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相模原障害者施設殺傷事件 第3回 中島隆信さんインタビュー

2016年08月31日(水)


Webライターの木下です。
相模原障害者殺傷事件の植松容疑者は、「障害者を抹殺することが世界経済の活性化につながる」と衆議院議長宛の手紙の中に書いています。生産活動に携わることが不可能な重度の障害者と経済との関係についてどのように考えればいいのか。『障害者の経済学』という著書があり、経済の視点から障害者福祉について研究されている慶應義塾大学商学部教授の中島隆信さんにお話をうかがいました。中島さんは脳性まひの息子さんがおられる当事者家族でもあります。


社会との接点をなくすことで差別や偏見が生まれる


木下:今回の事件報道をご覧になって、どんな感想をおもちになりましたか。

相模原障害者施設殺傷事件 第2回 熊谷晋一郎さんインタビュー

2016年08月30日(火)


Webライターの木下です。
「津久井やまゆり園」の追悼集会の呼びかけ人のおひとりである東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎さんに、改めて研究室で今回の事件についてお話をうかがいしました。熊谷さんは小児科医であるとともに、脳性まひの当事者でもあります。



事件の影響による拙速な対応を危ぶむ


木下:事件後に、NHKのニュースウオッチ9の取材を受けられて、「車いすで町を走るのが怖くなった」とおっしゃっていました。熊谷さんのように小児科医であり、大学の教員をされているような方でも、そういう恐怖感を抱かれたということに驚きました。

相模原障害者施設殺傷事件 第1回 追悼集会に寄せられたメッセージ

2016年08月29日(月)


Webライターの木下です。
7月26日に相模原障害者殺傷事件が起きて、人々の心に大きな動揺が走りました。悲しみ、怒り、恐怖、不安など、さまざまな感情が渦巻く中、8月6日、東京大学駒場第2キャンパスで「津久井やまゆり園」の追悼集会が行われました。犠牲となった19人の方々を悼むとともに、誰かと思いを共有したいと願う人々が約300人集まりました。障害当事者やその家族、医療・福祉関係者だけではなく、ネットで集会があることを知って急きょかけつけた一般の主婦や会社員の方もおられました。

社会の連帯感をもう一度取り戻す


集会は1分間の黙とうから始まりました。司会を担当したのは、東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎さん。小児科医であり、電動車いすを使用する脳性まひの当事者でもあります。

発達性協調運動障害 第4回 どうやって支えるのか

2016年08月23日(火)


 

不器用さを受容し、本人の上達を信じること


Webライターの木下です。
発達性協調運動の子どもたちの「不器用さ」は、生活の場面でも、学習の場面でも、本人の心に大きな負担となります。不器用さは、専門家ですら脳の機能障害と理解している人は少ないために周囲からの支援は受けにくく、逆に、保護者や教師から間違った対応がなされて、事態が悪化するケースがあります。

発達性協調運動障害 第3回 運動と認知発達

2016年08月22日(月)


 

赤ちゃんの運動と発達障害


Webライターの木下です。
赤ちゃんは長年、「外から受けた刺激によって学習し、成熟する」という考え方が主流で、言葉を話す以前の乳幼児は、外からの刺激に反応して初めて動き出す、受け身の存在ととらえられていました。しかし、現在の赤ちゃん研究では、赤ちゃんは胎児のときから自発的な運動を始めて、自ら周囲に働きかけながら脳を発達させていくと考えられています。

発達性協調運動障害 第2回 身体から発達障害を解明する

2016年08月19日(金)

 

法律で「その他」の障害と表現されるDCD 


Webライターの木下です。
2005年に施行された発達障害者支援法では、発達障害を以下のように定義しています。
 

「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その障害が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう」

 

この法律の条文には「発達性協調運動障害(DCD)」という言葉はありません。しかし、「その他これに類する脳機能の障害」という表現があり、「政令」には、「言語の障害、協調運動の障害その他厚生労働省令で定める障害」という記載があります。発達性協調運動障害も発達障害の一種として、法的に支援対象として位置づけられていることがわかります。

発達性協調運動障害 第1回 不器用な子どもは発達障害の可能性が

2016年08月18日(木)

 

Webライターの木下です。
以前、発達性協調運動障害についてフェイスブックで取り上げたところ反響が大きく、「子どもの頃に体育の授業がなぜあんなに辛かったのかがやっとわかった」という書き込みをされた方がおられました。発達障害に関する情報は、さまざまな形で発信されていますが、まだ一般的にはあまり知られていない事実もあります。発達障害のある子どもたちの支援に重要な影響を与えると言われる最新トレンドについてお伝えします。

 

専門家の間でも知られていない障害


人並み外れて不器用な子ども、極端に運動の苦手な子どもが小学校のクラスに数人はいます。例えば、「服のボタンを留められない」「靴ひもがうまく結べない」「ラジオ体操やダンスで手足がばらばらに動く」「はさみやコンパスなどが上手く使えない」「つまずくものがないのに、よく転ぶ」などなど。たんに体育の授業がうまくいかないだけではなく、日常生活もトラブル続きで、先生に叱られたり、友達からいじめられたりして、本人は辛い思いをしています。

 

分かち合いたい―「津久井やまゆり園」を訪ねて―

2016年08月05日(金)


あの日から10日。私自身、心の整理がなかなかつきません。
都心から電車とバスを乗り継いで、2時間。
きょう、神奈川県立津久井やまゆり園に行ってきました。
亡くなった方たちに花を手向けに。

 

深々と頭を下げ、顔を上げた時。
柵の向こうに見えたのは、私に向かって、私以上に頭を下げていた男性職員。
私は、しばし動くことができませんでした。

 

事件後真っ先に頭に浮かんだのは、同じような障害のある人たちや家族のみなさんのことでした。今も変わりません。
みなさん、苦しんでいませんか。悩みを抱え込んでいませんか。

8月8日(月)生放送で、みなさんと思いを分かち合いたい、と思っています。

当日、ツイッターでも声をお寄せください。


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蝉の鳴き声が響く、山里。
この写真の場所から左に視線を移すと、津久井やまゆり園があります。
のどかな場所にも関わらず、私の心は落ち着きませんでした。  



関連番組
 『ハートネットTV』
 
緊急特集 障害者施設殺傷事件
 8月8日(月)夜8時/再放送 8月15日(月)昼1時10分

相模原市障害者施設殺傷事件に関して

2016年07月28日(木)


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ハートネットTV ライターの木下です。
2016年7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、刃物を持った男性が入所者を襲い、19人が死亡、26人が重軽傷を負うという痛ましい事件が発生しました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様には深くお悔やみ申し上げます。さらに負傷された方々の一日も早い回復を心から願っております。

今回の事件は、深夜に眠りについている無抵抗な障害者を、包丁やナイフで次々に刺し殺していくという残忍なもので、戦後最悪の大量殺人事件です。神奈川県警に殺人未遂などの容疑で逮捕された植松聖容疑者は、県警の調べに対して、「障害者なんていなくなればいい」「重複障害者を救ってあげたかった。後悔も反省もしていない」と話しているとされ、今年2月15日に衆議院議長にあてた手紙にも「障害者は不幸を作ることしかできません」「障害者が安楽死できる社会を」などの言葉が記されています。このような障害者の尊厳を真っ向から否定するような発言に対して、障害者団体からは抗議の声が挙がっています。

 

【相模原市障害者施設殺傷事件】 障害者団体等の声明

2016年07月28日(木)

7月26日未明、神奈川県相模原市の障害者入所施設で、多くの利用者がその命を奪われたり負傷したりする痛ましい事件が起きました。犠牲となった方たちに心よりお悔やみを申し上げます。容疑者は障害のある人の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられています。ハートネットTVではこれまで障害がある人もない人もすべて生命と尊厳が守られる社会を目指して放送を出してきました。これからも変わらず、ひとりひとりの命の重さを胸に、番組を作っていきたいと思います。

今回の事件を受けて、多くの当事者団体が声明を発表しています。

全国手をつなぐ育成連合会
特定非営利活動法人 DPI(障害者インターナショナル)日本会議
公益財団法人 日本知的障害者福祉協会
きょうされん

また、容疑者に精神科病院の入院歴があると報じられていますが、このことが精神障害者への偏見や差別につながらないよう、呼びかけている団体もあります。

公益社団法人 全国精神保健福祉連合会
COMHBO 地域精神保健福祉機構