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【出演者インタビュー】荻上チキさん「大切なのはコミュニケーションをとりながら、その人に合ったやりとりをしていくこと」

2015年07月01日(水)

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6月25日放送(7月2日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
これだけは知ってほしい!―聴覚障害の悩み―
ご出演の荻上チキさんにメッセージをいただきました。


《荻上チキさんプロフィール》
1981年生まれ。評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。著書に『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』など。


――今月のチエノバは、聴覚障害の悩みについて取り上げました。収録を通してどのようなことを考えましたか。

僕の周りには片耳だけ聴覚障害がある方もいれば、難聴で補聴器を付けている方もいて、困ることに共通点もあれば、微妙に異なる点もあります。例えば片耳に聴覚障害がある方は、聞こえるほうの耳の側に座って語りかけたり、声のボリュームを少し大きくしてみたりすることが配慮になります。そのように同じ聴覚障害という括りでも困っていることは人によって違うのですが、大切なのは「コミュニケーションをとりながら、その人に合ったやりとりをしていくこと」です。そこに気づいていただけるとうれしいですね。それはたとえ相手に障害がなくても普段から考えるべきことだと思うので、そういった気持ちを改めて大事にしていただきたいと感じました。


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――番組では、聴覚障害の方100人へアンケートを実施して、どんな場所で、どんなことに困り、どんな悩みを持っているか調査しました。その結果を見ていかがでしたか。結果はこちらよりご覧になれます

このようにデータで見せられると当事者ではない人にもパッとわかりやすく伝わるので、このアンケート自体にとても意義があると思います。
そして、「日常的な困難」と「非常時の困難」というのが別にあって、日常にあるさまざまな点での“整備が行き届かなさ“というのが、非常時には命に直結することもあるわけですね。例えば番組中では、聴覚障害のある善岡さんの母親が骨折をした時に、病院へ電話をかけられず、緊急時の連絡先もわからなくて困ったという話がありました。もしこれが心臓発作や脳出血のような1分1秒を争うケースだと、ネットで検索している間によりパニックになってしまいますよね。緊急時にメールで通報するサービスもありますが、それは事前に登録が必要だということも周知徹底されていません。
ですから、そういったさまざまな事情があるんだということをもっと行政がアンケートなどですくい取って、改善していくが必要あると思います。

――番組に寄せられたつぶやきの中には、「教育現場で手話を学ぶ機会を増やしてほしい」という意見もありましたが、いかがですか。

手話の話者になるのはとても難しいことなので、小学校で学んだからといってみんなが手話でしゃべれるようになるのは不可能かもしれません。でも、それをひとつのきっかけとして手話を学び続ける人も出てくるかもしれませんし、授業の中で当事者と触れ合うという、広い意味での「当事者学習」の機会が設けられるといいなと思いますね。僕は道徳の授業というのは、そういった多様な当事者がいる社会のことを学ぶ時間にこそ当ててほしいと思うんです。世の中には気の持ちようだけではどうにもならないことがたくさんあります。ですから、そういう現実をひとつひとつ知るきっかけを教育の現場やメディア上でも発信して増やしていけたらなと思いますね。

 

【カキコミ板】

【6月】聴覚障害「これだけは知って欲しい」コミュニケーションの悩み

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