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「世界ダウン症の日」

2015年03月21日(土)

3月21日は国連の国際デー「世界ダウン症の日」。ダウン症の人たちの多くは“21”番目の染色体が“3”本あることから、この日が記念日に定められました。

ダウン症の人たちが個性を活かしながら、安心して暮らしていけるように、世界中でさまざまな啓発イベントが行われます。ニューヨークではエンパイア・ステートビルが、ダウン症の人たちやその家族への敬意を込めて、青と黄色にライトアップされます。日本でも交流会や写真展など、各地で多くの記念イベントが開催されます。

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ダウン症は800人にひとりぐらいの割合(世界平均)で発症する先天的な障害です。知的な障害や運動能力の障害を複合的に伴うことが多いのですが、近年効果的な早期療育や特殊教育プログラムが開発されたことで、以前に比べて、ダウン症の子どもたちの能力向上が容易になりました。発達の速度はゆっくりで、人によって資質は異なりますが、自立できるだけの能力を身につけ、職業生活や結婚生活を送る人もいます。

また、書家の金澤翔子さん、翻訳家の岩元綾さん、打楽器奏者の新倉壮朗さん、画家の中村順二さん、タレントのあべけん太さんなど、ダウン症の一般的な特徴である感受性や社交性の豊かさを活かして、芸術や芸能などの分野で才能を開花させる人もいます。

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NPO法人ドリームエナジープロジェトの内海隼吾さん(20)と範田賀彦さん(16)。同団体は知的な障害のある人の自己実現を応援します。お笑い好きの二人は、ショートコントの練習中
 

私たちの社会が、障害者への差別や偏見によって得るものは何もありませんが、受容と理解によって得るものはたくさんあります。心のバリアーを取り払うことで、これまで家族や支援者の方たちだけが知っていたダウン症の人たちの魅力を、人類全体で共有する新しい時代が訪れようとしているのかもしれません。

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