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Road to Rio vol.81 リオパラリンピックへ向け、自国チームの熱い戦いを!~車いすテニス世界国別選手権~

2016年05月11日(水)

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世界のトッププレーヤーの笑顔はとてもにこやかな一方で、その言葉には“日本”を背負う誇りと強さがありました。

 

今月の5月23日(月)から28(土)まで、東京・有明コロシアムの「有明テニスの森公園」で行われる車いすテニスの国別選手権の記者会見が、先日行われました。この大会は29か国、160名ほどの選手が出場する国際大会。昨年の男子優勝はイギリス、毎年優勝候補になっているのは、オランダとフランスで、女子は1999年からオランダが優勝し続けています。

今回、日本は「男子」「女子」「クァード(両下肢と上肢に障害があるクラス)」「ジュニア」の4つすべてのクラスに出場します。

 

記者会見に参加した、国枝慎吾選手と、上地結衣選手に本大会へのメッセージを伺いました。


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国枝慎吾(くにえだしんご)

ITF世界ランキング シングルス2位/ダブルス5位。(2016年4月25日現在)

最高位はシングルス1位/ダブルス1位

 

国枝: 過去の大会では、2003年の日本代表デビューで初優勝しました。(※シングルス、ダブルスともに無敗でチームを優勝に導く)。2007年に2度目の優勝。

そして今回の2016年、東京で3度目の優勝を目指して頑張りたいと思っています。

 

リオに向けてどのような大会にしたいと思っていますか?

国枝: 2020年東京のテストイベントと言うこともありますし、今年はリオデジャネイロパラリンピックの年でもありますので、国別対抗戦となると各国とも基本的には例年以上に気合を入れてくる大会になります。選手にとっても“国を背負う”ということで、普段の大会とはちょっと違った雰囲気もあります。

特にダブルスは純国産のペアになりますから、そういう意味でも、ダブルスは今どこが一番強いのかというのがわかる大会です。各国テストをしてくると思うので、その辺を注意し、マークしていきたいと思っています。

 

また、国枝選手はこの記者会見中に、先月痛めていた右ひじのクリーニング手術を行ったことを明らかにしました。

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国枝: 実は3週間ほど前に肘の手術をしまして、今はこの大会に出場することを目標にリハビリに励んでいるところです。去年の秋から違和感があり、ごまかしながらプレーを続けてきましたが、今年1月の全豪オープンで初戦敗退したこともあり、「どうにかしないと」と思い、リオでの金メダルの確率を少しでも上げるには手術が必要だと判断しました。

この東京・有明で、テニスの聖地での国別対抗戦なので、ここでプレーできることを今は目指して頑張っています。

 

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上地結衣(かみじゆい)

ITF世界ランキング シングルス2位/ダブルス3位。(2016年4月25日現在)

最高位はシングルス1位/ダブルス1位

 

上地: 本大会、初の日本開催ということで、私自身とてもワクワクしています。女子チームは過去の大会で2位、3位まで上り詰めることができたのですが、これまですべてオランダチームに敗退している成績となっています。

自国開催なので、ぜひ日本女子チーム、日本選手団、日本代表みんなで力を合わせて優勝を目指して頑張っていきたいです。みなさまの応援を力に変え、選手みんなでプレーをしていきたいと思いますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします!


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リオに向けてどのような大会にしたいと思っていますか?

上地: 特に注意をしているところとしてはダブルスです。普段のツアーでは、色々な国の選手同士でダブルスを組んでいるので、本当に純粋に、自国の選手同士で組んだ時のレベルがどのあたりなのかがわからない状況なのですが、この国別選手権を通してわかるのかなと言うところですね。

それから女子としては、ここ最近伸びてきている中国、パラリンピックなどでも活躍しているタイなど、普段のツアーにはなかなか出てこないけれども実力を持った選手がたくさんいると思うので、このワールドチームカップではそういった選手もしっかり観察できるのかなと思っています。


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大型連休でイベント続きの中、報道陣も大勢集まりました!

 

最後に国際大会におけるお互いの活躍についてどう思われているか、質問してみました。

上地: 私が車いすテニスを始めたころから、国枝選手はすごく活躍されていたので、ここ最近で自分がレベルアップすることができ、グランドスラムだったり、一緒に優勝する機会をつくることができて、本当に国枝選手に追い付きたいと思っています。

もちろん、男子と女子でプレーも違いますし、環境が全然違っているとは思うんですけれども、国枝選手に少しでも追いつけるように、また追い越せるように頑張りたいといつも思っています。

 

国枝: 上地選手のすごいと思うところは、10代のころから大人顔負けのメンタルで、非常に落ち着きがあるところは今も変わっていません。また、彼女の活躍が自分自身の刺激にもなっていて、たいていグランドスラムだと、女子の試合が終わった後に男子の試合になるのですが、やっぱり、上地選手が勝つと自分も負けられないなと言う気持ちにさせられますので、そういう意味でもすごく刺激を与えてくれる存在です。

 

 

そのほかお二人とも、日本のジュニアクラスのレベルアップへのエールなど、丁寧に伝えられる言葉の中に、車いすテニス界のトッププレーヤーとして日本チームを牽引していくぞという“強さ”が込められているようでした。

 

お二人の力強い思い、熱いプレーをぜひ会場で。観戦は無料ですので、皆さんも熱い応援で “日本チーム”への後押しを!

 

 

◆車いすテニス世界国別選手権

開催期間:2016年5月23日(月)~28日(土)

会場  :有明コロシアム・有明テニスの森公園(東京都江東区有明2-2-22)

出場数 :29カ国 160名

観戦  :無料

※詳しい情報は、大会ホームページをご覧ください!

◆6月のEテレ・「ハートネットTV」で、上地結衣選手に出演いただく予定です!

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