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前田隆行さんからのメッセージ 『シリーズ認知症 "わたし"から始まる』

2013年03月21日(木)

3/21放送の
シリーズ認知症 “わたし”から始まる
第2回 ~オランダ 住み慣れた我が家で~

にご出演の前田隆行さんに収録の感想を聞きました。

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《前田隆行さんプロフィール》
「NPO 町田市つながりの開」理事長。
町田市内でデイサービス「DAYS BLG!」を運営。
本人の思いを最優先した活動を行っている。

 

Q.収録の感想を聞かせて下さい。

元々精神科の病院に務めていたということもあり、
認知症のケアは、まだここまでなのかと感じる部分と、
ここまで進んできたかという両面を感じました。

たとえば拘束されてしまうとか、そういうことはまだまだあると思います。

しかしその一方で認知症の当事者たちが自ら
「僕たちは今こう思っているんだ。だから社会はこうあって欲しい」
と声を上げ始めるようになってきたこともまた事実です。
昔は認知症というと、一貫して本人も家族も、
“隠そう”“知られたくない”という風潮でしたからね。
これは大きな変化だと思います。

 

Q.認知症政策が進んでいるオランダも、
まず当事者が声を上げたことから仕組みができ上がったというお話でした。


昔は、日本では、たとえば寝たきりの人のおむつを
どれくらいのスピードでできましたとか、
とかく効率優先でした。本人の気持ちといったことを聞かずに。

けれども、本人たちが声を上げてくれたことによって、
それは違うのだ、サポートする側も少しずつ気がつき始めた。
「自分は認知症を持っている」
と言える社会になってきたということでもあるしょう。
まだまだ勇気を持って声をあげてくれている印象はありますが、
確実に変わってきていることは確か。
進歩は未知数だと、私は思います。

 

Q.この番組は介護に携わっている人も多く見てくださっていると思いますが、
そういう方たちにメッセージをいただけますか。


やっぱり何をするにしても「本人に聞く」ことから始めて欲しいのです。
日常生活の中で「選べる」ということは
非常にその人にとって重要な部分だと思うので。
施設や病院に入ってしまうと、とかく「なになにさん、トイレの時間ですよ」と
本人に選ぶ余地無しで決められてしまいますよね。
でもその人に選択権があると生活は変わるんです。
逆に言えば、選べないと生活することはつまらないですよね。
自分にはその余地がないんだと思ってしまうと、
「僕は何も言わなくてももう良いんだ」と、そうなりますよね。

でもそうではなくてね。
なぜなら、自分もいつかは認知症になる可能性はあるのだから。
結局、今やっていることは最終的には自分に帰ってくるのだと
私は思っています。

 

 

『シリーズ認知症 “わたし”から始まる』

第1回 ~日本 脱病院の模索~
2013年3月20日(水) 20時00分から20時29分 Eテレ
[再放送] 3月27日(水) 13時10分から13時39分 Eテレ

第2回 ~オランダ 住み慣れた我が家で~
2013年3月21日(木) 20時00分から20時29分 Eテレ
[再放送] 3月28日(木) 13時10分から13時39分 Eテレ  

 

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