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【出演者インタビュー】荻上チキさん「たとえば"睡眠基本法"があってもいいのでは」

2014年11月13日(木)

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10月29日放送
シリーズ リハビリ・ケア新時代
反響編「子どもの睡眠 SOS」
ご出演の荻上チキさんにメッセージをいただきました。

 

《荻上チキさんプロフィール》

1981年生まれ。評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。著書に『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』など。

 

――第4回は視聴者からの反響が最も大きかった「子どもの睡眠の乱れ」について掘り下げて考えました。収録を終えてどのようなことを感じましたか。

睡眠障害の問題は、実は日常的にひとり一人が悩んでいるんだけれども、それが社会問題なんだという自覚がなくて、「自分がだらしないだけなんだ」と心の問題にしてしまう親御さんや子どもがすごく多いと思うんですよね。そこに光を当てて、「みんな同じように悩んでいたりするし、個人の気の持ちようではなくて、病気や環境の問題だったりするんだよ」と啓発できたのはよかったと思います。

 

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――番組では福井県の学校で行われている睡眠の学習「眠育」を紹介しましたが、そういったことも必要になってくるのでしょうか。

そうですね。日常的に社会で働く女性というのは、夜までパートをして、預けた子どもを迎えに行って、その後に料理をして子どもを寝かしつけて……などと、あれもこれもやらなければいけない状況が多い生活をしている場合も多く、そうすると子どもたちはどうしても睡眠がとりにくい環境にならざるを得ないわけです。

そういう事実もふまえて今回番組で「眠育」というのを紹介しましたけど、眠育にはいま食育がしようとしている誤りはしないでほしいと思うんです。つまり、朝食をしっかり与える親になろうというように「なりましょう路線」で行くと、そもそも環境的に難しい人もいたりするわけですから、重要なのはそういう人たちをどう支えていくのかということなんですね。この番組は「うちもそうかもしれない」と気づいてもらえるヒントになるし、同時に個人問題だけじゃないんだというふうに議論をし始めてもらうきっかけになると思うので、第一歩としていい機会になったと思います。

 

――ツイッターでも多くの意見が寄せられましたが、いかがでしたか。

みんな眠そうだなと思いました。「いや私は寝てるよ」という人は日本だとあまりいないですよね。日本は世界と比べても平均睡眠時間が少ない国なので、やはりもっと睡眠をとりやすい環境を整えるべきだと感じます。

たとえばこの国には睡眠基本法というのはありませんが、そういったものがあってもいいと思うんですよ。いま労働問題のなかで「インターバル規制を設けよう」という動きがあるんです。つまり、働き終わって次に出勤するまでに最低8時間は開けなければいけないということなんですが、睡眠問題においてもいかに良質な睡眠時間を確保させるのかというのは大事なので、1日の3分の1くらいは寝られるようにする社会づくりが必要になってくると思いますね。

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