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【大会3日目】アルペン元オリンピック日本代表・皆川賢太郎さんに聞く。

2014年03月11日(火)

大会3日目の放送を終え、
解説いただいた皆川賢太郎さんにお話を伺いました。


20140310_minagawa001.jpg今回は見事メダルを獲得した森井大輝選手狩野亮選手鈴木猛史選手と中継を結び、お話をうかがいましたが、いかがでしたか。
あれだけメダリストが並んでいると、圧倒されますね(笑)。純粋にみなさんすごいなと思いました。日程的にはまだスピード系の競技だけしか終わっていないじゃないですか。この後に行われる技術系の競技でも表彰台を狙える選手がたくさんいるので、メダルが何個になるのかすごく楽しみです。


 




日本人選手の技術の高さは感じましたか?
そうですね。ソチは雪質が粗めなので、細かいバンク(雪の傾斜)が結構あると思うんですよ。それを視覚でとらえて合わせる技術だったり、ターンをしてからスキーを一気に雪面にタッチさせるスピード感というのが、日本の選手は素晴らしかったです。
僕らは2本足なのでまだバランスを取りやすいですが、チェアスキーの場合だと1本のスキー板で遠心力 に対してそれをため込んでいくターンになってしまうので、雪面の荒れ具合を見ながら滑らないとあのようなライン取りはできないんですよ。本当に日本の選手たちは技術が高いと思いました。
 

雪面の状況を見て、それに合わせて滑る技術が
とても高いということでしょうか?

あとはインスペクション(大会前に行うコースの下見)の段階で自分がどのラインを通るかイメージをして、それと照らし合わせながら滑る技術も非常に高いと思いますね。
 

それはある意味で「頭脳戦」と言える部分もあるのでしょうか。
そうだと思います。
何度もシミュレートしないとあのラインは通れませんからね。
 

狩野選手の強さの秘訣はどのようなところだと思いましたか?
狩野選手はスキー板の滑走面を使う技術が他の選手より圧倒的に優れていると思いますね。スキーというのは滑走面が雪面についているときが一番速いんです。多くの人はどうしてもスキー板の角を立てながら滑るんですよ。子どもたちに「滑走面を多く使って滑るように」と言ってもなかなかできないですし、技術の高さがうかがえますね。


そういう技術は参考になりますか?
もちろんです。
健常者の場合はブーツをはいているので、自分の意志と神経が雪面に近い所にありますよね。でも、チェアスキーは体と雪面の間に機械の部分もあるので、体だけではなく常に頭を使って、「どうすれば早くなるのか」というのを考えながら滑らなくてはいけない。その動きは参考になります。
障害のある方たちは我々にはない能力を持っていたり、卓越した技術があると思うので、勉強になりますね。


20140310_minagawa002.JPG
左から、與芝由三栄アナ、クロスカントリー元オリンピック日本代表・夏見円さん、
アルペン元オリンピック日本代表・皆川賢太郎さん


ソチパラリンピックはまだまだ前半戦です。
それで金・銀・銅メダルを獲得ですからね。すごいなあ。
 

後半戦も楽しみな競技が続きますね。
そうですね。立位種目だとドイツやオーストラリアが強いですけど、日本の選手も非常に高い技術を持っているので、期待したいです。
 

最後に、パラリンピックのアルペンスキーの面白さを教えてください。
スキー競技の「傾き」というのは、体が自由に動く人ならバランスを取りやすいですけど、そうじゃなかったら本当に難しいと思うんです。そういうバランス感覚や、雪面をレーダーのように見て状況判断する姿は、アスリートそのものですし、完全にひとつのスポーツなんですね。
昔のパラリンピックは選手たちの技術にすごく開きがありましたが、今は均衡してきている。そのなかで日本は他の国をリードしているわけですから、世界最高峰の選手たちだと思います。
そういう彼らの姿を見て欲しいですね。

 

◆シリーズ ソチパラリンピック
ダイジェスト番組
大会期間中、競技の結果を毎日、30分のダイジェスト番組でお伝えします。


過去放送
(1)目指せ!“ぶっちぎりの速さ” ―アルペンスキー 狩野亮―
(2)攻めてつかめ!まだ見ぬ“金” ―アルペンスキー 鈴木猛史―
(3)究極の走りへ!最強ロシアに挑む ―ノルディックスキー 久保恒造―
(4)ただひたむきに 前へ ―ノルディックスキー 出来島桃子―

 

 

 

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