茨木尚子さんからのメッセージ 『徹底検証・障害者総合支援法』
2013年04月03日(水)
- 投稿者:番組ディレクター
- カテゴリ:マイスタイル マイライフ 障害とともに
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4/4放送
「徹底検証・障害者総合支援法」
にご出演の茨木尚子さんに皆さんへのメッセージを聞きました。
《茨木尚子さんプロフィール》
明治学院大学教授。
障害者福祉と社会福祉組織の運営管理研究を専門としている。
新たな障害者福祉の法律制定にむけて国の検討会議に携わった。
Q. 4月1日に「障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律」(通称「障害者総合支援法」)が施行されました。
改めて、今回の番組の収録の感想、聞かせてください。
新しい法律によってこれからどんな風になっていくのかということが、
取材によってきちんと考察されていたので、とても良かったと思います。
ただ一方、今回の法律の変更があっても、
結局必要な支援につながらない人がいることもあると思っているので、
みなさんには新しい法律の今後の行方を、しっかりと見守って欲しいです。
Q.今回改正された法律の中味は、
これからみんなで検証していくということですね。
そうですね。ただ本当は、今回のような番組が、
法律ができる前にあったらもっと良かったなという気持ちです。
障害のある人たちが、これまでの制度のどんな点を改正すべきとし、
何を訴えてきたかということを、もっと法律ができる前に、
広く世間の人たちに知って欲しかったです。
そして、私たちも十分伝えきれていなかったために結果として、
中途半端な法律になってしまった部分もあるような気がしています。
もちろん、今回、難病患者等が新たに障害福祉サービスの対象となったことは
大変大きな進歩だとは思っています。
でも、その一方でまだ支援から外れている人たちが
たくさんいらっしゃるわけです。
支援を受けられる人とそうでない人の“谷間”ができないよう、
今回の法律をきっかけにもっと考えていきたいです。
Q.視聴者の方たちにメッセージをお願いします。
もちろん当事者やそのご家族の方たちにきちんと伝えることは大事ですが、
「自分とは関係ない」と思っている方にも今回の放送を見て、
障害者福祉の今後について考えてみていただけたら何よりです。
さきほどの“谷間”の話にも通じますが、
結局、障害者と健常者という2領域があって明確に線が引かれるというよりも、
そこは連続線上にあるものだと考えています。
難病の人等もその“谷間”とされてきた人たちだと思います。
そしてこの谷間にいる方たちが実際に長く苦しんでいます。
だからこそ、今回そういう人たちが
障害者福祉の中で語られるようになったことは大きいと思いますし、
これをきっかけに、もっと社会全体で障害者問題を
「自分の身に引き寄せて考える」ということを
していけたら良いのかなと思っています。
『徹底検証・障害者総合支援法』
2013年4月4日(木) 20時00分から20時29分 Eテレ
[再放送] 4月11日(木) 13時10分から13時39分 Eテレ
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