僕が見るパラリンピック2~為末大さん
2014年02月21日(金)
- 投稿者:出演者
- カテゴリ:ソチ パラリンピック 2014
- コメント(0)
パラリンピックはその多くの競技で道具が使われます。
道具の進化も近年は著しいそうですが、
その進化した道具を使いこなす事もまた勝負の要素の一つになります。
チェアスキーの森井大輝選手が
“スキーのサスペンションは僕らの膝だ”とおっしゃっていました。
元々は健常者だった森井選手がおっしゃる言葉ですから、
本当に膝のような感覚で使いこなしているんだな
というのが伝わってきました。
ロボット研究者で株式会社サイバニクス代表の
山海嘉之教授に話を聞く機会がありました。
サイボーグの話になった時、とても面白い事をおっしゃっていました。
“スキーのストックの先で、物を触って
それで物の形がわかったりするのであれば、
それはある意味で人体の延長と捉えられなくもないのです”
人間の骨に人工のチタンを埋め込むという手術を
時々骨折したアスリートがやりますが、
この場合の骨は自分のものなのでしょうか。
感覚のない手先で物を触る事と、
手で箸を握って物を触る事はどの程度違いがあるのでしょうか?
この問いを突き詰めていくと
どこまでが自分の範囲なのかという問いに行き当たります。
山海先生の話では、
実際に人間の脳が認識するボディマップ(自分の身体を認識する能力)
というものがあるのですが、
それが例えば義足を履いている状態に適応した場合、
義足の分も含めたボディマップが出来上がるそうです。
同じような事が森井選手とチェアスキーの関係でも
成り立っている可能性もあります。
大げさに言えばチェアスキーは
拡張された身体という言い方もできるわけです。
パラリンピアンたちが道具を使いこなそうとする努力の過程で
得られた能力を考えると、
人間とモノ、自分の範囲という事に
とても大きな示唆を与えてくれているように思えてなりません。
さて本番のソチパラリンピックでは一体彼らが、
自分たちで作り上げた道具をどんな風に使いこなしていくのかにも
注目したいと思います。
◆シリーズ ソチパラリンピック
ソチパラリンピック まもなく開幕! 世界に挑むアスリートたち
【本放送】2014年3月1日(土) [総合] 午後4時05分~4時49分
【再放送】2014年3月7日(金) [Eテレ] 午後8時00分~8時44分
ソチパラリンピック ~開会式~
2014年3月8日(土) [総合] 午前1時00分~ ※7日(金)深夜
冬のパラリンピックでは初めて、
開会式すべてを地上波で生中継します。
ダイジェスト番組
大会期間中、競技の結果を毎日、30分のダイジェスト番組でお伝えします。
過去放送
(1)目指せ!“ぶっちぎりの速さ” ―アルペンスキー 狩野亮―
(2)攻めてつかめ!まだ見ぬ“金” ―アルペンスキー 鈴木猛史―
(3)究極の走りへ!最強ロシアに挑む ―ノルディックスキー 久保恒造―
(4)ただひたむきに 前へ ―ノルディックスキー 出来島桃子―
コメント
※コメントはありません