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【出演者インタビュー】荻上チキさん「問題の認知と具体的な方法論を同時に考えていくことが大切」

2015年03月03日(火)

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2月25日放送(3月4日再放送)
WEB連動企画“チエノバ”
―障害者の家族(2)バリバラコラボ!
解決へのヒントを探る―
ご出演の荻上チキさんにメッセージをいただきました。

 

《荻上チキさんプロフィール》

1981年生まれ。評論家。ニュースサイト「シノドス」編集長。メディア論をはじめ、政治経済や福祉、社会問題から文化現象まで幅広く取材し分析。著書に『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』など。

 

――2月のチエノバは「障害者の家族が抱える悩み」の第2弾として、バリバラとコラボしながら“解決へのヒント”を探っていきました。番組を通してどのようなことを考えましたか。

たとえば発達障害の子どもが生まれた場合に、事実を受け入れる「気持ちの整理の問題」と、具体的な子育ての仕方がわからないという「方法論の問題」がこんがらがってしまう時期というのはあるんですね。そして、それは“障害者のきょうだい”や“障害者の親から生まれた子ども“など、いろいろな立場の人が悩むことだと思います。

ですから、悩みを誰かに打ち明けてすっきりしようという話と、知識を得て解決しようという話の両方を考えなければいけません。今はそうしたことを語れる場が不足しているので、その必要性を感じたと同時に、そうした場とつながりやすいような環境をつくることも大事だと改めて感じました。

 

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――番組の最後に山本シュウさんは「こういう家族の話は回数をこなしていくことが大切」と話していましたが、荻上さんもこの問題を繰り返し考えていくことの重要性は感じていますか。

そうですね。今はいろんな当事者団体が、「発達障害の子はこういうポスターを壁に貼るとコミュニケーションがとりやすくなりますよ」とか、「こういったイヤーマフがありますよ」というような“メソッド集”を作っています。工夫を凝らしたアイデアや便利な道具の知識というのはそれなりに溜まってきているわけですね。

ですから、たとえばNHKの『まいにちスクスク(子育てのワンポイント知識を紹介する5分番組)』のように『ハートネットTVプチ』みたいな5分番組を作って、「こんな工夫をしたことで問題は解決しました」というようなパターン集や相談した機関をひたすら紹介するような方法もできると思います。問題の認知がある程度広まったら、次はメソッド集などの方法論を紹介するというようなメディアづくりはこれから必要になってくると思いますね。

 

――まずは問題の認知を広めるところからでしょうか。

テレビなら同時にできると思います。大きな時間の枠で一般に向けて情報を出しながら、具体的な方法論は5分番組で紹介するというようなかたちもありですよね。たとえばある番組を録画したときに、最後の5分にプチ番組が入っていたら方法論を知ることができるじゃないですか。そうすれば発達障害の子を持つ親御さんに対して、「いずれよくなるよ」とか、「子どもなら誰だってそうだよ」というような間違った言葉をかけるのではなく、「そういえばテレビでこんなヒントがあるって紹介してたけど、どう?」という話ができますよね。そっちのほうが断然いい。方法論から考え方を教わることは多分にあるので、次の段階というのは今すぐに行ってもいい状況だと思います。

 


周囲の人には口にできない、ネットだからようやく言える…。本当のつらさを誰もわかってくれない…言えない…。押しつぶされそうな思いに、向き合いたいと思います。


WEB連動企画“チエノバ” Eテレ・夜8時生放送
「障害者の家族」
1/29(木) (1)誰にも言えなかった苦しみ
2/25(水) (2)バリバラコラボ!解決へのヒントを探る

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