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【出演者インタビュー】宇野和博さん「視覚障害を知らないがゆえに、無意識に当事者を困らせていることもある」

2015年08月23日(日)

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7月30日放送(8月6日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
―これだけは知ってほしい! 視覚障害の悩み―
ご出演の宇野和博さんにメッセージをいただきました。


《宇野和博さんプロフィール》
「視覚障害ナビ・ラジオ」レギュラーコメンテーター/筑波大学附属視覚特別支援学校教諭


――今月のチエノバは「これだけは知ってほしい! 視覚障害の悩み」というテーマで放送しましたが、いかがでしたか。

視覚障害者はみんな同じようなことに悩んでいるんだなと改めて思いました。トイレを流す方法がわかりずらいという問題、信号の問題、歩きスマホが恐いという問題。私の周りでも同じことに困っている声はよく聞きますし、こうして全国に体験談を募集しても同じような話が上がってくるんだなと実感しましたね。


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――番組に出演して、どのようなことを伝えたいという思いがありましたか。

今回取り上げた内容は、私たち視覚障害者からするとよく出る話ばかりですが、見ている視聴者の方にとっては、「こんな問題で困っているのか」という発見があったはず。そのギャップを埋めていくためには、荻上チキさんや山田アナウンサーもおっしゃっていましたが、とにかく伝えて、知ってもらうこと。意地悪でもなんでもなく、知らないがゆえにやっていることが視覚障害者にとってものすごいハンデになっていることもあります。だから、「視覚障害者はこんなことに困っている!」と声をあげることも必要ですし、例えばデザインに関わっている人は、視覚障害者の人が使うにはどうしたらいいんだろうというふうに思いを寄せていただく。そういうお互いの歩み寄りが大事なんだなと思います。そういう配慮は、実はみんなにとっても便利なことが多いんですよ。有名な例だと、シャンプーのポンプのキャップ部分にギザギザを付けて、リンスとの区別をしやすくなっていますが、晴眼者でもシャワーで目をつぶっている時にさわってわかると便利ですよね。弱視のために文字の大きな本を出したところ、高齢者の方にも読みやすかったとか、いろんな例があります。視覚障害者に対する配慮でメリットを感じられる人はいっぱいいるということもこれから伝えていきたいなと思いますね。

――生放送の番組中、Twitterには多くのつぶやきが寄せられましたが、特に印象に残っている声はありますか。

「白杖を使っている視覚障害者に気を遣わせているのはいけない」という声がありました。もちろん視覚障害者は我が物顔で道を歩いてもいいということではないですが、やはり点字ブロックの上を歩いている時でも人にぶつからないよう気を遣っている現実はあったりするので、そういうことにひとりでも気付いていただけたのはよかったなと思います。

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