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【第4回】手話は言語

2013年12月19日(木)

12月16日、北海道石狩市で「手話基本条例」が成立しました。
手話を言語として認め、手話を広め、聞こえない人と聞こえる人が理解しあえる社会をめざすものです。
こうした条例は、鳥取県についで2番目、市町村では初めてです。
この動きの原動力になっているのが、障害者権利条約です。

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「鳥取県から いわば手話革命が始まるんだと思います」と語っていた、平井伸治知事。


障害者権利条約では、第二条 定義 という条文のなかに、以下の記述があります。
「言語」とは、音声言語及び手話その他の形態の非音声言語をいう

手話は言語である、とはっきり規定されたのです。
手話だけではなく、盲ろうの人たちが使う指点字、なども言語である、という認識です。


手話を言語と認めてほしい、というのは多くのろうの人たちにとっての悲願でした。
今年10月に全国に先駆けて鳥取県で「手話言語条例」が成立したとき、県議会の傍聴席にかけつけた人たちの喜びの表情がそれを物語っていました。

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ろう学校でも手話は教えられていなかった、というのはあまり知られていないことかもしれません。
聞こえないのに声を出すことを求められ、つらい思いをした人もいました。
大学で手話サークルにはいってから、自由に手話で話ができることがどれだけ気持ちよいことか知った、という20代の若者の話を聞くと、聞こえる世界に住んでいる人にとって想像すらできなかったことだと気づかされます。

石狩市の田岡克介市長は、手話通訳のことをボランティアと思っている人が多いが英語の通訳と同じはずだ、という趣旨の発言をされていました。
言語であると考えれば、当然福祉的な対応ではなく、コミュニケーション手段の一つとして考えることになるわけです。


聴覚障害当事者の団体などでは、「情報・コミュニケーション法」制定に向けて活動を始めています。
ろうの人たちにとっての手話だけではなく、難聴のひとの要約筆記だったり、視覚障害の点字知的障害のひとにとってわかりやすい表現だったり・・・
情報アクセスやコミュニケーションの権利について保障するために、様々な手段、措置をとる必要があります。

障害者権利条約には第21条“表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会”という条文があり、その実現を求めているものです。
情報へのアクセスや表現・意見の自由は社会参加の基本であり、“他の者との平等を基礎とする”条約の精神を実現するためにも重要なポイントです。

 

▼障害者権利条約についてのブログ
【第1回】障害者権利条約が批准されます!
【第2回】障害者権利条約ってなに?
【第3回】合理的配慮
【第4回】手話は言語
【第5回】地域で暮らす
【第6回】教育と雇用
【第7回】自分で決める
【最終回】これからのこと
※「障害者差別解消法」「障害者虐待防止法」
 「障害者総合支援法」についての情報

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