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【収録記】2016 リオパラリンピック ~創造力で前へ、前へ!~

2016年03月09日(水)

ハートネットTV、WEBライターIです。

リオパラリンピックシリーズ。3月は「視覚障害者マラソン」「自転車」。一足先に収録を見て、見どころをお伝えします。

 

 

◆第5回「視覚障害者マラソン 道下美里」 3月15日(火)

昨年10月のWEB連動企画「チエノバ」や、1月に放送した「視覚障害ナビ・ラジオ/リオで輝け!パラリンピアン」にも出演いただいた道下美里さん。その時も、道下さんの明るい笑い声に、スタジオ全体が明るくなりました。

収録を見ていて、気づいたことがいくつかあります。

 

・小柄。

山田キャスターと広瀬アリスさんの横に立つとより小柄な印象が。ご自身も「ちっちゃいんですよー144センチなんです。笑」とおっしゃっていました。小さい体でどうしてこんなにパワフルなのでしょうか?それはたぶん…(続く)


000_DSCN5830_R.JPGかわいらしいスニーカーだな、と思って写真を撮りましたが…足、小さいですね!

 

 

・よく笑う。

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道下さんは全身から声が溢れるように本当によく笑う!笑うことで、まるで心の元気を充電しているようです。広瀬さんもよく笑う方なので、お二人が呼応するように笑い、スタッフみんなもつられていました。“笑い”は伝播しますね。

そしてよく笑うのはどうやら道下さんの性格にも関係があるようで…。(続く)

 

・前向き。

道下さんは「前向き」。これは、番組の中で出題されるクイズのヒントにもなっています。

なぜ前向きでいたいのか?その理由は…。(続く)

 

 

・負けず嫌い。

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ご自分ではそれほど…とおっしゃっていましたが、周囲の方は「相当の」とつけるというくらいの負けず嫌いなのだそうです。負けたことを思い出すと悔しさがこみ上げる…とのこと。負けたくないので、できないことも「できない」ではなく、「どうやったらできるようになるのか」と、全て“できること”に変換して考えたいのだそうです。

 

「繰り返せば強くなります」。

道下さんはそう言い切ります。私は写真を撮る手を止め、思わずメモを取っていました。そして気づいたのは…(続く)

 

 

・話がうまい。

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「頑張れば結果が出るんだ」

「継続というのは人生の最大の課題」

「マラソンを通して笑顔でいる時間が増える」など、収録中には“道下語録”がたくさん出てきました。はっと気付けばメモだらけ。1時間強の収録で、台本いっぱいに道下さんの言葉が書きとめられていました。

 

パラリンピックに出場したいというのは10年越しの夢。その夢に向かってきらきらと、でも「負けたくない」気持ちで強く、“ゴール”を目指す道下さん。

笑いあり、仲間たちとの“絆”あり、本当にたくさんの見どころがありました。3月15日の放送を見終わった後、道下さんの明るく前向きなエネルギーに、あなたも心がすっきりしているかもしれませんよ?

 

 

◆第6回「自転車 藤田征樹」 3月22日(火)

勉強不足で恐縮だったのですが、私に取ってはあまり馴染みのない競技…。ハイスピードが予想されるこの競技に、果たしてついていけるかな?!などと思いながら収録にのぞみましたが、最も驚いたのは、競技以上にハイスピードで駆け上る、藤田征樹選手の人生でした。

 

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藤田選手が着用しているジャージは「マイヨ・アルカンシェル」という、世界王者のみが着用できるチャンピオンジャージ。とっても嬉しそうですね!藤田さんは昨年のロードの世界選手権で優勝したので、この権威あるジャージを着用できるのです。


 

小学生時代から、スピードスケートや陸上で、誰よりも速くなることに快感を覚えていたという藤田選手。

19歳で両足を失った時に失意はいかに大きかったか…と考える間も与えず、

「義足があれば、走れる。自転車にも乗れる。と思い込んでいた。」

「それを楽しみに退院し、家に帰って自転車に跨った。」

と言うのですから、その前向きさに驚くばかりです。

そしてそのわずか2年後にはトライアスロン完走!(驚)

その後の詳しい活躍については放送をご覧ください。(*^_^*)

 

 

そしてこの収録は、個人的に学ぶことも多かったです。

ひとつは、「練習」や「努力」の楽しさ。“辛く苦しい”というイメージもありますが、夢に近づくため、自分を信じるための糧になる素敵なものだと教わりました。

藤田選手の持ち味は清々しいほどのストイックさ。スタジオでの静かで穏やかな様子と、練習中の“集中オーラ”全開のギャップは面白いほどです。(笑)でも、ピリピリ集中オーラ全開でも、表情は前向きで楽しそうなのです。義肢装具士の齋藤さんとの二人三脚は、完璧を追及しながらも、格好良さも求める遊び心もあって素敵でした。


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自宅での“集中した”練習後。思わずぐったり顔を伏せてしまうくらい、厳しい時間が流れていました。

 

 

そしてもうひとつ、創造性が生み出す豊かさ。

障害の種類や重さで使う自転車を変える競技のルールや、選手それぞれの工夫などの多彩さは、パラリンピックならでは。残された機能を最大限に使い、世界レベルで競い合う。「生活の不自由を埋める」という域をはるかに超えた、人間の創造力に感動すら覚えます。

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自転車は、風の抵抗を生み出さないため、できるだけ薄く。

  

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カーボン製でカッコよさも目指した義足は現在3代目。義足の裏はペダルと固定するような仕組みになっています。足首が曲がらないことも、ペダルから自由に足を下ろせないことも、健常者の視点からは「怖い」と思うかもしれませんが、「デメリットもあれば、メリットとなる部分もある。道具の工夫で楽しくなるのが自転車の魅力」と藤田選手はおっしゃっていました。

 

 

藤田選手の驚異のスピード成長の背景には、トライアスロンの楽しさにハマった大学2年の時に事故にあったので、「あの仲間とまた一緒にやるために、みんなが卒業する前に何とかしないと!」という思いがあったそうです。

両足が義足になってすぐ、そんなに建設的に、前向きになれるものでしょうか?

やっぱりスピードの神様に見初められた、“特別”な人生なのでしょう。

“一番見たい景色”が見られるよう、願っています!

 

 

 

放送予定 [Eテレ]本放送:夜8時、再放送:午後15分。

第5回 視覚障害者マラソン 道下美里

[本放送]2016年3月15日(火)、[再放送]2016年3月22日(火)

 

第6回 自転車 藤田征樹

[本放送]2016年3月22日(火)、[再放送]2016年3月29日(火)

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