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風間俊介さん「ひとりひとり異なることが"輝いている個性"と、競技場で感じました」

2015年11月26日(木)

11月28日(土)に放送される 限界、その先へ「ドーハ障害者陸上世界選手権」、
ナビゲーターの風間俊介さんにお話を伺いました。


今日のナレーション収録はどうでしたか?

もう本当に、「自分の目で見た時の迫力」というのをみなさんに伝えたいです!この番組は、ちゃんと伝わる映像、伝わる番組になっていて、是非みんなに見てもらいたいという気持ちがまた高まりましたね。リオ、そして東京パラリンピックを「自分の目でみたい」と思ってもらえると思います。
「生で競技を見ると全然違う」…その魅力への架け橋になるのが、この番組です。
 

風間さんは実際に競技場に行かれましたものね。印象に残ったエピソードはなんですか?
例えば入場の時。オリンピックならみんな“歩いてくる”と思うんですね。…それも圧巻だとは思うんですけど。パラリンピックは、その競技の選手によって登場の仕方が違うわけですよ。車いすでみんなでブワッ!って入場する競技があれば、みんな義足で来たりとか、義足を手に持ったままけんけんで入ってくる選手がいたりとか。
そういう言葉にはしにくいオーラみたいなものだけじゃなくて、一人ひとり異なることが「うわー始まる!」って、それぞれの選手たちの“輝いている個性”となっているから登場がまず、印象的でした。足がない種目だったら全員足がないし、それが全員ブワッ!と集まって当たり前のように歩いてくると、俺は「カッコいいな」って。
 

20151125_doha0001.jpg最終日の400m・T52(頸髄損傷・脊髄損傷・切断・機能障害/車いす)のレース。手前の6レーンは銀メダルを取った上与那原 寛和選手です。


多様性が“粒”となって輝いていて、会場全体がそれを受け入れている感じは、普通なかなか体験できないことですよね。

「バリアフリー」ってこんなことなんだろうなって。世の中において“障害者”と呼ばれる人たちはマイノリティーであるという扱いを受けていると思うんですけど、それがまったくマイノリティーではない場所に行った時の経験というのはなかなかパンチ力が強くて…。
あの場所では俺の方がマイノリティーなんですよね。「あっ、お前全部あるんだ」っていうマイノリティー。そしてその人たちが凄い筋肉で。きっと、歩いていて向こうが義足だろうがなんだろうが肩ぶつかる瞬間があれば、多分僕の方が倒れるんですよね。そんな空間というのも面白くて。本当に一人一人が輝いているなって。あれは面白いですね。



風間さん、ずいぶん興奮されていますね!この番組の見どころはズバリ、どこですか?
うーん。今回凄い瞬間がたくさんあって、まず世界のアスリート達の迫力、レベル。とんでもないことになっています。健常者スポーツの頂点といわれるオリンピック、そのオリンピックの立ち位置を揺るがすような選手が大活躍するので。
その世界のレベルの迫力と、それに立ち向かう今の日本選手団の現状、そして“これから”がこの番組につまっていると思います。
 

20151125_doha0002.JPG

最終日の日本選手のみなさん。清々しい笑顔ですね!



個人個人の選手が、独自の鍛え方であったり、器具を使いこなすことによってオリンピックとの距離が縮まっている感じというのはありますよね。そこをどういう風に日本の選手が攻めていくかというのはありますね。
もちろん、オリンピックとの差というのはどんな競技だろうが常にあると思うんです。その差っていうのを改めてここで見るっていうのが面白いし、期待が膨らむ。リオへ、そして東京パラリンピックへ期待が広がる。
100mでみんなが並んだときに恐らくオリンピックの場合ってみんな筋肉の違いはあれど、動かし方はある程度同じだと思うんですよね。けど、パラスポーツに関しては同じ競技で走っているのに走り方が全員違う。それがもう肉眼で一発で分かる。「なるほど、この選手はこういうリスク、デメリットがあるからこういう走り方で補おうとしているのか」っていうのがズラーッと並んだ時、興奮するんですよ!


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8日目に行われたT44(切断・機能障害/立位)の女子100mのレース。

 

ありがとうございます(笑)。最後の質問ですが、障害者スポーツを見たことのない人たちに対して、見てもらうにはどうしたらいいでしょうか?
個人的なお話なんですが、勿論スポーツ好きな人にも見てもらいたいんですけど、俺、あんまりスポーツ見ないんですよ。番組に関わらせてもらっているハートネットTVで障害がある方たちと話してて、興味を持ってパラリンピックの世界に飛び込んでいるんですが…なんていうのかな。「技術と能力の融合」みたいな。
パラリンピックの場合「使いこなす」っていうのが出てくると思うんですよね。義足や義手とか、車いすレーサーとか「自分の体ではない部分」をどう使いこなすかってセンスだと思うんです。じゃあセンスと筋肉を一緒に育てていくのであれば、どっちから攻めるかでパワーバランスがまた変わってくるのが面白いというか。


クラス分けがいい具合に“ない部分”“失った部分”を平等にしていますよね。
同じところを失っている人たちが並んだ瞬間に、普段だったら日本の“どうなのかな”と思う「障害者に対しては優しくしましょう」みたいなのがまったく存在しない。だって甘えられないんだもの。「みんな同じなんだよ」っていう世界だからなあ。
 


実はインタビュー後も「パラスポーツの未来」についてたっぷり熱く語ってくれた風間さん。その思いは5年かけて、たくさん叶えていきたいですね。
みなさんも、是非一緒に!


 

◆放送予定
「限界、その先へ  ドーハ 障害者陸上 世界選手権」

11月28日(土)[BS1] 夜7時~夜8時49分(8時から10分間のニュース中断あり)
ナビゲーター 俳優・風間俊介


◆関連サイト
 障害は“個性”、選手のパフォーマンス。こちらのコラムでは陸上競技を解説しました。
Road to Rio(競技編)パラリンピックを理解して楽しもう!~陸上競技~
障害者陸上 世界選手権、全日本人選手の出場スケジュール、試合結果はこちらをクリック。

コメント

私の次女は生まれてから骨が出来上がるまでの18年、変形した足を矯正する為にずっと靴型の装具を履いていたこともあり、長年義肢装具士さんとの関わりがあった為、義手や義足も身近に感じていましたので、今回の放送にはとても関心を寄せていましたし、パラリンピックをもっと多くの方々に注目して欲しいという想いを長年持っていたので、とても伝わる番組になっていたのが本当に嬉しかったですし、もっと多くの方々に観て欲しいという想いが強くなりました。
風間さんが実際に色々な体験をされるのも良かったですね!より伝わってきました。
そして、益々リオパラリンピックへの期待が高まりました。
選手の皆さんそれぞれの「個性」が光っていて、身体的な特徴とマシン(義手義足や車イスなど)との融合でこんなにもエキサイティングなスポーツとして魅せられるのかという驚きもありました。
是非、今後も他の競技もこうして取り上げて頂きたいなと思いましたし、リオに向けて、多くの方々に関心を持って頂けると嬉しいなと思います。
また、今回の放送を地上波でより多くの方々に観て欲しいとも感じています!

投稿:エム 2015年11月30日(月曜日) 09時56分