――足が動かない事実を受け入れて、バスケに出会ったことで、花開いた千脇さん。障害のある・なしにかかわらず、自分と向き合い、それを受け入れるというのはすごく難しいことだと思いますが、どのように感じましたか。

やっぱり沈むところまで沈むとういのは人生の中で大事だと思うんですよね。中途半端に沈んで上にあがるとくすぶったままだけど、1度とことん沈んでみることも大事かなって思います。

――そうするとバネのように上に登ることができるかもしれない。

そうですね。でも、沈んだときには何か“支え”がないといけないと思います。それがないともう起き上がれなくなってしまうので……。印象的だったお話で、千脇さんはバスケットボールに出会えたことを「ラッキー」だと捉えていたんです。僕はその言葉はウソじゃないと思うんですよ。支えになる“何か”に出会えない人も世の中にはきっといるから、それを一概に「見つけなければいけない」と言うことの怖さはすごく感じるんです。千脇さんがバスケットボールに出会えたのはラッキーだったわけですから、その出会いのチャンスがたくさん散りばめられた社会であればいいなと思います。

――視聴者にはどんなブレイクスルーのきっかけにしてほしいですか。

ひとつのことを続ける力のすごさと、自分が続けられるほど夢中になれるものに出会うことの大切さを感じてほしいです。それを持っている人は多くないと思うんですよね。もし夢中になれるものがあるんだったらそれを離さないでほしいし、まだないと思ったら、絶対にあるから探してほしいなと思います。