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Road to Rioに寄せて

2015年07月10日(金)

「かわいそうな人が、がんばっているスポーツ」。パラリンピックをはじめとする障害者スポーツは、ずっとそんな風に思われてきたし、今でもそう思われているところがある。

 

僕たちはずっとそういう考えを変えたいと思っていた。そうじゃないんだと。とにかくカッコいいのだと。本当にすごいのだと。彼らは、鍛え抜いた肉体と身体感覚で、とんでもない能力を見せてくれるアスリート達なのだと。ロンドン大会あたりから、少しずつそんな風に考える人たちが増えてきたようには感じている。でも僕は最近、もっと先へ行きたいと思うようになった。カッコいい。すごい。そりゃそうだろう。彼らは一流のアスリートたちなのだから、そんなことは当たり前じゃないか。すごいの先にある、おもしろい、楽しい、わくわくする。そんな気持ちを伝えたい。僕たちを夢中にさせてくれるスポーツの醍醐味が、そこにあるのだということを、もっともっと多くの人に知ってもらいたい。

 

感動ではなく興奮を。今、僕はそんな風に考えている。まだ、少しばかり道は険しいと思う。でもその道は、2020年の先へと続くこの国の未来に、確実につながっている。
まずその一歩を、リオから。浅生鴨


 

浅生鴨 (あそう・かも)

 

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作家、クリエイティブ・ディレクター。ペンネームの浅生鴨は「あ、そうかも」という口癖が由来のダジャレ。

 

1971年、神戸出身。ゲーム会社、レコード会社、デザイン会社などを様々な業種・職種を経て、2004年からNHKに勤務。番組制作ディレクターとして「週刊こどもニュース」などの演出を担当。2009年にNHK広報局のTwitterアカウント「@NHK_PR」を非公式に開設。番組制作などの合間に行ったTweetが注目を浴び、"中の人1号"として話題を集めた。
2014年にNHKを退職し、現在は広告の企画・制作、執筆活動などに注力している。著書に『中の人などいない@NHK_PRのツイートはなぜユルい?』、短編「エビくん」『日本文藝家協会・文学2014』収録、「終焉のアグニオン」(連載中)

 

NHK在職中は、パラリンピック放送を告知するプロモーション映像やポスターなどを制作するほか、パラリンピック選手に密着する番組なども手掛けてきた。現在も、雑誌やWEBコンテンツをはじめとするさまざまな場で、パラリンピックに関する発信を続けている。

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