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【出演者インタビュー】平岡成子さん「"火星人"たちの通訳をうまく使って」

2014年10月30日(木)

11月3日放送(11月10日再放送)
ブレイクスルー
File.17 胸を張って生きればいい ―発達障害と共に生きる家族―
にご出演された平岡禎之さん・成子さんご夫婦と、長女の愛さんにメッセージをいただきました。

《平岡家プロフィール》
6人家族の内、父親以外の5人に発達障害がある。彼らの独特の感性は、日本人と外国人以上の開きがあるために、自分たちのことを「火星人」と呼んでいる。

 

――スタジオはいかがでしたか?(※以下敬称略)

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(愛)かなり緊張しました。もう出番前まで手が震えて、カメラの前に入ったらしゃべっている自分が他人みたいな感覚で、何を言っているかわからないくらいでした。

(成子)私はそんなに緊張しなかったです。逆にもうちょっと緊張しなくちゃって自分に言い聞かせました。緊張しないと何を言うかわからないので(笑)。

 

 

 

 

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――今はすごく笑顔あふれるご家庭ですが、発達障害だとわかる前は大変だったそうですね。

(禎之)もう毎日トラブルでしたね。

(成子)そうですね。

(禎之)むしろみんなのほうが大変だったんじゃない?当事者同士はどうしてもトラブルを理解し難いというか。

(成子)やっぱり注意散漫なところがありますし、そこに刺激が加わるとますます注意散漫になるので、飼っていた犬を突然スクランブル交差点に放したような感じでした。それを追いかけるのってすごく大変じゃないですか。

(禎之)本当に収集がつかない感じだよね。

 

――4人いるお子さんたちの個性もみんなバラバラですもんね。

(成子)バラバラだし、共通の話題があったとしても、それぞれ言っていることが違うんですよ。だから毎日世界一周しているような感じでした。それぞれ違うカルチャーを持った国同士で話をしている感じなので(笑)。

(禎之)キャッチボールが上手じゃないというかね。質問をしたのに答えは聞かない、みたいな。自分の言いたいことだけを言ってね(笑)。

 

――なかなか言うことをわかってくれずに困ったときもあったのではないですか。

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(禎之)そうですね。そこはすごく難しいところがあって、一概にダメとは言えないんだけれども、善悪はきちんと教えておかないといけないし、すごくジレンマはありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

――発達障害だとわかっていても、そこは大変だった。

(成子)そう思います。だから当事者との間に入って通訳をする方がいるとすごくスムーズになると思います。やっぱり何でも0か100で考えてしまうんですよね。そんなに大きく捉えなくていいことも全部100で捉えてしまうので、生きるか死ぬかの2つしかなかったりするんです。どうしても話が極端になってしまうから、そこをうまく調整してくれる通訳になる方を入れると、スムーズに子どもたちの世界がわかるようになると思います。

 

――成子さんは通訳でいらっしゃるわけですもんね。

(成子)はい。でも、私たちも通訳ができるようになる前はサポートセンターの方が通訳として入ってくださったので、うまく生活できたんです。私たちはその姿を見て火星人の言語を習得したんですよ(笑)。

 

――いかに周りを巻き込んで、仲間を作っていくかというのも大切かもしれないですね。

(禎之)そうなんですよね。発達障害だと伝えることで理解者が増えるのも確かなんです。本当のことがわかれば偏見を持つこともないし、カバーをすれば少しずつ成長はしていくわけですからね。

 

――「カバーをする」という意味で言うと、平岡家で使っている“やることリスト”を書いたボードはその最たるものですね。

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(成子)そうですね。だから、たくさんオプションを付けて社会に出ていけばいいんですよ。例えばダイビングをするときに私たちはいろんな機材を付けていきますよね。そうすれば素晴らしい世界を見ることができるけど、多くの火星人はその機材を付けないで海に潜って死にそうになって、「2度とダイビングなんかしない!」というような感じになってしまうんです。それが原因で引きこもっている子も多いのかなって思います。だから、例えば火星人をサポートするチームがいてくれたりすればいいのかなって思いました。

それと、サポートするのも家族だけ、夫婦だけというのは難しいと思います。ある方に「介護に似ているね」と言われたことがあるんですよ。介護はつい家族だけでやってあげたいという気持ちになってしまうけど、そうすると専門的な知識もないわけですし、結局家族がつぶれてしまう。発達障害もそれと似ているので、やっぱりヘルパーさんを付けて一緒にやっていくことが大切かなって。お父さんもお母さんも息抜きをすることができないと、やっぱりキツイかなと思いますね。

 

(禎之)そして、できれば地域ぐるみでできたら親も学校もすごく助かるはずなので、みんながうまくできるんじゃないかなと思いますね。

 

コメント

妻がADHD。そして、17歳の長男が、ADHDと自閉症スペクトラムです。
成子さんの「ヘルパーさんを付けて一緒にやっていく・・・」の部分に、とても共感を覚えました。
島根では、そういったところがまだまだできていないように思います。
今夜の放送を楽しみにしています。

投稿:昌樹 2014年11月03日(月曜日) 09時12分