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Road to Rio vol.28 「選手と選手の"距離" ~シッティングバレーボール~」

2015年06月15日(月)

ハートネットTVキャスターの山田賢治です。

去年秋のアジアパラ前から取材を続けている、シッティングバレーボール女子日本代表。来年3月予定のリオ最終予選の大会に向け、練習に励むチームを取材しました。

20150615_yamaken001.jpg 兵庫県姫路市で、毎月1~2回のペースで行っている強化合宿。

 

<シッティングバレー>

床に尻をつけて、座ってプレーするバレーボール。サーブ、ブロック、アタックなどで立ち上がったり飛び跳ねたりすると反則となります。ネットの高さは、男子1m15cm、女子1m05cm。障害の有無に関係なく一緒にプレーできる、国内の大会もあります。

 

今回最も強く感じたのは、「選手どうしの距離の近さ」。これは言うまでもなく、物理的な距離の近さではなく、精神的な距離の近さです。選手間に、お互い関わっていこうという意識が高まったのではないか、と。仲間のプレーに対して賞賛したり、アドバイスをしたり、ディスカッションしたりする姿が頻繁に見られました。それも、お昼の休憩時間に入ったときまで。私はこれまでも、練習や大会でお互いが叱咤激励する姿を見てきましたが、表情も含めて"何かが変わった"という感覚を抱いたのです。 

 

 

 

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同じポジションの選手がプレーを確認(写真左)。仲間でもありライバルでもあります。

 

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朝から夜まで、密度の濃い練習スケジュール。

 

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ともに向上していこう、という雰囲気を強く感じました。

 

それを、キャプテンの西家選手にぶつけたところ...

「その通りですね。1人1人がいいところ悪いところを認め合って、お互いに話を聞きやすくなりました。私自身も、「自分が頑張らないと!」という思いが強すぎたのが、周りが助けてくれると感じられるようになり、プレーしやすくなりました」

 

間違いではありませんでした!では、何がきっかけになったのでしょうか。

監督や選手に話を聞くと、大きなきっかけは、去年のアジアパラでの悔しい敗戦です。リオまであと一歩のところでイランに敗れ、涙を流した姿。私は今も忘れていません。そこでチーム全体で、スイッチを切り替えて前を向かないと、という気運が高まったそうです。そして、合宿を重ねて迎えた、先月のポーランドでの大会で優勝!7点差をひっくり返したゲームもあり、自信が芽生え、「選手たちにストイックさが出てきた(真野嘉久監督)」そうです。

 

20150615_yamaken005.jpg5月中旬、ポーランドで行われたエルブロンクカップ2015。水色が日本代表。(提供:日本パラバレーボール協会)

 

20150615_yamaken006.jpgポーランド代表などを破り、優勝。「海外のチームに勝ちきることが大きな経験となる」とは、後列一番左が真野嘉久監督。最前列左から2番目が、キャプテンの西家道代選手。(提供:日本パラバレーボール協会)

 

一方で課題も。

 

真野監督「予測して次の動きができていないケースがある。瞬時の判断でも考えたプレーをしたい。試合形式の練習ではプレーを止めて、なぜその動きになったのかを一つ一つ確認していきたい」。お互いの息づかいを感じる中で繰り返し練習を積み重ねることで、判断力を磨いていこうとしています。

 

選手がプレーするとき、いつもと同じ距離に隣の選手がいても、不思議と遠く感じたり近く感じたりすると思います。ネットの向こうの相手に対して、自分たちの空間「6m×5mのコート」をどうやって作り上げていくか。これからのチームの成長が楽しみです。

 

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【動画あり】Road to Rio(競技編)シッティングバレー 2014年9・10月放送

Road to Rio vol.16 「練習環境が選手を育てる ~シッティングバレーボール~」

 

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