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世界では急激な人口増加が続いています。7月11日は「世界人口デー」

2015年07月10日(金)

ハートネットTVです。

7月11日は「世界人口デー」。1987年7月11日に世界の人口が50億人に達したことから、1989年、国連が人口問題の緊急性と重要性への関心を高めるために制定した記念日です。現在、世界の人口は73億人。2050年までには90億人を超えると予想され、急激な人口増加は続いています。地球の人口は一体どれだけ増え続けるのか、いつになったら止まるのか、毎年発表される数値にどうしても関心は向かいがちですが、国連人口基金(UNFPA)は人口問題を「単なる数の問題ではなく、人間の尊厳の問題としてとらえる」ことの大切さを訴えています。
 

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ネパール大地震後、国連人口基金の支援を受ける女性たちⓒUNFPA Nepal。国連人口基金は、世界中で緊急時の支援に関わり、女性と少女の尊厳を守り、安全を保障し、そして性と生殖に関する健康・権利を促進することを通じて、彼女たちのニーズに応えています。



「世界人口デー」の2015年のテーマは、“緊急時における脆弱な人々”。
国連人口基金のオショティメイン事務局長は、「私たちの目標は、緊急時や災害時に、女性や思春期の少女の性と生殖に関する健康に対しての権利を保障し、同時に彼女たちの安全も確保することです」というメッセージを発表しています。

 

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今年の「世界人口デー」のテーマである“緊急時における脆弱な人々”をモチーフにしたイラスト ⓒUNFPA。いかなる状況であっても、女性の生命や健康的な性や生殖の権利は優先的に守られるべきものであることを訴えています。


 

20世紀に入ってからの人口の急激な増大は、アジアやアフリカの開発途上国で起きています。先進国の経済を支える労働集約的な産業に応じるために、開発途上国では多くの単純労働力が求められます。そのために、教育を受けることもなく、幼い頃から隷属的な労働に従事する子どもや、若い年齢で多くの子どもを産むことを強制される女性が増加し、人材開発が立ち遅れ、さらに貧困を加速させるという悪循環に陥っています。  

そのような課題を解決するために、国連人口基金では、児童婚など女性・少女に対する性的強要と暴力の予防、途上国の子どもや若者たちへの教育支援、ジェンダーの平等と女性のエンパワメント、家族計画に基づいた健全な性や生殖に関する権利を守る活動を推進しています。

 

急激な人口増加というと、私たちは国家間の食糧や資源の奪い合いを想像しがちですが、増え続ける人口が共存できる持続的な未来を創造していくためには、自国の経済発展だけではなく、開発途上国の子どもや若者たちの尊厳についても改めて考えてみるべきなのかもしれません。


 

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