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【収録記】ハート展 ~ココロがココロを潤して~

2015年09月11日(金)

ハートネットTV、WEBライターIです。
20回目を迎えたNHKハート展。
9月22日(火)、23日(水)の放送では、過去の入選作品を交えながら、ハート展を振り返ります。

1日目にご紹介するのは、吉元耕平さん。
2007年第12回ハート展に入選して以来、今年で5回(!)、入選しています。
初の入選作は、「生きること」。そして次は、「生きていくよ」。
吉元さんの大好きな友人の死を経験したことがきっかけでつくられた詩です。

 

「写真の顔、変わってなかった」
「ぼくは去年より背が伸びた」
「ぼくは元気に生きていくよ」

 

“死”を間近で見つめたことで、“生きる”ことがより輝きだしたように思いました。


畑で作物を育てる吉元さんは、畑に居る時の気持ちを、番組に詩のような手紙で教えてくれました。


「楽しい所です。」
「カラスと虫が、蛙がトンボが、楽しそうに遊びに来ます。」

ブロッコリーに、「元気に育ってよかったね。嬉しくなって絵に描いた。」


生き物と一緒に生きている実感、楽しさが伝わってきます。
愛情が溢れています。“命”を感じます。
「生きる」って、シンプルで素敵なことだ、と感じます。

そして、今回の入選作品は、「いろんな形」。
吉元さんが見つめているものは“生きていない”のに、弾むような元気さがにじむのは、
それを見ている吉元さんが、心豊かに生きているから。そんな風に感じました。

 


2日目のテーマは、「ハート展×わたし」。
過去の入選者は今、どんな日常を送っているのでしょうか。

ハート展で入選した経験が自信になり、「自立」へ踏み出す第1回の入選者、三上さん。
当時の入選作品「兄貴」は、お兄さんの愛情の深さ、それに対する三上さんの感謝、
そしてそれに甘える自分への葛藤が熱く表現されていて、涙が出ます。
「あの頃は兄貴だけが頼りだったけど…」と話す三上さん。
現在は、社会に出て働くことで得た仲間や友人に囲まれて、日々を過ごしています。

過ぎた年月の分、みんな年齢を重ね、それぞれの物語が紡がれています。
夢が「ついえた」り、病気と闘ったり…色々なことを乗り越えながら一歩一歩進み、
そしてまだまだ続く物語。色々なことはあるけれど、「ハート展」で自分の心を人前で表現した経験は、作者それぞれ方の人生に温かく、そして“誇らしい灯”として残っているのかな、と感じました。

私はハート展作品を知る前は、「詩」に触れる機会が少なかったのですが、たくさんの作品に触れ、詩は“言葉”の放つパワー、輝きのかたまりのようだと思うようになりました。人の心は色々混ざって複雑だけれど、この「詩」は作者の心の“純”な部分に触れられる、と思います。

いつしか感じている私の心も洗われていて、心の栄養補給に。
その詩に、愛情たっぷりに寄り添うアート作品で、より温かさが増す“ハート”。
作る人も見る人も、その人の一番優しくピュアなところに触れられる。
それがハート展の魅力、と思います。

 


◆放送予定
 本放送:夜8時00分~8時29分
 再放送:翌週午後1時5分~1時34分

  9月22日(火) ハートネットTV「“命”見つめて ~NHKハート展~」
  9月23日(水) ハートネットTV「ハート展とわたし ―NHKハート展20年―(仮)」

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