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Road to Rio vol.119 ブラジル・豆だより!「世界の"目"、各国メディア事情」

2016年09月17日(土)


mame015_TITLE_P1070594.jpgリオの盛り上がりや選手たちの素晴らしいパフォーマンスは世界中のメディアによって伝えられています。会場にはレースを終えたばかりの選手たちがインタビューに答えるミックスゾーンと呼ばれるエリアが設けられ、そこで各国のテレビ局が選手たちにインタビューをしています。

今回は競泳会場で選手たちの健闘ぶりを伝える3カ国のリポーターに、それぞれの国でのパラリンピックの盛り上がりについてお話を伺いました。



オーストラリア
エミリー・アングウィンさん(TVセブン)

Q:オーストラリアでパラリンピックは人気がありますか?
実はもともと公共放送がパラリンピックを放送していたのですが、視聴率があまりよくなかったんです。今回初めて民放が放送することになりました。ですから私たちにとっては試行錯誤のところが多いです。でも、とても良い反応を感じています。「もっと見たい」という声が聞かれているので、手応えを感じますね。

Q:どれくらいの放送をしているんですか?
1日14時間ですがメインのチャンネルでというわけではありません。もっともっと見せて欲しいという要望があるので、東京大会では是非もっとやりたいです。テレビだけではなくインターネットでの放送もしていて話題になっているビデオもあります。アメリカのブラッドリー・スナイダー選手のビデオは35万回再生されているんです。それだけの人に見られているというのはすごいことですよね。

Q:オーストラリアで一番人気の競技は何ですか?
競泳は人気があります。良い選手もいますし、オーストラリアは水泳文化が根付いています。太陽とビーチが有名な国ですからね。以前の大会で活躍が目立った車いすバスケチームにも注目が集まりました。

Q:パラリンピックを伝える上で重要なことは何だと思いますか?
個人的には選手の背景にある“信じられないようなストーリー”を大切にしたいと思っています。どうやってこの世界大会にやってくることになったかを伝えたいと思っています。もちろんスポーツのパフォーマンスも見てもらいたいですが、その人がどんな人生を歩んでここに至ったのかその物語が私にとってはもっとも興味深いことです。それから同じように障害を持つ人へのメッセージなども聞くようにしています。

Q:今日までに一番印象に残っているのはどんなことですか?
本当にたくさんの大切な思い出ができたんですが、あえて選ぶならナミビア出身のジデオン・ナシロウスキ選手(S3)です。彼は初めてナミビアからパラリンピック競泳に出場した選手です。他の選手より1分ほど遅れてゴールしました。でも会場が彼に大声援を送ったんです。信じられないようなストーリーがあって、信じられないような出来事が起こった瞬間でした。


Q:次の東京大会に期待することはどんなことですか?
日本という国はいろんなことを組織的に素晴らしくやり遂げる国だと思います。実は姉が名古屋に住んでいるのですが、サービスや人への接し方など良い話しか聞いたことがありません。ですから東京大会は本当に楽しみです。リオとは全く違う大会になると思いますが、素晴らしい大会になると思いますよ。



ドイツ
ニコール・ラウテンベルガーさん(ARD

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Q:ドイツでのパラリンピックの人気はいかがですか?
みんなパラリンピックが好きですよ。パラリンピックの番組に興味を持ってくれていて、選手について全てを知りたいと思っています。かなりの関心があるように感じます。オリンピックと同じくらいの関心が集まっているといっていいと思います。全部で75時間のテレビ放送をしていますから、かなり楽しんでもらえているのではないでしょうか。

Q:パラリンピックのリポートをするのは今回が初めてですか?
2012年のロンドンもやりました。本当に楽しかったです。その時も競泳が主な担当でした。でも今回は、ロンドンよりも多くの放送をしているように思います。

Q:ドイツではどんなパラスポーツの人気がありますか?
やはり競泳ですね。それから車いすバスケと車いすテニスも人気があります。

Q:パラリンピックを伝える上で心がけていることはありますか?
大きな大会ですから、そのために選手の皆さんは真剣なトレーニングをし、かなりのエネルギーを投入して試合に臨んでいます。そんな姿をきちんと伝える責任があると感じながらやっています。また多くの人にパラスポーツを理解し楽しんでもらえるように、クラス分けなどもわかりやすいように説明したり、クラス分けについてのビデオを見せたりしています。

Q:今日までに一番心に残っていることは何ですか?
一つを選ぶことはできないです。毎日、表彰式が始まると鳥肌が立つんです。



イタリア
アリアンナ・セコンディーニさん(RAI

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Q:イタリアではどれくらいの放送をしていますか?
スポーツチャンネルで毎日12時間ほどの放送をしています。更にメインのチャンネルでも一部の競技を放送をしているので、視聴者の皆さんはかなりリオでの選手たちの活躍を見ることができますね。ロンドン大会でも同じくらいの放送をしました。

Q:イタリアで人気のあるパラスポーツは何ですか?
競泳や陸上も人気がありますが、私たちイタリア人にとって重要なのはフェンシングです。それから自転車もですね。どちらもとても良い選手がいますよ。もともとフェンシングや自転車は人気がありますから。

Q:イタリアの人たちはパラリンピックに興味を持っていると感じますか?
視聴率はなかなか良いようなので、興味を持っているのではないでしょうか。それからソーシャルメディアを通して選手への応援メッセージもたくさん届いています。

Q:今大会で一番印象に残っているのはどんなことですか?
フランチェスコ・ボッチャルド選手(S6・400m自由形)の金メダル と、エフレム・モレッリ選手(SB3・平泳ぎ)の銅メダルです。モレッリ選手は36歳でイタリアチームで最年長なんですよ。その人がメダルを取ったところにいてインタビューしたというのは素晴らしい思い出です。

Q:パラリンピックの魅力はなんでしょう?
パラリンピック選手は偉大なスポーツ選手です。彼らから私たちが学ぶことはものすごくたくさんあります。彼らの計り知れない努力を思うとき、それは私たちの心の奥に響きます。彼らの努力から私たちはたくさんのことを学ぶことができると思うのです。

Q:東京はどのようになっていると思いますか?
別スポーツ大会の取材で日本に行ったことがあるのですが、日本には素晴らしいスポーツへの情熱があると感じます。ですから東京大会はとても盛り上がって素晴らしいものになると思いますよ。


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オーストラリア・エミリーさんレポートの模様



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NHKのスタッフも



いかがですか?少し気が早いと思いますが、各国のメディアは東京での盛り上がりもきっと伝えてくれるでしょう。

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