら、有賀さんはどういうふうに感じましたか?

有賀 やはり日隈さんの言葉の中にもありましたように、在宅の障害者の人たちは、これからどうしたらいいか分からない状況にある中で、一般的な避難所の中に福祉避難室というような状況をこの大学で作られているように、そういった福祉避難室のことも、やはり今後は考えていかなければいけないのではないかというふうに感じました。

久保 そうですよね。本来でしたら避難所の中に、障害者の方も高齢者の方も、一緒に過ごせる空間があることが大切なんですよね。

有賀 はい。

山田 菊本さんは、どうご覧になりしまたか。

菊本 私は2つあるというふうに思っております。先ほどの福祉避難所のVTRにあるように、特別なニーズ、特別な配慮を必要な人たちのために、まずはそこの福祉サービスの提供事業所等に、県外等から応援の直接介護ができる人たちをコーディネーション、調整する役割が1つあると思います。もう1つは、私たち相談支援専門員のように、そういったところへつながれない、その前の段階の方々を訪問、アウトリーチの活動をしていきながら掘り起こして、しかるべき所、福祉サービスや一般の支援の中につなげていくということの、2つの役割がいま求められているというふうに思っています。

山田 なかなか声をあげられない人に、いかにアウトリーチ、つなぐことができるかっていう。かなりこれもエネルギーも必要ですし、大変な作業だと思うんですけれども。

菊本 そこはわれわれ、やはり相談支援専門員という専門職が、これまで大事にしてやってきた、得意とする分野というか、それがなければわれわれの専門性は死んでしまうと思っておりますので、そこはわれわれの専門性をいま発揮する時だというふうに思っています。

山田 そして、私たちが声を集めた中でも、多くの支援の動きがあります。


「難病の方への支援情報」熊本県難病相談・支援センター
難病相談・支援センターのメンバーが避難所を回ります。益城町を中心に、情報提供と心理的ケアを行います。
相談も受け付け中
 nanbyo-0555
★extra.ocn.ne.jp (★を@マークに変換してください)
 電話  096-331-0555 (平日9~16時)



「人工肛門・人工膀胱の内部障害者の方へ」日本オストミー協会
避難生活でストーマや用具の不足による支障が出たら、まず連絡を。災害時なので費用などは考慮されます。
日本オストミー協会 03-5670-7681(10~16時)



「聴覚障害向け電話リレーサービス」熊本県聴覚障害者情報提供センター
聞こえない方のための電話リレーサービス。テレビ電話に手話通訳者が対応。電話をつなぎ通訳します。
テレビ電話  FaceTime:trs★kumajou.jp / Skype:kuma-trs(承認が必要です)


山田 多くの困難を抱えている人たちがいます。菊本さんは今週木曜日に、明後日ですね、被災地に入られるということですが、どんなことをする予定でしょう。

菊本 明後日から被災地に入らせていただきますけれども、まずは勝手な支援活動をするということでは地元が迷惑するでしょうから、まずは地元の方々とつながって、いまの被害の状況、足りているもの、足りてないものをしっかりとアセスメント、評価をするということから入りたいと思っています。

具体的には、先ほど申し上げましたように、行政機能や専門職の機能が低下をしておりますので、その地元の方々とつながっていきながら、現状の把握に努めてまいりたいと思っています。

ですから、その状況がしっかりと分かった段階で、県外からの応援を迎え入れる、そのコーディネーター役をさせていただければというふうに思っています。

山田 今後、疲労がどんどん増していくんではないかなと、これをいちばん心配しているんですけれども、有賀さん、今後必要となるものはなんでしょう。

有賀 まだまだ余震が続いている中で、ものすごく不安も募るばかりでしょうし、体力面もすごく大変な時期になってきていると思います。ぜひともおひとりおひとり、これは障害者・非障害者関係なく、皆さんおひとりおひとり、苦しい時だからこそ団結力を持って、心のバリアフリーに努めていただきたいと思います。

そしてもう1つ、被災されている方々に私からお願いがあるんですけれども、それは、生きることを諦めないでほしいということです。東日本大震災から5年目が過ぎていますが、災害関連死というのはまだ耳にします。研究をする中で。そんな中で、いま熊本の皆さんも、近隣の皆さんも、大変な時に死を考えるのではなくて、命があったことに感謝して、負けない心で1日1日を進んでいってほしいなと思います。

山田 これまでのハートネットの番組の中でも、「災害=死」と覚悟しているという言葉もありました。そういう思いに至らないように、障害のある方だけではなくて、その周りにいる人たち、そして、その周りにいる人たちで支えられたらいいなと思います。

久保 みんなで、そうですね。


山田 ツイッターで皆さんからの声、いくつかご紹介します。
「子どもたちもすごく我慢しているようです。子どものための場所と時間を確保してあげて」という声。
久保 そうですね。読み聞かせでも何でもいいですよね。
山田 「私もうつ病なので、もしこういう災害があったら避難所生活は無理」という声。
さらには、「なんで前回の大震災からの早急な学習対応ができないんだろう? それができていれば、いまごろ障害を持った方々が苦しむことが軽減されているはずなのに!」というような声も届いています。
山田 ハートネットTV独自の調査があります。番組のホームページでご覧いだければと思います。今後も、この熊本県地震についてはハートネットTVでお伝えしていきます。今日はどうもありがとうございました。
一同 ありがとうございました。




▼関連番組
 『ハートネットTV』
 2016年4月18日放送「熊本地震(1) 障害者・高齢者は今」
 2016年4月19日放送「熊本地震(2) どう支える被災地の要支援者」
 2016年4月27日放送「熊本地震(3) どう支える 被災した障害者」
 2016年4月28日放送「熊本地震(4) どう支える 被災した高齢者」
 2016年5月31日放送「熊本地震(5) 取り残される障害者」
 2016年6月  1日放送「熊本地震(6) 福祉避難所は今」
 2016年7月13日放送「熊本地震(7) 赤ちゃんの“命の砦” NICUからの報告」
 2016年7月14日放送「熊本地震(8) 病院を出された700人-被災した精神科の患者たちは今」

▼災害時のお役立ち情報
 
相談窓口、障害者・支援者向けマニュアルなど、いざというときのための情報、をこちらにまとめています。
 ⇒ 災害・誰も取り残さない

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