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【出演者インタビュー】有賀絵理さん「災害対策に必要なのは"こころのバリアフリー"」

2016年06月07日(火)

20160602_a.jpg6月2日放送(6月9日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
知ってほしい 被災時の悩み
ご出演の有賀絵理さんにメッセージをいただきました。

 

《有賀絵理さんプロフィール》
災害時要援護者の避難・生活支援を研究
茨城大学非常勤講師



――番組では、熊本地震で被災した障害のある方や、全国から寄せられた声に耳を傾け、災害時に当事者か直面する課題や、必要な配慮について考えました。内容で特に印象に残った点はありますか。

地震後に、建物の揺れや物が落ちてくることのトラウマで自宅に帰れなくなった発達障害のお子さんのために、熊本市子ども発達支援センターが作成した絵本「やっぱりおうちがいいな」は印象深かったです。この絵本は、発達障害児ばかりでなく、あらゆる世代の多くの方に勧めたいと感じました。

また、今回出演してみて、『ハートネットTV』の重要性を改めて痛感いたしました。「障害者の声を拾って、それを伝える」という番組構成により、障害者自身が発信することができ、「当事者が何に困っているのか」ということが周囲の方々にもわかりやすく伝わります。それによって、多くの方々の障害理解に繋がるからです。


――放送の中で言いきれなかったことや、補足して伝えたいことなどはありますか。

災害は決して他人事ではなく、いつ我が身に降りかかるかわからないことです。だからこそ、障害のある方もない方も、一人ひとりが「援け合いのこころ」を失わないで、災害で苦しい時こそ支え合っていただきたいです。

これまでの災害で起こったことを風化させるのではなく、教訓にし、今後の災害に備えて、私たち一人ひとりが出来る事は何だろうかということを振り返ることと同時に、次の災害にも活かせる一歩を踏み出していくことも大切だと思います。

――そのためには、具体的にどんな取り組みが必要でしょうか。

平常時から身近な方々とコミュニケーションを取ったり、多くの方々との連携、支援力、受援力を高めたりしてほしいです。困っていたり苦しんだりしているのは、自分だけではないということに気付いてください。どんなに苦しくても、決して、諦めず、生き続けてください。そして、どのような支援が必要なのか声をあげてください。

そして、目標であり、ゴールであるのは、「一人ひとりの人間力の向上」だと思います。それは、誰もが協力し合い、お互いがお互いを、認め合い、助け合い、支え合うことが自然にできる社会、「こころのバリアフリー」です。このことが、災害時に一番重要なのです。

災害時要援護者の研究を行えば行うほど、まだまだ課題山積です。災害時要援護者対策には、まず、障害者の実態を把握すること、そして、障害のある人もない人も変わりないことを理解することが重要です。


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