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【出演者インタビュー】荻上チキさん「当事者が望むことに向き合い支援することが大切」

2015年05月11日(月)

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4月30日放送(5月7日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
―「LGBT “理解者”になれますか?」―
ご出演の荻上チキさんにメッセージをいただきました。


《荻上チキさんプロフィール》
1981年生まれ。評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。著書に『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』など。


――今回はLGBTの理解者・支援者である“アライ”の方のカキコミなども紹介しましたが、支える上でどのようなことを大切だと感じましたか。

支え方にはさまざまな形があります。友人としてできること。上司や同僚、会社としての対応。“帰る場所”としての仲間や家族。そのなかで大事なのは、「当事者が望んでいることに向き合っていく」という姿勢です。本人は思っていないのに「これが正解だ」と、ある種の正義を押し付けてしまって、困らせることがないようにすることが大切ですね。


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――この問題も都市部と地方で格差があるのでしょうか。

そうですね。ただ、当たり前ですが国にも地域格差はあります。中東、アジア、欧米、アフリカ。同じ国の中でも、アメリカではロサンゼルスとテキサスには差があるわけです。日本でも、あまり可視化されていないけれども、その差というのは存在しています。その格差のなかで選択肢が少なく、理解されにくく、より苦しみを味わいやすい環境に身を置いている人もいるわけですね。
だから、なんとなく今は「LGBT」という括りで、共通の課題はこういったものじゃないかということを発信している傾向がありますけども、もう少し具体的に、「〇〇県の」とか、「四国の」とか、範囲を明確にしつつ、前月放送したような雇用や就職活動、不登校やいじめなどの個別の問題を解決するという方向性になっていくことが必要だと思います。


――番組では4月25日から始まった「東京レインボープライド2015」の様子も紹介しましたが、いかがでしたか。

イベントそのものが成長しているし、社会的な理解も前よりは進んでいるなと思いました。
ただ、その中でいろいろな懸念もあって、例えばイベントにスポンサーが多く入ると規模が大きくなりますよね。そうすると前よりも目立つようになる。それ自体はいいことなんですけど、一方で政治的な発言をするとスポンサーが離れてしまうんじゃないかと思い込んで、自粛する方向に進んでしまうこともあり得ます。性の多様なあり方を肯定するイベントで、多様な意見が出にくくなってしまうかもしれないわけです。
だから、イベントがそのパフォーマンスをしっかりと確保するためには、当事者たちの参加意識、運営意識というのが問われてくると思います。ただ、これは特にこのイベントだけに求められることではなくて、あらゆるイベントに対して確認される必要があると思いますね。

――こういったイベントは全国各地にあるのでしょうか。

あります。パレードはいろいろなところで行われていますし、四国、九州、沖縄などでも、例えば「レインボー〇〇」といったようなイベントがあります。地域の団体マップみたいなものも作られていて、大きなプライドパレードに地域の団体の旗を持って参加して、この地域にもいるんですよということを伝えるようなつながりも目立ってきていますね。


【放送予定】
WEB連動企画“チエノバ”
3月26日(木) ―今日は「LGBT 職場、学校の悩み」を中心に― (前編)
4月30日(木) ―今日は「LGBT 職場、学校の悩み」を中心に― (後編)

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