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【薬物報道ガイドライン】薬物報道を考える

2017年03月07日(火)

薬物ガイドラインを前に話す荻上チキさんと久保純子さんWEB連動企画"チエノバ"コメンテーターの荻上チキです。

2016年、芸能人やスポーツ選手の薬物問題についての報道が相次ぎました。
中には薬物依存症への偏見や誤解を助長する内容も少なくないと感じました。
そこで、薬物報道のあり方について、専門家や当事者の方々と議論を重ね、次のようなガイドラインを作りました。

【出演者インタビュー】荻上チキ×南野森「一歩先の想像力を」

2017年02月15日(水)

20160915_chienoba.png2月9日放送(2月16日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”「暮らしと憲法」

『ハートネットTV』では、1・2月に4回にわたり様々な暮らしの現場から「憲法」について考えてきました。2月のチエノバは、その総まとめ!憲法学者の南野森さんをゲストに迎え、みなさんのご意見をもとに番組を放送。

収録後、まだまだ話足りないコメンテーターの荻上チキさんと憲法学者・南野森さんにお話をうかがいました!
写真・南野森さんと荻上チキさん

《左:憲法学者・南野森さん プロフィール》
九州大学法学部教授。憲法や社会の問題についてツイッターでも積極的に発信。


《右:荻上チキさん プロフィール》
評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。



――番組では、いつものように「憲法」についてカキコミの募集を行いましたが、いつもよりカキコミの数が少ない印象を受けました。それは、普段暮らしている中で「憲法」に対し距離を置いてしまっていることを象徴しているように感じますが、いかがですか。

 南野  その通りだと思います。「憲法」は、困っている時に直接、身近で助けてくれるものではないんですよね。直接助けてくれるのは役所や法律、行政ですので、生活する中で実感として掴めていないんだろうなと思います。だけど、憲法は目指す理想像や理念を語っているので、憲法がなくては困る、ということは理解してほしいですね。

  人は生きているうちにいろんな当事者になっていく。高齢者になる、病気になる、親になる、年を重ねていくうちに障害者になるかもしれない。あるいは、当事者の家族、LGBTや障害のある子どもの親になるかもしれない。そういう風に何かの当事者にどんどんなっていく中で、当事者性を生き「より豊かに暮らしたい」「幸せになりたい」と考えていく時に、ようやく社会の仕組みを知っていくと思うんです。そこで、当事者の権利がどれぐらい満たされているのかを考える上で、憲法の掲げている社会がどういうものなのかを知る機会が必ず訪れます。そうしたタイミングが来る前に「憲法」のことについて考えていても急ぎすぎていないと思うんです。もし、当事者じゃなかったとしても「友だちや家族が当事者になっていたらどうだろうか」という観点から憲法や法律を巡る議論をウォッチして欲しいと思いますね。

 南野 
 僕も同感ですね。大学でLGBTのことを学生に話すと「自分たちは差別しない」と言うけれど、すぐ、「自分の周りにLGBTの人はいないし、自分もLGBTじゃない」、となって、どこか他人事になるんですよね。そこで多くの人は止まっちゃうんだけど、チキさんがおっしゃったように、将来、異性愛者と結婚し、子どもが生まれたとして、その子どもがLGBTかもしれない。そういうちょっと一歩先の想像力を持つと、少数者の問題についての見え方が変わってくると思うんです。だけど、憲法にそれがどう繋がるかは、もうワンクッションもツークッションもあるので、なかなか難しいところですね。

 荻上  LGBTでいうと当事者が周りにいないというのは、確率的に言えばあり得ないんです。ただ自分にカミングアウトされていないだけで、近所や学校のクラス、サークルにいたりする。でも自分の親密圏に入ってこないと、その先にある公共の問題として考えられない。大人になっていく過程で親密圏にない問題でも、公共の問題として考える想像力を身につけることは、政治に対しても、よりたくましく考える事ができるようになると思うので、いろいろと想像力を膨らまして欲しいですね。

【障害者差別解消法】こんな時どうする!? Q&A

2017年01月23日(月)

12月15日に放送したWEB連動企画"チエノバ"「こんな時どうする!?障害者差別解消法」。
番組の中で紹介できなかった障害当事者からの悩みも含め、いくつかの事例を弁護士の柳原由以さんにお答えいただきました。

Q. バスの乗車
イラスト・バスの乗車
Q. 電話代行
イラスト・電話代行
Q. プラネタリウムの入場
イラスト・プラネタリウムの入場
Q. 就活の応募
イラスト・就活の応募
Q. 保育園の入園
イラスト・保育園の入園
Q. 職場での賃金
イラスト・職場での賃金

 「障害者差別解消法」についての相談窓口・用語説明などは、記事の最後にご紹介しております。



【出演者インタビュー】荻上チキさん「議論の活性化によって、社会が変わっていくことに期待」

2016年12月27日(火)

12月15日放送
WEB連動企画"チエノバ"×バリバラ 
こんな時どうする!?障害者差別解消法」

コメンテーター・荻上チキさんからのメッセージ

写真・荻上チキ


――今月のチエノバでは、今年の4月に施行された「障害者差別解消法」について考えました。障害者と健常者との間には「差別」についての大きな“ズレ”があるようですが、どう思われますか。

障害当事者がどんな事に困っているのか、当事者たちの様々な思いが具体的に社会に伝わっていないと感じました。例えば聴覚障害だったら…、視覚障害者だったら…、というように「障害者」と一言で言ってもその障害に応じて困りごとが違いますよね。年齢や性別、諸々の条件によって、いろいろと変わってくる。だから様々な方法を用意して、誰もが生きやすい社会にしなくてはいけないんですが、まだ対応の遅れがあって、様々な当事者の声をすくいあげきれていないという状況があります。「障害者差別解消法」ができたことによって、そうした問題提起、「何が差別か」「何が合理的配慮か」の議論が活性化していくことによって社会が変わっていくことを期待したいです。

【出演者インタビュー】山本シュウさん×大西瞳さん「みんなで知るきっかけを作るのが大切」

2016年12月27日(火)

12月15日放送
WEB連動企画"チエノバ"×バリバラ
んな時どうする!?障害者差別解消法」

バリバラメンバーの山本シュウさんと大西瞳さんに生放送終了後、感想をいただきました!

写真・大西瞳さんと山本シュウさん

《大西瞳さん プロフィール》
パラリンピアン。小さなころからテレビ番組のリポーターにあこがれていた。バリバラでは街角突撃リポートを得意とする。すぐに義足を見せたがる。障害者情報バラエティー番組「バリバラ」に出演中。

《山本シュウさん プロフィール》

ラジオDJ。エイズの知識をふかめる活動「レッド・リボン・ライブ」の総合プロデューサーも務める。おせっかい大好き、自称・男の顔したおばちゃん。障害者情報バラエティー番組「バリバラ」に出演中。



――今回は、バリバラのスタジオを飛び出して、チエノバで「障害者差別解消法」について考えました。そこで、障害者と健常者の間には大きな“ズレ”があることがわかりましたが、いかがでしたか?


 瞳 私からしたら「差別じゃないと思うんだ!」と逆に新鮮でした!それと「みんなは、障害者が困っていることを知らないんだろうな」と感じました。だから、「差別だから悪い」とかじゃなくて、みんなが分からないことだから、どんどん「困っています!」と障害のある人たちから言った方がいいのかなと思いました。

 シュウ :一緒!まず1つは、カキコミを送ってきてくれた人の悩みを聞いてて「あー、まだ、そんな目にあってんのや」、辛かったねと思った。「みんなは、障害のある人が何に困っているのか知らんのやなあ」って。2つ目は、VTRで「差別じゃない」という意見の健常者が多かったのに驚いた。とは言え、僕も『バリバラ』やっていなかったら、「差別じゃない」と言ってたかもね。

 瞳 そうそう!新鮮だった!

【出演者インタビュー】川島章良さん「『がん=死』じゃない。誰しもがなる可能性がある」

2016年11月09日(水)

11月3日放送(11月10日再放送)
WEB連動企画“チエノバ” 「“AYA世代“のがん その後…」
に出演して下さったはんにゃ・川島章良さんからメッセージをいただきました。


1103_kawashima001.jpg《川島章良さん プロフィール》
2014年に32歳で腎臓がんと診断される。翌年、摘出手術を経験。



――番組に寄せられたカキコミやTwitterで印象に残ったものはありますか。

俺は芸人だったので、会社に言いやすい環境だったんですが、言いづらい環境もあるんだなって、色々な話を聞いて考えさせられました。だから、より言いやすい環境になった方がいいのと、がんについて、まわりの認識が変わればもっと、がんを分かってもらえるんじゃないかとも思いました。


【出演者インタビュー】荻上チキさん「誰もが働きやすく生きやすい社会を目指して社会制度を変えていかなくてはいけない」

2016年11月09日(水)

11月3日放送(11月10日再放送)
WEB連動企画“チエノバ” 「“AYA世代“のがん その後…」
に出演のコメンテーターの荻上チキさんからメッセージをいただきました。



1103_chiki001.jpg《荻上チキさん プロフィール》
1981年生まれ。評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。著書に『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』など。

 

――11月の“チエノバ”では、「AYA世代のがん」について当事者の声を紹介しました。放送を通してどのようなことを考えましたか。

若い世代で、がんの当事者が一定数存在しているにも関わらず、その人達が繋がりにくい環境が以前まではありました。そうしたことに対してここ数年で「研究を進めよう」「医療体制でも対応していこう」「当事者たちが集う場を作っていこう」という動きが出てきた。今まで焦点があっていなかった当事者たちが、情報や人との繋がり、交流が得やすい環境になりつつあることを感じました。
その一方で、“チエノバ“でこういったテーマを扱った時に「取り上げてくれて嬉しい」というカキコミが沢山くることは、逆に言えば、これまでメディアなどで焦点が当てられてこなかったことだと思うんですね。だからメディアを通じてこうした機会を増やし、より適切に理解できるような情報が行き渡るようにしていかなくてはいけないなと思いましたね。

【出演者インタビュー】中島潤さん「カミングアウトする人も、カミングアウトされた人も、一人で悩まなくていい社会に」

2016年10月13日(木)

10月6日放送(10月13日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”「LGBTとアウティング」
にご出演の中島潤さんにメッセージをいただきました。

nakajima_003.jpg
《中島潤さんプロフィール》
トランスジェンダー
会社員のかたわら、全国で“多様な生と性”に関する講演・研修などを行う

 

――番組には、たくさんのカキコミやTwitterでのご意見が寄せられました。特に印象に残ったものはありますか。

放送では時間が足りなくて読み上げられなかったのですが、Twitterで寄せられた声の中で、印象に残ったものが2つありました。
ひとつは、「高校でセクシャルマイノリティに関する授業が全くない。聞いていると間違った偏見しかないから、少しでいいから扱って欲しいな。」というもの。もうひとつは、「私の高校ではLGBTの講演があった。人の数だけ性の数があるんだな、って思ったし、身近に結構そういう友達いることにも気付いたな」というものです。
教育の場や、社会の「日常」の場面の中で、LGBTのことや性の多様性について伝えることの重要性を、改めて実感しました。多様な人が共に生きていて、見た目では分からなくても、LGBTの人も自分の身近にいるんだ、と思って過ごせるような情報発信をしていくことは、私たち大人の責任だと思います。

【出演者インタビュー】荻上チキさん「様々なセクシュアリティーが当たり前に存在していることの認知が大切」

2016年10月13日(木)

10月6日放送(10月13日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”「LGBTとアウティング」
にご出演の荻上チキさんにメッセージをいただきました。

chiki_001.jpg《荻上チキさん プロフィール》
1981年生まれ。評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。著書に『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』など。



―― 一橋大学で起きた事件は、LGBTの当事者だけでなく、報道によって世間でも大きな波紋を呼びました。今回の事件によって、LGBTを取り巻く今の状況が可視化されたと思うのですが、どのように考えますか。

今回の事件はいろいろなものを浮き彫りにしたと思います。LGBTへの注目がこれほど社会的に高まっていなければ、そもそも訴訟が起きただろうか、遺族が理解を示していただろうか、そして、これだけの報道で取り上げられただろうかということを考えると、「そうした問題提起ができる社会になった」と見ることができます。
そこから私達が考えられることは、この事件を通じて、LGBTに限らず、障害やルーツ、信仰など、様々な対象において、「本人の望まない情報を他者が広げて、誰かを傷つけることの重み」をもっと理解していくこと。そうした広い範囲で、本人の望まない情報をどういう風に扱うべきかを、しっかりと議論するひとつのきっかけにして欲しいなと思います。

【出演者インタビュー】藤川洋子さん「子どもには両方の親から愛される権利がある」

2016年08月15日(月)

020160804_fujikawa.jpg8月4日放送(8月11日再放送)
WEB連動企画“チエノバ” 
ひとり親家庭の子どもの悩み
ご出演の藤川 洋子さんにメッセージをいただきました。




《藤川 洋子さんプロフィール》
京都工芸繊維大学教授・臨床心理士

 

 

――8月のチエノバでは、ひとり親家庭の子どもの悩みついて紹介しましたが、たくさんのカキコミや番組を通して、改めて子どもが様々な悩みを抱えていると知ってどのように思いましたか?

カキコミの内容もさることながら、生放送中に届いたツイッターの数が360通以上と聞いて、まず驚きました。銀ちょびさん、すずさんの率直な声に促されるようにして、吐き出したい思いや自らの経験が番組に届いたわけで、「つらい思いや複雑で整理しきれない思いは、閉じ込めるのではなく、信頼できる誰かに聞いてもらおう」という臨床心理学の最重要コンセプトが生かされましたね。番組がきっかけとなって、「親の離婚」を語るのは恥ずかしいことではない、自分にとって大事なことなのだ、という意識や行動が生まれることを願っています。むろん、受け手である大人や先輩の「きちんと聞く姿勢」を育てることも大事だと思います。