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【出演者インタビュー】徳丸ゆき子さん「多くの人に"お節介入"してほしいですね」

2014年04月01日(火)

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シリーズ 子どもクライシス
第1回「貧困・追いつめられる母子」
ご出演の徳丸ゆき子さんにメッセージをいただきました。

 

《徳丸ゆき子さんプロフィール》

大阪子どもの貧困アクショングループ代表。
長年 国際協力NGOなどで子ども支援に取り組む

 

 

 

 

――子どもの貧困問題について、どのように考えていますか。

支援する中で、貧困に悩む母親たちの「死にたい」という声ばかり聞いていますと、
この先子どもたちはどうなってしまうんだろうとか、
この社会のあり方ってどうなんだろうとか
、本当に危機感を持たずにはいられないですね。
そういうメールは毎日のように来ますから。

 

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――シングルマザーの貧困は、一部のシングルマザーだけの話では
ないのですか?

確かに、もうちょっと子どものことを思ってくれないかな、というお母さんもいますが、
そういう人ばかりではありません。
それに普通の家庭で育っていようが、
親から子への“貧困の負の連鎖”のあるご家庭に生まれようが、
もはや関係ないんですよ。
女性の問題として、お母さんが子どもを産むなどして、
一度社会からドロップアウトしてしまうと社会に戻ることが難しい、
普通に生活することが難しいという状況があるわけです。
私たちの調査ではシングルマザーは7割がDVで離婚しています。
さらに非正規雇用が半数以上で、
アルバイトやパートを掛け持ちしないと生活が成り立たないという生活の中で、
その状況を個人の責任だとする議論は、もはや成り立たないと思っています。

 

――生活が困窮する中で育つ子どもたちをどうサポートしていくことが
必要なのでしょうか。

やっぱりお母さんが忙しいと、
どうしても子どもはほったらかしになってしまいますし、
寂しい思いをしている現状がありますから、
月に1、2回でもいいので子どもたちがおもいっきり遊べる場、
自分を表現できる場を設けることが大切かと思います。
私たちも“居場所”をつくろうと活動していますが、
本当にいろんな話をしてくれる子がいるんですよ。
学校でのいじめの話とか、
お母さんには気を遣って言えなかったりするんですね。
そういう場を設けて子どもたちをサポートしていきたいので、
多くの人に協力していただけたらなというのが本音ですね。

 

――福祉団体やNPOだけではなく、一般の方も含めてですか?

私たちは“お節介入”と言っていますが、
例えばさみしそうにしている子がいたら、
近所の大人が「どうしたの?」と声をかけたりとか、
ご飯を食べさせてあげたりするだけで、
子どもたちはどれだけ救われるか。そう感じますね。

 

――子どもの貧困対策法が今年1月に施行されましたが、
どのように考えていますか。

貧困家庭の子どもの学習についてとか、
シングルマザーの就労や自立というところにフォーカスを合わせていますが、
その前の段階の「基本的な生活を安定させる」ことももっと考えて欲しいですね。
食べるものがないとか、安心して住むところがないとか、
子どもたちが本当に寂しい思いをしているとか、
そういったことに対するサポートというのは今のところ何もないんですよ。
それらが満たされない限り次の将来のことを考えにくいということは明白ですよね。

 

――何とかしないといけない状況にきているのでしょうか。

そうですね。じゃあ具体的にどうすればいいのかというのは、
簡単なものではなく、私たちも日々困っている方と対峙しながら進めていますけども、
その辺はもっと行政や民間でできることがあるというふうに思っております。
行政は「連携しよう」と言いますが、
「でも予算はないよ」ということでなかなか話は進まない状況です。
ですから、本気で動かしたいという覚悟があるのであれば、
しっかり予算付けをして、
そのなかで費用対効果などを見ていきながら考えていただきたいと思いますね。

 

 

◆シリーズ「子どもクライシス」放送予定
本放送:夜8時00分~8時29分
再放送:午後1時5分~1時34分

第1回  貧困・追いつめられる母子
本放送4月1日(月)、再放送4月7日(月)

第2回  失われゆく“居場所”
本放送4月2日(火)、再放送4月8日(火)

第3回  ある地域の挑戦
本放送4月3日(水)、再放送4月9日(水)

第4回  反響編
本放送4月30日(水)、再放送5月7日(水)

コメント

2015.9.28の東大阪市市民講座をお聞きしました。徳丸さんのひきこもりから貧困グループ シーパオを立ち上げ現在の活動を聞き、カルチャーショツクでした。シングルマザーの半分に一人が、相対的貧困である事、西成事件も起こりうる背景があること。若いお母さんが子育て、仕事にがんばって居られる様子にエールを贈りたいです。私の様な死の準備に入る年齢に来て、わたしが出来る事は何か、私でも、やれる事があればと思い巡らせている処です。一度関係者の方にお会いして、ごはん作りなら出来る時もあろうかと、相手の方々の相性もと、二の足を踏む次第です。良かったら連絡頂けますか。(^_^)/

投稿:木蓮(ゴロー) 2015年10月01日(木曜日) 14時05分