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【収録記】NHK障害福祉賞~「100点じゃなくていい」"自分らしく"で人生のよろこびを!

2014年12月04日(木)

ハートネットTV、WEBライターです。
障害者や障害者を支える人が書いた体験手記に送られる「NHK障害福祉賞」。その受賞者をご紹介するシリーズの収録に行ってきました。
番組で取り上げる体験手記は・・・
◆「我が人生 気力に託す ―千葉・滝口仲秋さん―」12月10日(水)放送
◆「高次脳機能障害と共に生きる ―東京・貝野光男さん―」12月11日(木)放送
の2作品です。

1日目にご紹介する滝口仲秋さんは、「一流の教育者を目指していた」という小学校教師の
頃の情熱そのままに、“地元の障害者のために自分ができること”を熱心に考え、様々な活動に取り組みます。そのひとつが“町のバリアを取り除きたい”。
そして、実際に町が変わっていきます…!
20141210_001.JPGのサムネイル画像
「ぼくにもできること、ぼくだからできること」。どのように気力を取り戻したのでしょうか?

 

企業や行政の“サービス”をただ受けるのではなく、住民の“取り組み”でより住みよい町に変化していくというのは、私自身の“住民としての在り方”を考えさせられました。

再び教壇に立った滝口さんの、子どもたちへのメッセージは説得力に溢れています。

一度は病でふさぎ込んだ滝口さん。
どうやって気力を取り戻したのでしょうか…?続きはぜひ放送で!

 

2日目にご紹介するのは、伝説の講談師・悟道軒圓玉こと貝野光男さん。
貝野さんは、交通事故による高次脳機能障害があり、買い物や食事の支度などがうまくいかず、日常生活に苦労されています。

私の叔父も同じ障害があり、視野が欠けているなど似た症状があるので、その大変さを少しは想像出来るのですが・・・不思議なことに、貝野さんのお話や取材のVTRから伝わってくるのは、病気のつらさよりも、講談の面白さや、講談に夢中になる貝野さんの魅力でした。

講談とは、歴史上の物語を、1人で何役もこなしながら語るものです。
私は今回初めて知りましたが、貝野さんが、かつて大先輩の芸を見て、「化粧も衣装もなく、口ひとつで全て表現している・・・」「こんなすごい世界があったのか!」と魅了されたとおっしゃっていて、私も聞いてみたいと思っていたところ・・・「圓玉さん」が講談を披露してくれました!


講談をされている時の貝野さんの表情は、日常生活の時とは別人のように生き生きと輝き、病による不安や迷いどころか、オーラさえ放っています。

病気で一度は300近い演目を全て忘れてしまった貝野さん。一生を講談に捧げる覚悟をしていた人の、その失意は如何ほどか…。しかし、過去に録音したテープを使って1分ずつ覚え直します。なんという芸に対する熱意でしょう!その苦労は並大抵ではないはずですが、それほどまでに講談を愛しているのはどこか羨ましくも感じました。
しかし、そこに辿り着くまでに、繰り返す絶望と様々な出会いがあったのです…!

貝野さんは、「講談をやる時は別の世界に解放される」「高座から降りた途端、楽屋で迷子になるなど、現実が押し寄せてくる」と言っていました。「でも、高座ができればいいや」とも。
好きなものや憧れは、生きる希望そのものなのだ!と実感しました。
好きなものがあって、それに精一杯打ち込むというよろこびは、“人間の特権”なのでしょうか・・・私も自分らしく頑張ろう、と前向きな気持ちにさせてもらいました。



お二人の、“傷”を負いながらもよろこびある前向きな人生。
ぜひご覧ください!


◆障害福祉賞
(1)我が人生、気力に託す ―千葉・滝口仲秋さん― 
 2014年12/10(水) 再放送12/17(水)

(2)高次脳機能障害と共に生きる ―東京・貝野光男さん―  
  2014年12/11(木) 再放送12/18(木)

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