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【出演者インタビュー】安藤桃子さん「今は"豊かな生き方"を考える分岐点を迎えているところなのかもしれない」

2015年12月28日(月)

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1月4日放送(1月11日再放送)
ブレイクスルー
File.46 自分の幸せは、自分で決める
―ニートのカリスマ phaさん―

にご出演された映画監督の安藤桃子さんにメッセージをいただきました。



――今回は“日本一有名なニート”のphaさんが主人公です。“普通”と言われる生き方に縛られず、仕事を辞め、自分なりの幸せを大事にしながら“ゆるく”生活するphaさんでしたが、スタジオでお話されてどのようなことを感じましたか。


人生の本質、真理に行き着くための“仙道”を発見、歩んでいる方という感じがしました。「なんのために生まれて、何をしてよろこぶ、わからないまま終わる、そんなのはいやだ!」とやなせたかしさんがおっしゃっていましたけど、それを突き詰めて考えていくと、「社会がそう言うから」なんてのはどうでもよくて、「自分はどう生きることが心の底から幸せなのか」、「何をしているときに一番の笑顔が出ているか」という自分の本質に気付く事が人生の本題だと思うんです。今回のphaさんの答えというのが、社会から強いられるものとは違っていただけなんじゃないでしょうか。
そして、彼の体験や発言に共感する人が世の中にたくさんいるということは、「こうしなきゃいけない」と自分で思い込んでいるだけで、実は手放しても大丈夫なことがたくさんあるという事に気付いてしまった人が沢山いるということでもありますよね。



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――収録の中で印象に残った言葉はありましたか。


phaさんと似た生活を送る大原扁理さんがVTRでおっしゃっていた「働かない生活をするためには、想像力が必要になる」という言葉がすごく印象的で、それは言い換えると「クリエイティブな生き方が必要」ということだと思うんです。例えば、今の社会が生まれるもっと前は、人は畑を耕して、猟をして、自分たちが食べていける分だけを用意して“豊か”に暮らしていました。そういう生活というのは、実は毎日がクリエイティブだったんですよね。いろんな知恵を使って暮らす必要があったから。でも、そこからお金というものが生まれて、“豊か”の意味が変わっていった。そして今、私たちは知恵を使って生きているかと考えると、お金を払えば何でも手に入れられるし、食べ物だって誰が作ったかわからないお弁当がコンビニでもどこでもすぐ手に入れられるようになって、自分の食べている料理の作り方さえわからない人もたくさんいるような状況。そこに私は大きな違和感を感じます。果たしてそれが“豊か”に暮らすことなの?と聞かれたら、正直そこに豊かさはないと思うんです。そもそも人は、心が満たれて笑顔が溢れるような生活を“豊か”と言っていたわけです。そこに立ち返って考えると、いろんなことを我慢しながら余裕のない暮らしをしていることの意味もなんだかわからなくなってきますよね。しかも、今は「保証」という言葉に信頼さえ置けない世の中になってきている。今はまさに本質的な豊かな生き方を考える分岐点を迎えているところなのかもしれないですね。


――安藤さんが高知に移住したきっかけも“豊かな生き方”を求めて、ということですか。

 

そうですね。きっかけは本当にシンプルなことで、高知県で映画の撮影をしたときに、感じたことのない幸せの連続で、心が動かされて、自分自身もそこに正直に行動しようと思ったんです。山があって、木々が生えていて、鳥がいて、風が吹いて、昆虫がいて……人間はその一部です。でも、東京に来るとよくわかるのが、ここで“自然”と言われるものは人間しか存在しないんですよ。街路樹は人工的に埋められたもので、弱っている。でも、その弱った街路樹が東京では仲間なんですよね。それがなんだか苦しくて。でも、そういう仲間が少ない都会だからこそ、シェアハウスとか、ゆるく暮らすギークハウスができたのは、自然なことなのかなと思いました。否定も肯定もない共存共栄のような関係。そういう仲間がいることは、とても幸せですよね。私にとってその仲間というのが自然そのものだったんです。 

 

コメント

安藤さんのコメントにいつも救われています。安藤さんはマイノリティのカテゴリに入る人々ともたくさん関わってらっしゃるようですね。とても視野が広くて、一般論とは違った視点から物事を考えることができる人という印象があります。
社会の押しつけではなく、自分の素直な気持ちが大事だと思います。
これからは「多様性の時代」ですから…。

投稿:ゼノ毛布 2016年01月06日(水曜日) 14時47分