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【出演者感想】堀田聰子さん「私たちのケア、私たちのまちづくり」

2013年07月02日(火)

 7月2日放送(7月9日再放送)
シリーズ認知症 “わたし”から始まる
第2回 在宅を支えるケア ―オランダからの報告―
にご出演の堀田聰子さんに収録の感想を聞きました。

 

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――収録の感想を教えていただけますか。

日本もオランダも、誰もが暮らしやすいまちづくりに向けて工夫していける余地がたくさんあり、現場はどんどん進化しています。地域のなかで、あるいは地域を超えて、共有して高めていけるとよいと思いました。




 

 

 

 

 

 

――工夫していける余地とは、たとえばどのようなことですか。

認知症の人と介護者、専門職が一緒に、
今あるサービスは「私たちが使いたいサービスなのか」、
「私たちが実現したいケアの形なのか」
常に語り合っていくこと、立ち返ることで、
よりよい支え合いが生まれてきています。

オランダのアルツハイマーカフェや認知症の人と
介護者をセットでサポートする「ミーティングセンタープログラム」も
そうやって開発されたものですし、
日本でも制度の枠組みにあてはめるのではなく、
当事者の声に根ざした工夫やサービスが、支持を集めたり、
効果をあげて制度化されたりしてきたのです。

 

――オランダの認知症ケアはあくまでも「本人中心」という印象がありました。

ご本人がお持ちの力、ご家族や地域の方々等との関係性の力を信じることが
基本にあると感じます。
専門職は、ご本人の生活の質を高めるために、
ご本人と、暮らしの場である地域全体に働きかけるわけです。

診断も、ご本人が病院に出かけるのではなく、
専門職がご自宅に出向き、ご本人への医療的・社会的ケアと
介護者へのサポートの計画を立てるために行うことが
望ましいとの位置づけです。

早くからさまざまな専門職がご本人やご家族にかかわり、
信頼関係を築くことにより、ご本人の意思に基づく
先を見越した支援につながると考えられています。

 

――今回の番組は、どういう方に見て欲しいと思いますか。

すべての人が当事者ですから、特にどなたにということはありません。
それぞれの立場で「送りたい暮らしが実現できているか」を
改めて問い直すきっかけになればよいのかもしれません。
もしなにかずれがある場合、声をあげればきっと仲間がいるはずです。
振り返りと対話が「私たちのまちづくり」につながることを期待しています。

 

《堀田聰子さんプロフィール》
独立行政法人労働政策研究・研修機構研究員
ケア人材政策、オランダの認知症政策に詳しい。

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