【出演者インタビュー】安藤桃子さん「苦しい気持ちを吐き出すことで自分自身も救われる」
2014年10月20日(月)
10月20日放送(10月27日再放送)
ブレイクスルー
File16 伝えたいことがあるから ―女優・サヘル・ローズ―
にご出演された映画監督の安藤桃子さんにメッセージをいただきました。
――第16回の主人公は、壮絶な過去を持ち、だからこそ“伝えたいことがある”と舞台に臨み、演技に打ち込む、女優のサヘル・ローズさんです。収録を終えてどのような感想を持ちましたか。
サヘルさんは紛争で家族全員を亡くして、瓦礫の中で生き延びたという、日本に住んでいたら想像もつかないような幼少期を過ごした後に、遠く離れたこの国にたどり着きました。私はそんな彼女がいま女優として活動されていること自体に、ものすごく意義があると思います。私は戦争を体験したことはないし、サヘルさんのような苦しい経験もしたことはないけれど、人間は想像力を持っているから、それぞれの人が自分自身に起きた小さな悲しみにちゃんと向き合うことできれば、どんな相手の気持ちにも共感できると思うんです。サヘルさんがおっしゃっていた「今は自分がなぜそこまで苦しい思いをしたのかという意味を見いだせるようになった」という言葉はそういうことだと私は感じて、だからこそ活動家ではなく女優という表現をする仕事を選んだのだと思います。もちろん当事者が等身大の姿で政治的に活動することもとても大切だと思いますが、表現を通して人が心を寄せあえることの大切さも改めて感じた収録でした。
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――サヘルさんのブレイクスルーのひとつとして、「苦しい気持ちは抱え込まないで、吐き出せばいい」ということがありましたが、どのように感じましたか。
とても大切なことだと思います。サヘルさんはそのあとに、「これからは自分の闇の部分とも向き合っていきたいし、向き合うべきだと感じている」ともおっしゃっていましたよね。吐き出すことの大切さってそこだと思うんです。自分の嫌なところを言葉にしたり具現化したりするのは怖いじゃないですか。苦しいと言った瞬間に苦しい事実を認めることになるわけですから。でもそれを言うことで、自分自身も救われるんです。溜まっていったらいつかは破裂してしまうから、その前に一言ホッと吐き出せたら、気持ちが軽くなって、鳥のように自由に空を飛ぶことができるかもしれない。でも、重い荷物を持っていたら飛ぶことはできません。だから、吐き出すことはとても大事だと思いました。
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