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決意を胸に

2015年01月07日(水)

いよいよ2015年が始まりました。
今年もどうぞよろしくお願いします。

私にとっての仕事始めは今月5日。職場に行くために渋谷駅を降りると、冬の冷たい空気の中で、背筋を伸ばし、雑誌の元日号を高々と上げて販売している男性が目に飛び込んできました。


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この取り組みについて詳しくは、
2014年4月21日放送「ブレイクスルー 路上でみつけた“幸せ”」
 


山崎洋明さん、42歳。仕事始めは、私より2日早く今月3日ですが、年越しは久しぶりにふるさとの岩手で過ごしたそうです。交通費がかかるなどの理由で、販売員の中には「年末年始、実家に帰れる人はほとんどいない」とのことですが、山崎さんは少しずつ貯めたお金で、「青春18きっぷ」を使い、鈍行列車などを乗り継ぎ11時間かけて帰省。年末年始を公園で過ごしていたこれまでと違い、今年は暖かく新年を迎えられたそうです。

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山崎さんと“自撮り”で一緒に。仕事中、お邪魔しました…


これまで心の病などが理由で仕事が長続きせず、30回以上転職した山崎さん。それでも「ホームレスにはなりたくない」との一心で、日雇いで命をつなぎながらネットカフェなどを渡り歩きますが、耐えきれず、心身ともに傷ついた状態で路上生活へ。しかし、山崎さんは「実際にホームレスになってみたら、自分を冷静に見ることができた。地に足がついた感じ」と、かみしめながら話します。5年前から「ビックイシュー」の販売員となりますが、双子の兄も同じ販売員で、今は一緒にNPO法人が提供しているステップハウス(一時的住居)に住んで少しずつお金を貯めているそうです。今年の目標は、「お金を貯めて、一人ずつアパートを借りたい」。語気を強めて、固い決意を語ってくれました。

家という居場所ができ、次は就労…と、一段一段その人のペースで階段を上れるように。
これまで「支えられていた」人が、今度は「支える」側に回れるように。
それを自助努力だけに求めない、社会の仕組みが求められます。
今年4月、「生活困窮者自立支援法」が施行されます。生活保護に至る前の段階から支援を行うというもので、福祉分野だけでない、社会のあらゆる「連携力」が必要です。


番組では今年も、“見えない”社会問題を“見える化”し、皆で共有していこうというスタンスは変わりません。新たなテーマも取り上げながら、これまで特集したテーマの“今”も検証していきます。多くの人にご覧いただけるよう、真摯に社会と向き合っていきたいと思っています。

コメント

2015年が始まりましたね、今年もよろしくお願い致します。世の中、今しなくてはならない問題が多々有り悩みます。ハートネットTVをとうして少しでも解決出来たらと願っております。山田さんも取材など忙しい毎日でしょうが、お身体に気を付けて頑張って下さい。いつも応援しています‼︎

投稿:清満 2015年01月10日(土曜日) 05時21分