2015年07月30日(木)
- 投稿者:アナウンサー
- カテゴリ:ヤマケンボイス
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今月のチエノバは「視覚障害」がテーマ。届いた声からは、ハッと気づかされることばかりでした。「まちづくり」という“ハード”と「配慮」といった“ソフト”の双方が不十分だと、実感しました。
「そうしたことに悩んでいるのか…」という“気づき”。私も、かつて“気づき”から行動に移したことがあります。
2013年6月6日 ヤマケンボイス「こんなところにも“ユニバーサルデザイン”」
ハートネットTVが始まった初期のころ、ゲストの視覚障害の人に名刺を渡したときのこと。「自己紹介する紙なのに、何の意味があるのか」と“気づき”があり、すぐに点字名刺というものがあるかを調べて作成を依頼しました。
使い始めて3年あまり。視覚に障害のない人にも渡していて、初対面の人との会話が弾むことが多々あります。その点字名刺の作成現場を、今回初めて訪ねました。埼玉県越谷市にある、NPO法人 視覚障がい者支援協会「ひかりの森」です。
地域に開かれた、視覚障害の人たちのデイケアセンター。とても明るい雰囲気で、利用者の1人は「家以外で安らげる場所があるのは幸せ」と笑顔で話してくれました。
点字名刺は、専用の機械で1枚1枚丁寧に作られます。視覚障害者の雇用の場にもなっているとのことです。作られているところを間近で見て、一層、自分の名刺に愛着が湧きました。
できた名刺にしっかり刻印されているかを指で確認。点字名刺の取りまとめをしている出川さんによると、1か月に2万枚の注文があるそうです。人気上昇中!
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2015年07月07日(火)
ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
来年のリオパラリンピック出場につながる、イギリス・グラスゴーでの世界選手権。ベテランの力が充実してきた男子、さらに若手の成長が著しい女子と、日本の力がどこまで通用するのか、期待が膨らむ楽しみな大会がいよいよ始まります。
今大会、2位以内に入ると、選手が所属する国にリオ出場枠が1つ与えられます(1選手1枠まで)。また、日本身体障がい者水泳連盟では独自に、優勝すればリオ出場推薦選手として、この時点で内定を出す、という初めての試みを行います。
リオの前哨戦とも言えるこの大会。「世界のビッグイベントの一発勝負で、いかに力を発揮することができるか」を大きなテーマに掲げ、取り組んできた日本の成果はいかに!!
では、大会のスケジュールに沿って、注目選手と種目を紹介しましょう。
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2015年06月30日(火)
ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
いよいよ9月2日から7日まで、リオパラリンピックアジア最終予選となる、IBSA ブラインドサッカーアジア選手権2015が東京で開かれます。前回4年前のロンドンパラ最終予選では、イランを相手に残り10分で失点。あと一歩でキップを逃しました。悔しい思いを胸に今度こそ、という思いで、4年間経験と自信を積み重ねてきたブラサカ日本代表。ホームという地の利を活かして、初出場を勝ち取れ!
大会の記者発表は、6月29日、日本サッカー協会(JFA)のサッカーミュージアムで行われた。JFAの施設でブラサカの記者発表が行われたのは初めて。“サッカー”という共通点で、障害者のサッカーとさらに連携を広げてほしい。
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2015年06月18日(木)
2015年06月15日(月)
ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
去年秋のアジアパラ前から取材を続けている、シッティングバレーボール女子日本代表。来年3月予定のリオ最終予選の大会に向け、練習に励むチームを取材しました。
兵庫県姫路市で、毎月1~2回のペースで行っている強化合宿。
<シッティングバレー>
床に尻をつけて、座ってプレーするバレーボール。サーブ、ブロック、アタックなどで立ち上がったり飛び跳ねたりすると反則となります。ネットの高さは、男子1m15cm、女子1m05cm。障害の有無に関係なく一緒にプレーできる、国内の大会もあります。
今回最も強く感じたのは、「選手どうしの距離の近さ」。これは言うまでもなく、物理的な距離の近さではなく、精神的な距離の近さです。選手間に、お互い関わっていこうという意識が高まったのではないか、と。仲間のプレーに対して賞賛したり、アドバイスをしたり、ディスカッションしたりする姿が頻繁に見られました。それも、お昼の休憩時間に入ったときまで。私はこれまでも、練習や大会でお互いが叱咤激励する姿を見てきましたが、表情も含めて"何かが変わった"という感覚を抱いたのです。
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2015年06月15日(月)
今月、日本精神神経学会学術総会を取材しました。精神医学が私たちの生活や社会にどのように関わっていったらいいのか、3日間に渡って実に様々なテーマが取り上げられ、活発な議論が繰り広げられました。
今回で111回という歴史のある総会。「うつ病治療」や「スティグマへの向き合い方」、「認知症の人への地域づくり(オレンジプラン)」を検証するだけでなく、「犯罪被害者支援」や「脳科学から見た児童虐待」といったテーマも設定されました。
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2015年05月26日(火)
ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
思わず「大丈夫かな!?」と感じるほどのぶつかり合い!
車いすどうしの衝突が許された唯一のパラリンピック競技、「ウィルチェアーラグビー」です。
その国際大会が、今月千葉で開かれました。日本は、現在世界ランク4位。イギリス(5位)、デンマーク(6位)、ニュージーランド(8位)を招き、リオに向けて大きな弾みにしたい大会です。
千葉ポートアリーナは、10月下旬から開かれるリオパラリンピック予選の会場。
ウィルチェアーラグビーとは
四肢に障害のある車いす選手が行うラグビーです。一度にコート上でプレーできるのは4人。ボールはバレーボール球を参考に開発された専用球を使用します。パスは通常のラグビーとは異なり、前方へのパスが認められています。また、車いすでのコンタクトにより相手の攻撃や防御を阻止することが認められています。車いす同士の激しいタックルや、ポジションに応じた役割が果たせるような専用車いすを使用します。
※参考:2012年2月1日放送 福祉ネットワーク シリーズ パラリンピックへの挑戦
「スピードで頂点をつかめ ―ウィルチェアーラグビー―」
激しいタックルで転倒やタイヤのパンクが!かつては「マーダーボール(殺人球技)」と呼ばれていた歴史も。
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2015年05月08日(金)
ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
初めてのパラリンピック出場を目指す、ゴールボール男子。今月、大一番を迎えます。
5月8日からソウルで、視覚障害の選手の国際大会、「2015IBSAワールドゲームズ」が行われます。ここで男子は3位以内、女子は2位以内に入ると、リオパラリンピック出場が確定的になります。
この大会を前に、大型連休中も練習に励む選手たちを取材してきました。
<ゴールボールとは・・・>
視覚障害の選手が行う対戦型スポーツで、1チーム3人の選手が鈴の入ったボールを投球して攻撃したり、鈴の音を頼りに身体全体を使って守ったりして、得点を競い合います。視力の程度に関わらず、全選手アイシェードを装着してプレーします。
以前ブログで紹介した、注目の若手、川嶋悠太選手だけでなく、メダル獲得のためには活躍が欠かせない選手がいます。
※センターの川嶋悠太選手を紹介した今年1月のブログ
Road to Rio vol.17 「世界を見据える“新成人”~男子ゴールボール~」
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2015年04月30日(木)
ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
4月30日放送“チエノバ”の「Road to Rio」で紹介した「パラサイクリング」。
番組の中では紹介しきれなかった大会の様子をリポートしますので、こちらもぜひお読みください!
自転車競技は、初めて見ました。とにかく速い!それだけに、“1000分の1秒”単位で勝負が決まるのです。1000分の1秒まで計測するのは、夏のパラリンピック競技では、パラサイクリングのみ。ちなみに、オリンピックでも「自転車」のみ。冬は、「リュージュ」と「ショートトラックスピードスケート」です。
大会が開かれたのは、伊豆ベロドローム。4年前にオープンした、新しくきれいな会場でした。
バンクは木製で、シベリア松を使っています。1周250mで、傾きは最大45度。スピードが出ていないと走れない急斜面です。選手は、“1000分の1秒”のために、バンクの摩擦や空気抵抗などを考慮して、ギアの選択など自転車を調整します。
番組で特集した藤田征樹選手と。先月の世界選手権で銀メダルを獲得!パラリンピックでも最高銀メダル。あとは金メダルのみ!決して自分に満足しないアスリートです。「自分でできる限りのことは精一杯やりたい。突き詰め、どんどん自分を追い込んでいきたい」。
一般の自転車競技の日本選手権との共催。藤田選手「お互い敬意を持って、高め合っていきたい」。
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2015年03月19日(木)
ハートネットTVキャスターの山田賢治です。
みなさん、「ボッチャ」というパラリンピックの競技を知っていますか。
なかなか馴染みがないと思いますが、世界50か国で行われている人気競技です。ヨーロッパで生まれ、重度の脳性麻痺の人たち、もしくは同程度の四肢の重度機能障害者のために考案されたスポーツです。身体の制御力、精神力、さらには先の先まで読む戦術が求められます。
ボッチャとは⇒こちらをクリック
先月、日本ボッチャ選手権大会を取材しました。
ロンドンパラリンピックの時に番組で特集しましたが、生で見るのは初めてでした。
◆過去の番組より:2012年6月26日放送 「シリーズ パラリンピックへの挑戦 一投に懸ける―ボッチャ 団体戦チーム―」
今年で16回目。会場は千葉ポートアリーナ。静まり返ったコートの中に、選手たちの緊張感があふれていました。
大会では、1対1で戦う個人戦が行われました(他にもボッチャには団体戦があります)。障害の程度によりクラスが分かれていて、同じクラスの選手どうしが対戦します。カーリングやビリヤードとルールが似ているボッチャ。ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。すべてのボールを投げた時点で、よりジャックボールに近づけた方のチームに得点が入ります。
日本の第一人者、廣瀬隆喜選手。脳性麻痺のために、また普段パソコンを使った仕事のために、ボールを投げる左腕の筋肉がこわばってしまうそうです。大会前、マッサージで筋肉をほぐすなど身体のケアもとても重要、と話していました。
白いジャックボールに、赤と青どちらのボールが一番近くに寄せたか、審判が測定器具を使って、厳密に測ります。
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