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【LGBT応援メッセージ】(2)同性婚ペア・室井舞花さん(アンコール放送に寄せて)

2013年12月10日(火)

16日から始まる「シリーズ 多様な”性”と生きている」
アンコール放送に寄せて、様々なジャンルの方々から
日本のLGBTのみなさんへ向けた
メッセージを頂いています。

今回ご紹介するのは、今年6月にパートナーと同性婚をした
室井舞花さん(26歳)から、当事者としてのメッセージです。


「ハートネットTV」の前身番組「ハートをつなごう」の放送が
始まった2006年は、当時19歳だった私の”LGBT元年”とも
いえる年です。

私が初めて女の子に恋をしたのは13歳の時。
しかし、淡い恋心を 抱いた同級生の彼女との
関係性の発展への期待は、友人たちにからかわれ、
疑いの目を向けられたことで打ち破られました。
「私は間違ってるんだ」と愕然とし、
「女の子に惹かれるということは、とにかく隠し通そう」と
決意した中学時代でした。
高校に進学しても、男の子に惹かれることはほとんど
ありませんでした。
「みんなと同じように男の子を好きになれない、やっぱり何か違う」
という気付きは、恐怖であり、誰にもいえない悩みとなって、
私の中に居座り続けました。

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室井舞花さん(左)と
恩田夏絵さん(右)


photo by Ueno Yoshinori



転機は、高校を卒業した年に訪れます。
NGOが企画する国際交流を目的とした「地球一周の船旅」に参加し、
その船内で出来た同い年の友人が、「私はレズビアンです」と
大勢の人たちを前に堂々と自分自身のことを語ったのです。
私と同じ年齢で、同じように女性が好きで、しかもそれを隠すことなく
人に話している・・・!
私は彼女という存在にとても驚いたし、ようやく自分のことを正直に
話せる仲間を見つけたような思いがしました。
それが2006年のことです。
出会いは続き、同じ旅で人生で初めて「彼女」もできました。
レズビアンの友人と初カノ。
二人との強烈な出会いは、私を、まず私自身、そして親しい友人への
カムアウトへと導きました。
最初はおそるおそる、理解してくれるだろうと思える人に伝え、
その後は段階的に数年かけて家族や職場の同僚に自分の
セクシュアリティー を話していきました。

現在のパートナー、恩田との付き合いが始まったのは
2011年秋の終わりでした。
彼女もまた、10代で重苦しい時期を経験していました。
小学校低学年の頃から学校という空間に違和感を覚え、
不登校に。中学校もほとんど行かず、部屋に引きこもり、
「みんなが当たり前にできることができない」と自分を責め、
自傷行為を繰り返す毎日を送っていたのです。
異なる背景で「みんなと違う」ことで悩み、“人との出会い”と
“暮らす 世界の広がり”を通じて人生を肯定できるようになった
経験をもつ私たちは、職場の同僚として出会い、
長年の親しい友人期間を経てパートナーとなりました。
付き合い始めるときは、お互いに「この人と、できるだけ長く
人生を共に生きていきたい」と感じていました。

そして2013年6月8日。
私たちは「新郎のいない」結婚パーティーを行いました。
場所は東京都庁の45階展望室。

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photo by
Kajiura Takashi



この場所では初めての、同性カップルによるウェディングパーティーでした。

パーティーをしようと決めたとき、私たちは「自分たちらしい形で、
できるだけたくさんの人を招こう」と目標を立てました。
当日来てくれた人が、Facebookやツイッターでその様子を紹介してくれたり、
周りに「同性カップルのウェディングパーティーに行ってきたよ」と
報告することで、LGBTを身近な存在として感じられるようになるのでは?
と考えて、友人知人や家族、先輩、今までの人生でお世話になった人に
できるだけ声をかけました。

自分たちが同性婚をすると表明したことで、周囲のさまざまな反応と変化を
経験しました。そしてわかったのは「意外と普通に受け止められる」ということ。
同性のパートナーがいると言わないまま、パーティーを機に伝えて招待した方、
同性カップルだと告げずに打ち合わせに臨んだ会場のスタッフの方、
ウェディングドレスのデザイナーさん。どの人も戸惑う場面こそあったにしろ、
快く私たちを受け入れてくれました。
ほかにも、招待状を送った何人かの友人が「実は私も・・」と思いがけず
カムアウトしてくれたり。

日本ではまだ同性婚をすることは叶いません。
でも、私たちはそんな社会をつくっているのは、ほかならぬ私たち自身なんだ、
と考えます。
だからこそ、現状を変えていける可能性があるのだと。
私たち二人は、幸運にも友人はもとより、家族や職場も理解ある人たちに
囲まれ、同性婚も「ふつう」のこととして見てくれています。
そのサポートもあり、私たちはウェディングパーティーを開きました。
私たちにできる行動を起こすことで、微力でもつくりたい社会に向けて
変化を起こしたかったから。
photo-3679.jpg  photo by Ueno Yoshinori

 「ハートをつなごう」が始まった2006年から現在に至るまで、
この番組は私にとって「灯台」のような存在でした。
セクシャリティを人に打ち明けるのに緊張し、自信のなかった私にとって
LGBTを定期的にテーマとして取り上げる姿勢に、
セクシャルマイノリティに関する情報や、エールをもらっていました。


今回のアンコール放送には、LGBTの子どもたちの現状を
伝える回がありますが、その子達と同じくらいの年齢の当事者に
私たちのことを知ってもらうことで、今度は私たちが「灯台」の役割に
なれたらいいなと思います。


 

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