【制作後記 第2回後編】教育ができること「幼稚園から始める・・・」
2013年06月04日(火)
- 投稿者:番組ディレクター
- カテゴリ:多様な“性”と生きている
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多様な“性”があることを
なんと、幼稚園から教えている地域もある・・・!
臨床心理士でGID(性同一性障害)学会理事の
佐々木掌子さん(立教女学院短期大学専任講師)にお話しいただいた話の中で
放送には収まりきらなかった情報をまとめてご紹介する〈後編〉です。
カナダの子どもになったつもりで描いてみました。
この絵は一体・・・?答えはこの記事の後半に!
放送前、10代の方から寄せられたあるカキコミです。
「一言だけでいい」(青井さん10代)
中学と高校のときの性教育で、
とあるエイズ支援の団体さんが来てくださいました。
そのとき講演して下さった団体の方(先生)が、
「思春期になると、異性に好意をもつようになる方、
そして、同性を好きになる方もいます。おかしなことではないのです。
ただ人が人を好きになっているだけなんです。」
と言ってくれました。
胸があつくなって、泣きそうになりました。
世の中捨てたものじゃないと、そう思いました。
私は、「学校で伝えられる内容が、ちょっと違うだけで、
救われる子どもがいるんだ・・・」とこのカキコミを読んで思いました。
教育現場でなにができるのか?
その参考になる事例がカナダにあると、佐々木さんに伺いました。
<佐々木掌子さん>
子どもたちのケアについて学ぶため、2011年4月~2012年7月まで
カナダ・オンタリオ州のトロント大学附属中毒および精神保健センターに留学。
-以下、佐々木さんから伺ったトロント市の取り組みについて。
幼稚園から!性の多様性を学校で伝える
トロント市の教育委員会では
「セクシュアリティーの多様性」についての教育カリキュラムを作っています。
幼稚園から高校までのグレードに分けて、
こういうカリキュラム例がありますよというようなものが書かれています。
例えば、幼稚園のお子さんに対してだと、
お父さん、お母さん、子どもという三つのカテゴリーについて、
いろんな組み合わせを作ってファミリーを作ってみましょう。
4種類ぐらいファミリーの形を挙げられるかなっていうふうにして、
最初、<お父さん+お母さん+子ども>。
次は、<お母さん+子ども>。
三つ目、<お父さん+子ども>というのもある…
だんだん出尽くしてきて、
<お母さん+お母さん+子ども>もあるねとか、
<お父さん+お父さん+子ども>もあるねとか。
「同性でもファミリーが作れるね」というようなものを
子どもたちに話し掛けたり、ディスカッションさせたりしながら、
家族の多様性を一緒に学んでいくというようなカリキュラムです。
ブログ冒頭の絵の正体は、これ。
性や家族の多様性を楽しく学べそうなカリキュラムです。
幼稚園からやるというのはとても意味のあることで、
一つは、偏見・ステレオタイプは
大人になってから持つものと思われがちですが、
幼稚園ぐらいとか、保育園ぐらいって、
例えば、男の子が
「自分は男だからピンクのズボンなんてはかないよ」というなど
すごくステレオタイプなものの見方や行動が強い時期なんです。
なのでその時期にやるというのはとても意味があるということです。
それから、セクシュアルマイノリティーの当事者のお子さんの場合は、
本当に早い時期ですと、3歳とか4歳ぐらいから、
「自分はもしかしたらほかの子と違うのかな」っていう
意識が芽生えてきます。
その意識をネガティブなものとして内在化させて
育ってしまうというのが一番危険なことですので、
教育の場で、
「いろんな子どもがいるね」、
「いろんな大人がいるね」、
「いろんなセクシュアリティーがあるね」
ということを教えていくことは、
その子にネガティブなものを内在化させないという意味でも、
とても大きな意味があると思います。
なるほど・・・
日本でも、「多様な性を生きる子のために教育ができることを」
と、取り組みを始めている先生たちがいます。
(これについては山田アナウンサーが書いた
ヤマケンボイス「“性”はまさに“虹色”」で紹介していますので
そちらも是非お読みください!)
学校の先生や、親、その他地域で子どもと接する大人の方々・・・
みなさんは、「周りの大人たちができること」
どう考えますか?
体験談やアイデアをぜひ教えてください!
◎番組スケジュールは(本放送=夜8時、再放送=午後1時5分)
第1回「セクシュアルマイノリティーの子どもたち~現状~」
→本放送:6月3日(月)、再放送:6月10日(月)
第2回「セクシュアルマイノリティーの子どもたち~成長を支える~」
→本放送:6月4日(火)、再放送:6月11日(火)
第3回「自分らしく暮らす~新しい住まいのカタチ~」
→本放送:6月5日(水)、再放送:6月12日(水)
第4回「マツコ・デラックス “生きる”を語る」
→本放送:6月17日(月)、再放送:6月24日(月)
第5回「WEBの“声”に応えて」
→本放送:6月27日(木)、再放送:7月4日(木)
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