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上野秀樹さんからのメッセージ 『シリーズ認知症 "わたし"から始まる』

2013年03月20日(水)

3/20、3/21放送の
シリーズ認知症 “わたし”から始まる
第1回 ~日本 脱病院の模索~
第2回 ~オランダ 住み慣れた我が家で~

にご出演の上野秀樹さんに収録の感想を聞きました。

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《上野秀樹プロフィール》
精神科医。海上寮療養所副院長。
認知症の人の訪問診療を行っている。
国が目指している「在宅中心」の体制作りに取り組み、注目を集める。

ダンカンさんからのメッセージ 『シリーズ認知症 "わたし"から始まる』

2013年03月20日(水)

3/20、3/21放送(3/27、3/28再放送)の
シリーズ認知症 “わたし”から始まる
第1回 ~日本 脱病院の模索~
第2回 ~オランダ 住み慣れた我が家で~

にご出演のダンカンさんに収録の感想を聞きました。

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《ダンカンさんプロフィール》
タレント。
認知症の介護をテーマにした小説「パブロフの人」を発表。
その取材で介護実習行い、合わせてヘルパーの資格を取得、
認知症に対する理解も深い。

放送直前!スタジオの裏側をご紹介します

2013年03月19日(火)

認知症シリーズを担当するディレクターMです。

キャスターの山田さんからもブログの投稿がありましたが、
いよいよ明日から2日間にわたって、
認知症に関する新しいシリーズが放送されます。
OAまであと24時間ですが、
私たちスタッフは今も制作に追われています・・・

今回の番組を放送するまで3か月間、
様々な方にお会いし、話を伺ってきました。
認知症の本人、家族、医療者、介護職の方々とお話をすればするほど
今認知症の人を取り巻く環境は複雑で、
考えさせられることばかりでした。
ですが、その一方で大きな変革のきざしが
全国各地で起こり始めていると実感することもあります。

私たちとしては、今回の番組が
「どうすれば認知症の人が住み慣れた地域で暮らしていけるのか」を考える
ひとつのきっかけになってほしいと考えました。
そこで、工夫したのはスタジオです。

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最初に私が書いたスタジオのイメージ図(汚くてすみません・・・)
実際の出来上がりは放送の楽しみに!

 

10年前と変わっていない現実

2013年03月18日(月)

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「レビー小体型認知症」の家族会会報誌『ゆるりん通信』
家族会の会報には同じ悩みを抱える当事者同士だからこそ語れる思いが溢れています

 

『認知症の人が置かれている状況は、10年前と何も変わっていません』

先日、ある認知症の家族会の取材をしたとき、
メンバーの女性はこう話を切り出しました。
その方は10年前、父親が「レビ―小体型認知症」と診断され、
4年間介護してきた経験があります。

「レビー小体型認知症」という言葉が
耳慣れない方もいるかと思います。
実は「認知症」とひとくくりに言っても、
その背景にはさまざまな原因疾患があります。
それぞれで症状や薬の処方、関わり方なども異なります。
レビ―小体型の場合、
他の人には見えないものが見えたり、
身体がこわばったりする症状があります。
その人数はアルツハイマー病に次いで2番目であり、
実は身近な認知症のひとつです。
しかし、医師の間でもよく知られていないため
誤診や不適切な薬の処方が相次いでいます。

話をうかがった女性の父親も、
当初は別の認知症だと誤診を受けました。
「何かが違う」と疑いつつも、介護を続けた女性。
結局、別の病院を受診して正しい診断名に
たどりつくまで、2年かかりました。
違和感を覚えながらの2年間が
いかに苦しかったか。やるせなかったか。
私は黙って聞くことしかできませんでした。

「もう二度と私たち家族と同じような苦しみを
抱えて欲しくない」と女性は家族会を立ち上げ、
活動を続けています。
それでも『10年前と変わっていない』のです。
今も厳しい現実があります。

最後にお願いされたこと。
それは「現実味のある取り組みを伝えてほしい」ということでした。
認知症の人にとって厳しい地域がある一方で、
地域をあげて彼らと共に歩んでいこうとする町もあります。
その取り組みを伝えることで、
「私たちの町もこれだったらできるかもしれない」と
感じてもらえたら、少しずつ変わっていくのではないかー
そんな期待を番組に込めてくれました。

厳しい現実を変えていくための“小さな変革の息吹”を
テレビでどう伝えることができるのか。
これから考えていこうと思っています。

認知症の人が置かれている"今"を教えてください

2013年03月18日(月)

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精神科病院に入院する認知症高齢者の中には、スタッフ以外誰にも話しかけられずじっと過ごす方もいらっしゃいました。

ハートネットTVでは、来年3月以降
認知症に関する番組をシリーズで放送する予定です。
今回は、シリーズを立ち上げるにいたったきっかけを
お伝えしたいと思います。

私たちの番組ではこれまでも認知症に関する様々な動きを
伝えてきました。先進的な取り組みを紹介し、
どうすれば認知症の人が安心して暮らせる地域ができるのか
長年に渡って問い続けてきました。

そんななか、私は去年ある精神科病院を取材で訪れました。
人里離れた山奥にある、その病院で出会ったのは、
ベッドに拘束された認知症の高齢者の姿でした。
両手は、自傷の恐れがあるからと袋状の布で覆われ、
顔は青白く、生気が抜けきっていました。
その方は家族が自宅で介護を続けていたものの、
いつからか激しい言動が目立つようになったそうです。
介護サービスを使ってはみたものの、家族を支えきることができず入院。
すでに2年以上経つといいます。
くぼんだほお骨の奥にある目はまばたきひとつせず、
天井のどこか一点をじっと見つめ続けていました。

とにかくショックでした。
これまで紹介してきた先進的な地域がある一方で、
今も横たわる厳しい現実。

認知症の人や家族の間に一体何が起きているのか、
もう一度見つめ直すべきなのではないかー
こうした経験から、今回のシリーズが立ち上がりました。

私たちの番組の拠り所。
それは認知症のご本人や家族のみなさんの思いです。
どんな思いを抱いて暮らしているのか。
どんなことに喜び、悲しんでいるのか。
そして、どのような支援やサポートがあれば、その人らしく暮らしていけるのか。
体験に基づいた現場の声を聞かせていただくことで、
認知症の人が置かれている環境を多面的に見つめ、
これからのシリーズにつなげていきたいと考えています。