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【第2回】障害者権利条約ってなに?

2013年12月09日(月)

障害者権利条約には、障害の定義がありません。
なぜでしょうか?

実は、前文に「障害が発展する概念であることを認め」とあります。
つまり、障害というのは、かわりうる、ということです。
機能障害がある人と、環境による障壁・まわりの人たちの態度、との間の“相互作用”こそが問題だとしているのです。

たとえば、私はコンタクトレンズを使っています。
もし、めがねもコンタクトレンズもない時代、たとえば狩猟時代に生きていたとしたら、遠くの獲物や木の実を見つけられず、生活に困難をかかえる障害者であったでしょう。


聞こえない人たちは、音声を使う今の社会では生きづらさを感じますが、音を使わず手話でコミュニケーションをとるコミュニティがあったとしたら何も障害はないのです。
様々な機器、環境、ひとびとの理解・・・といったことで、障害というのは変わりうる、“発展する概念”なのです。

このように条約では、障害を、その当事者個人の心身の問題とする「医学モデル」ではなく、社会との関係で考える「社会モデル」としてとらえている点が、重要なポイントです。

そして、おそらく、それぞれの障害が個別でごく少数であるがゆえに困難をかかえている“障害者”とよばれる人たちが、「他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加する」ためにどうしたらよいかを決めたのが、この条約なのです。


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12(木)の「福マガ」でも、今年1年の福祉トピックスの振り返りのひとつに
”障害者権利条約”の話にもふれます。



繰り返しますが、
障害者に特別な権利を主張しているのではなく、「他の者との平等」を言っているだけなのです。

では、具体的にどうしていったらよいのか。
そこで登場するのが、「合理的配慮」という考えです。
次回のブログは「合理的配慮」について考えることにします。



▼障害者権利条約についてのブログ
【第1回】障害者権利条約が批准されます!
【第2回】障害者権利条約ってなに?
【第3回】合理的配慮
【第4回】手話は言語
【第5回】地域で暮らす
【第6回】教育と雇用
【第7回】自分で決める
【最終回】これからのこと
※「障害者差別解消法」「障害者虐待防止法」
 「障害者総合支援法」についての情報

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