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Road to Rio vol.125 ブラジル・豆だより!「パラリンピックが『カリオカ』に残したものは? その1」

2016年09月19日(月)


TITLE_P1070692.jpg夕闇の押し寄せたマラカナンに、熱い戦いの繰り広げられたパラリンピックの終焉を見届けようと、カリオカたちが集まってきます。最終日の今日はパラリンピックがリオの人々の心にどんなインパクトを与えたのか、マラカナンで出会ったブラジル人の方々に率直な意見を聞いてみることにしました。

Q:パラリンピックはいかがでしたか?
私はここマラカナンで働いているのですが、個人的にはとても才能のある人たちと仕事をする機会を与えられ、友達もたくさんできました。世界中から来た人々と知り合いになれたことは素晴らしい経験です。オリンピックは人々をよりオープンにしたと思いますが、パラリンピックはスポーツをすることあるいは生きることの困難を乗り越えることで人々を繋げたと感じます。

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Q:障害者への態度にパラリンピックは変化を与えたと思いますか?
障害者への態度の変化を生んだと言えるかどうかはわかりません。これは「スタート」だと思います。障害を身近に見ることによって、異なる見方をするようになります。本当の「インクルージョン」が起こるためには、まだまだやらなければならないことがあると思いますが、今大会はその非常によいきっかけになったと思います。

Q:ブラジルメディアの取り上げ方はいかがでしたか?
ブラジルでオリンピックは地上波で放送されていましたが、パラリンピックはケーブルテレビでしか放送されていません。放送局やその他のメディアがパラリンピックを広める力を持っているわけですから、本当はもっと見せたりプロモーションしたりしてサポートすべきだったと思います。

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Q:パラリンピックは障害に対する人々の考え方を変えたと思いますか?
そのきっかけはできたと思います。多くの親たちが子供達を連れてパラリンピックにやってきていました。子供達はパラスポーツに触れる機会を与えられ、それがすごいものだということを見ました。そういう子供達が成長していったら、パラスポーツはもっと一般の人に受け入れられ親しまれるスポーツになると思います。

Q:なぜ初めは興味のなかったブラジルの人たちもパラリンピックに興味を持ち始めたのでしょう?
メディアはオリンピックにしか焦点を当てていませんでした。ですからメディアに先導される人々もそのことしか視野にありませんでした。でもオリンピックが終わり、目が覚めたようにもう一つの大会があることに気づいたように思います。「じゃあ、いってみよう!」ということになったわけです。オリンピックのチケットはリオの人々にとっては少し高すぎました。でもパラリンピックのチケットはもっと安くて、誰もが実際に見に行って楽しめるイベントだったのです。オリンピック期間中に当たっていなかったパラリンピックへの焦点がメディアでもパラリンピックが始まってから当たり始めたように思います。

Q:地上波で放送されていないのでパラリンピックのことをあまり知らない人もいるのではないですか?
チケットがとても安いので、人々が見に来やすいと思います。パラリンピックに来ている人のほとんどは、オリンピックには行きませんでした。リオの学校でもパラリンピックをテーマとした授業が行われています。ウェブを中心として様々なパラリンピックの情報が出ています。ブラジル人選手もたくさんメダルをとっていますし、その情報はソーシャルメディアにも溢れています。

Q:ブラジル選手の中であなたのヒーローは誰ですか?
全員です。1人を選ぶことはできません。そして選手だけでなく、選手をサポートしている人たちの努力にも感銘を受けます。影で支えている人たちのことも忘れてはいけません。

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今大会がブラジル国民全体にどれくらいの影響を与えたのかはわかりません。メディアの取り上げ方などもっと広くパラスポーツを楽しんでもらうためにできることはまだ多くありそうです。でもリオのパラリンピック会場に来て、実際にパラリンピアンたちの驚くべきパフォーマンスを目の当たりにした人々の心に生まれた変化や感動は紛れもなく確かなものです。

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