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LGBT、その先へ 〜『2/28放送「LGBTを"当たり前"に」』後記〜

2017年02月28日(火)

あっという間に時間が過ぎ去っていきました。
トランスジェンダーが主人公の映画「彼らが本気で編む時は、」を見ての語り合い。
監督の荻上直子さん、映画に出演した田中美佐子さん、そして女装パフォーマーのブルボンヌさんとの“本気の話”が、縦横に“編まれた”内容だったと思います。番組をご覧になって、皆さんはどう感じたでしょうか。


20170228_yamaken001.JPG

終了後に写真撮影。それぞれの立場で、普段感じていることをぶつけ合いました

この映画は、荻上監督にある“違和感”が出発点。アメリカ留学時代に当たり前に出会っていたLGBTの人が、日本に帰国後は見えなくなっている現状に問題意識を持ったそうです。ちょうどその頃、荻上さんがふと目にしたのが、『母がトランスジェンダーの息子のために“ニセ乳”を作ってプレゼントした』という新聞記事。この内容が、映画製作への気持ちを後押ししたと言います。映画でも、トランスジェンダーのリンコに、お母さん(田中美佐子さん)がプレゼントするシーンが。息子を包み込む愛情に心打たれました。

ちなみに、その記事は・・・。
実は、2月6日にハートネットTVで紹介した、真境名ナツキさん、法子さん親子のエピソードだったのです。ナツキさんを受け入れる法子さんの姿に多くの反響がありました。

 ブレイクスルーFile.69 私は“闘う”トランスジェンダー –タレント・真境名ナツキ

子どもへの「あなたはあなたでいいんだよ」というメッセージ。これは、LGBTに限らず、子育て全般に共通する考え方ではないでしょうか。

「LGBTを“当たり前”に」

本当にその通りだと思います。ハートネットTVが始まってから5年。この間、特集を組んだり、私自身も取材を進めたりする中で、世の中のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)へのとらえ方が変わってきたのを感じています。条例を制定する自治体も出てきました。まだまだ当事者の皆さんの生きづらさが無くなったわけではありませんが、LGBTが認識される社会になってきたと思います。

しかし、大事なのは、“その先”ではないでしょうか。
「LGBT」という性的少数者を表す言葉には、そうである人とない人とを区別することにもつながります。言葉には、境界線を作ってしまうという特徴があるからです。でも実際、その境界線は必要なく、私たちはどんな人でも混ざり合って生きていくことが求められます。

また本来、一人一人、独自のセクシュアリティーがあるにもかかわらず、「LGBT」という“総称の”言葉では、それらが“一括り”としてとらえられてしまいます。結果、個々の違いが明確化されず、尊重されにくいのです。

セクシュアリティーはグラデーション!
「LGBT」から一歩先に進んだ考え方はないか?

実は今、国際的に注目され、広がってきている言葉があります。

それは、
SOGI(ソギ)」

Sexual Orientation (性的指向:どんな性を好きになるか)
Gender Identity (性自認:自分の性をどう認識しているか)の頭文字。

“どんな「性的指向」でも「性自認」でも尊重し、認め合っていきましょう


という考え方です。リンコのパートナーであるマキオの、「リンコさんのような心の人に惚れちゃったらね、あとのいろいろなことはどうだっていいんだよ」という言葉が、「SOGI」の考え方と重なっているように感じます。

日本でも、この言葉に沿った理念で動き始めている自治体があります。福島県では、県の男女共同参画の基本計画を改定し、「性自認や性的指向にかかわらず、等しく尊重され受容される社会の実現」という項目を新たに作り、来年度から自治体や学校などで具体的な施策が始まっていくそうです。

「LGBT」から「SOGI」へ。
今回の映画が一つのきっかけとなり、考え方が広がっていくことを願っています。

▼番組
 『ハートネットTV』LGBTを“当たり前”に 映画監督・荻上直子と語る
   2017年2月28日(火)【再放送:2017年3月7日(火)昼1時5分

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 お役立ち情報】LGBT
 【特設サイト】LGBT特設サイト-虹色-

コメント

このテーマの番組は、何時も考える事がまとまりません。私の若い頃は訳も分からず色眼鏡で遠くから眺めていたと思います。この歳になりますと時代も変わってか?何も気にならなくなっています。LGBTの方に会った事が無いからでしょうか。実際にお会いすると考える事が出来るか少し不安です。自然体で接することができると良いのですが?私もかっこいい男に憧れることがありますが、その先はありません。本当に難しい問題ですね!コメントになっていない事が今の私の感じていることと思います。

投稿:清満 2017年03月01日(水曜日) 20時45分

私は高次脳機能障害を患って以降、歩行や書字、明瞭に発音することなど当たり前にこなしていたことが長いこと出来なくなりました。
当たり前なことが出来なくなってしまい、“当たり前”という表現に違和感を覚えるようになりました。
その中で私が行き着いた言葉は「当たり前・それが意外と有り難い」で、書道にしました。
大学の教授から「人にはそれぞれの“当たり前”がある。」とお聞きしました。
メールをいただけましたら画像をお送りさせていただきます。

投稿:ずーしみ 2017年03月01日(水曜日) 19時52分