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【出演者感想】川島 聡さん「実際に障害のある人が何を望んでいるかという、そこが出発点」

2013年09月13日(金)

9月9日放送(9月16日再放送)
幸せバリアフリー ―障害者差別解消法 施行へ―
第1回 まちづくり
にご出演の川島 聡さんに感想を聞きました。


20130909_kawashima1.jpg―― 3年後に障害者差別解消法が施行されますが、それに先駆けて、すでに独自の条例を制定し、差別解消に取り組んでいる北海道の例などを見ていきました。どのような感想を持ちましたか?

障害者差別解消法の目的は、障害のある人も、ない人も、共に生きていく“共生社会の実現”ということなんですが、じゃあそれをどうやって実現するのかというと、なかなか具体的にはわからない。でも、番組で紹介した北海道の例などを見ることで、例えばこういうことかっていう具体的な実現に向けた取り組みがわかって、非常に良かったのではないかと思いました。差別の問題が実際に発生した場合に、それを解決する道はいろいろとありえますが、やはり基本的に重要となるのは対話とコミュニケーションです。差別の背景にある誤解や偏見等を取り除くために行政が間に入って当事者同士が話し合うということの意義が再認識できました。

 

――施行される3年後に向けて、
これからガイドラインをつくっていくわけですが、
どういう目線でそれをつくっていく必要性があると感じましたか?


やはり実際に障害のある人がどのような社会的障壁に直面しているのか、
どのような配慮を望んでいるのかという、そこが出発点になると思います。
そのうえで、配慮をおこなう側の立場もしっかりと考慮に入れて、
どのような配慮ができるか、どのような場合に過重な負担となるのかを
考えていく必要があると思います。
ですので、まずは障害のある人が積極的にガイドラインづくりに
参画することが大きな課題だと思います。

 

――今日は、健常者が障害者のことをよく知らないがゆえに、
差別が生まれるという話もあり、だから教育から始めなければならない、
ということをおっしゃっていましたね。


そうですね。まさしく差別の原因とは
無知・無理解・偏見からくるものだと思います。
それらをなくすためには、障害のない人が子どものときから地域社会において
障害のある子どもや大人と普通に一緒に生活をおくれる
環境をつくっていくことが大切です。
そういう環境をつくっていくことで、障害のない子どもは大人になってから
障害のある人への配慮を行いやすくなるでしょうし、
差別や偏見も減っていくのではないでしょうか。

 

《川島 聡さんプロフィール》
東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。
「障害者差別解消法」法案作成にむけた提言をおこなった、
内閣府・障害者政策委員会差別禁止部会の構成員。

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